『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』夫婦対談・藤沢家(ミムラ&戸次重幸)の巻

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■『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』vol.6■


連れ立って別荘に休暇に来たふた組の夫婦が、アクシデントによってそれぞれ伴侶でない相手と一夜を過ごすことになり、しかもそれぞれが意気投合しちゃった!?
岡田惠和・脚本、堤幸彦・演出で贈るコメディ『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』

連載第3回では榊夫妻(真飛聖&勝村政信)のインタビューをお届けしましたが、
もちろんもうひと組の夫婦、藤沢家(ミムラ&戸次重幸)にもお話を伺ってきました!

こちらのカップルは、ミムラさん扮するおとなしい(そして、ちょっと変わった)妻と、戸次さん演じるアピール度の高いイケイケなダンナ、という組み合わせ。

初日まで1週間を切り、稽古も追い込み中!?なタイミングで、ふたりは何を語るのか...。
ご覧ください。


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ミムラ&戸次重幸 INTERVIEW


――開幕も目前ですが、現在のお稽古場はどんな状況ですか?

ミムラ「もう本当に楽しいです!」

戸次「毎日毎日、(演出の)堤さんから"小ネタ"が5つずつくらい増やされていくんです...。最近はもう、どんどん作品を固めていく作業ですので、毎日通し稽古をやっているのですが、通しのあとの振り返りチェックでだいたい堤さんに言われるのは"小ネタ"を増やすこと(笑)」

ミムラ「そうなんです、大きな流れや感情面のことも少しは出ますが、基本小ネタばかりですよね(笑)。堤監督は、あまりにご自分が毎日違うことを追加していくので、台本に書き込みをするのに12色の色鉛筆を使っていらっしゃるんですよ。今日は紫にしよう、とか! いつ何を言ったかわからなくなっちゃうから」

戸次「毎回足される小ネタにどう対応していくかというのをみんなが楽しんでやっているのも、今の稽古場の楽しさに繋がっています」

ミムラ「でも戸次さんは大変ですよね。キャラクター的に、戸次さんが演じる藤沢しかツッコめる人がいないということが多いので、戸次さんはボケもやりつつツッコミもやる。だから追加される小ネタのうち、ものすごい分量が戸次さん担当(笑)。私、舞台に出演するのが初めてなのでわからないんですが、この段階になってもやることが増えていく、というのは、よくあることなんですか?」

戸次「いやぁ、こんなのは堤さんくらいじゃないですか?」

ミムラ「やっぱり、あまりないことなんですね...」
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――そうなんです、ミムラさんは初舞台ですよね?

ミムラ「はい、初なんです」

戸次「とは思えない! 僕らは"居方"って言うんですが、そこに居る姿勢が、何回か舞台を踏まれている方みたい。やっぱりそこはさすが、映像で何年も女優をやられている方ですよね」

ミムラ「居方、ですか~。今日言われて意識しちゃったから、もうダメかもです(笑)」

戸次「いやいやいや。自分が初めて舞台に立った時を振り返ってみると、それはもう溯ること学生時代の話なんですが、全然"居る"ことが出来なかったですから。手はぶらぶら動くわ、重心はぶれるわ、震えるわで。でも初めて舞台に立つ人は絶対あるんですよ、地に足がついていないような感覚が。それなのにミムラさんはまったくそれがないので、すごいなって」

ミムラ「恐縮です! でも私は戸次さんはじめ、勝村さん真飛さん...活躍してきた場が違えども皆さんものすごいキャリアのある先輩の中で、ひとりド新人で入ってきて...って状態なので。吸収させてもらおう、見て勉強しよう、と必死ですよ。脚本の構造上、私は勝村さんと、戸次さんは真飛さんとふたりのシーンが多いんですが、戸次さんと真飛さんのところなんかは観客として楽しい! という気持ちになってしまいます。でも私の役、ハルカに任されていることはちょっと違いますし、そこに憧れてしまってもいけないと思いますので、ちゃんと見せ方を考えなきゃ。とはいえ、感じている「とにかく楽しい」というエネルギーをちゃんとお客さまに伝わるようにしたいですね。本当に勉強になりますし、面白いです」

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――脚本は数多くの人気ドラマを手掛けている岡田惠和さんです。この岡田さんの脚本については、どんな印象を抱かれましたか?

ミムラ「純粋に「うわぁ、面白い!」って思いました。もともといつか舞台をやりたいと思っていたんです。それで、観客として色々な作品を観ているうちに、もちろん役者としての技量が必要だけれど、少人数の会話劇が一番面白いな、やるんならこういう作品に出てみたいな、って思っていたので、まさにそういうお話で。それにこのお話をいただく少し前に、ちょうどロマン・ポランスキー監督の『おとなのけんか』(2011年)を観ていまして、それもふた組の夫婦が、子どもがケンカしたことについて大人同士で話し合いしようと集まるのが、次第に大人げないことになっていく...という元は舞台作品の映画だったんです。すごく面白くて、いい大人が妻として夫としての立場とかを忘れて"ぐちゃっと"した状況になった時に、本人の核の部分がポンと出てしまうのが愛しいな、と。今回の脚本はまさにそんな感じでしたので、これはぜひやりたいと思いました。タイミング的にもうまく合って出演が叶って、すごく嬉しかったです」

戸次「僕は正直、ふたり芝居が長い構成になっているので、ちょっと不安でした。ひとつのシーンの中で出入りするものがない、純粋なる会話劇でもありますし、お客さんが飽きないかな...と。でも実際にやってみたら全然そんなことなくて、面白いし、ふたり芝居のシーンが長いからこそ後半に繋がる、後半へ話をもっていく構造上必然だったんだなと感じています。良く出来ているなあ、と」


――そして、演出もまた、映像界のトップクリエイターでもある堤幸彦さん。冒頭でもさっそく話題になっていましたが、堤さんの演出はいかがですか?

戸次「今"ふたり芝居が長い"と言ったんですが、1幕がミムラさんと勝村さんのシーン(ハルカ&榊)、2幕が真飛さんと僕のシーン(愛子&藤沢)、ってなっているんですね。...なんですけど、そのシーンに出ていない俳優も、舞台上にいるんです」

ミムラ「台本だけでみると、モト冬樹さんや広岡由里子さん、馬場良馬さんは「あ、こことここに出てくるんだな」って思ったんですが、いざ蓋を開けてみたら...活躍の場、いっぱいありますよね~!」

戸次「もう休む暇なく!」

ミムラ「みんな舞台上にいて、「このメンツの中でなんでもやってみよう」ということで...」

戸次「"効果音を出す"とかも、出てない役者がやるんです」

ミムラ「"小物を差し出す"とかも! すごい緊張感がありますよね」

戸次「本当に! 演出の妙ってこういうことですよねぇ。演出家によって同じ物語が何色にもなる。堤さんじゃなかったら別の『スタンド・バイ・ユー』になっていたと思います」

ミムラ「でも、こういったことも、舞台作品としてあまりないことなんですよね?」

戸次「出てない役者も舞台上にいる、っていうのもあんまりないパターンですよ。ミムラさんは初舞台にして貴重な経験をされていると思います(笑)」

ミムラ「そういう意味でも、舞台を見慣れてる方にも「ちょっと面白いな」って思っていただける、新しいところが入ってる舞台になっていると思います」

戸次「僕らは"回想シーン"にも出るんですよね」

ミムラ「そうなんです、例えば榊(勝村)とハルカ(ミムラ)のふたりのシーンで、私が「うちのダンナさんはこういうことを言うんです」と言う"こういうこと"の部分を、全部本人が...この場合ですと、戸次さんが言うんです」

戸次「言うんです!」

ミムラ「私たちは、そこのセリフの部分を穴抜けで言う。で、戸次さんと真飛さんのお芝居って"運動神経のいい芝居"なんですよ。キレが良くて、小気味良くて本当に気持ちがいいんですね。堤さんもきっとこのおふたりだったら出来ると思われているんでしょうね、どんどんそういったセリフが足されていて(笑)。でもそうすると、戸次さんたちは私たちのセリフも全部覚えてないといけない。それがすごいな、と...」

戸次「もうね、反射神経テストみたいになってますよ! くるか、くるか、くるか、このセリフ、キター!!」

ミムラ「(笑)」

戸次「しかも「立ち上がりながらセリフを言ってください」って言われていて。立ち上がってからではなく、立ち上がり"ながら"。ですから直前のミムラさんのセリフを聞き終わってからアクションをしては間に合わないんです。食い気味にセリフを言わなきゃいけないので、もう本当に必要なのは反射神経なんです。そんなのが僕の場合、7.5ヵ所もある(笑)。ボーっとしてたら出遅れちゃうんです」

ミムラ「キャラクター性を出すために、セリフにも色がついているので、しかも"立ち上がりかけて何も言わない"とかもありますよね(笑)」

――あ、それが「.5」なんですね。

ミムラ「そうです!(笑)」

戸次「でもこの間、堤さんが「すごく立体的になった」っておっしゃってくれた。お客さんの目線が、ステージの中央だけでなく、脇でツッコんだりしている僕らにも集中する、視点が広がるという意味で立体的とおっしゃったと思うんですけど、やっていても面白い演出だなって思いますよ。岡田さんはそんなことを考えて書いてないですよね、多分」

ミムラ「岡田さんがご覧になったらびっくりすると思いますよね~!」

戸次「びっくりするでしょうねぇ!」

ミムラ「本当に普通に読んでも声を出して笑ってしまう脚本だったので、表現の仕方としては、それだけでやっていくという方向もあったと思うんです。でも堤監督の小ネタがちょこちょこデコレーションとして乗っかることによって、逆に土台が際立つという面もあって、それが不思議。ストレートに出すより感情が色濃くなったりして、面白いです」

戸次「演じていても、体感時間が短く感じます。あっという間ですね。通していても1時間50分くらいかな、と思ったら2時間過ぎてたんだ...という感覚。お客さんもあっという間だと思ってくれるんじゃないかな」


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――そして描かれるのは"夫婦の物語"です。これは榊夫婦にもお伺いしたのですが、男性も女性も両極端のタイプが登場しますが...ミムラさん、戸次さんご自身としては、どちらの異性がタイプですか?

ミムラ「どっちだろう...! 結構、こういう質問を投げかけられた時にパっと答えられる方なのですが、今回に限ってはフィフティ・フィフティかな。岡田さんの脚本のすごいところは、どの人物にも素晴らしく愛しさを感じられるところ。最初に読んだ段階では、榊(勝村)の方がしっくりくるかなと思ったんですが、藤沢も実際戸次さんが演じられているのを見ると、面白みと可愛らしさと、人としての一生懸命さがどんどん伝わってきます。また勝村さんが演じると榊にも違う面が見えてきますし...。今、稽古場で演じているおふたりのキャラクターを見ると選びにくい! どちらの男性も個性が強いですが、その魅力はクセの強さ抜きでは語れない。一緒にいたらなんのかんのあっても幸せになれるんじゃないかなって」

戸次「僕はエンディングを知っちゃっているからなぁ。タイトルに『家庭内再婚』ってありますから、お客さんも「おそらくハッピーになるんじゃないかな」って予想を抱かれていると思いますが...。でも僕はハルカ(ミムラ)と愛子(真飛)、どっちもいいと思う。どちらとでも幸せになりそうな気がします。藤沢も絶対にこのあと最高に幸せだろうし、榊夫婦も今後すごく上手くいくだろうし。だから答えるとしたら「結婚してくれるなら、どちらでも!」です(笑)」


――未婚の戸次さんは、これで結婚に対する憧れが生まれた、とか?

戸次「今回の舞台が僕にとっての教科書、教訓になりましたね」

ミムラ「いいセリフ、いっぱいありますよね」

戸次「いいセリフはだいたいハルカと榊が言うんですけど(笑)。でももし相手に対し不満を持ったとしても「いやいや待てよ、『スタンド・バイ・ユー』でこんなセリフあったぞ」「こんなセリフを言ってくれていたぞ」とか、そういうことを思い出したら乗り越えていけそうな気がする。それは普遍的な、よく言われることかもしれないんですが、それを物語の中でセリフとして言われると説得力が違います」

ミムラ「今回はコメディなので、お客さまが笑って油断してるところに、すっと心の内ポケットに入れたいですよね。それがうまく入るといいなって思います。当たり前のことこそ普通に生活していると忘れがちなので、そういうことをもう1回認識してもらえるといいですよね」

戸次「既婚の方にも未婚の方にも、この作品は色々な意味で"いい機会"になってもらえると思います!」

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藤沢家ご夫妻は見目麗しい美男美女カップルなのですが、その「どこぞのセレブかしら」といった外見を裏切るかのように、口を開くともう一瞬も止まらないマシンガントーク!
夫婦漫才的な榊夫婦の"よくしゃべる"感とはまた違い、お互いの発言に「だよね!」「そうなんですよ!」と同意しつつどんどん盛り上がっていく、同じベクトルに向かい突き進んでいくような楽しいインタビューでした。

そんな息もぴったり、個性際立つふた組の夫婦がどんなドタバタを繰り広げるのか、開幕をお楽しみに。

取材・文・撮影:平野祥恵


【公演情報】
1月12日(月・祝)~27日(火) シアタークリエ(東京)
1月30日(金)~2月1日(日) サンケイホールブリーゼ(大阪)
2月4日(水)北國新聞赤羽ホール(石川)
2月7日(土)静岡市清水文化会館(マリナート) 大ホール
2月9日(月)愛知県芸術劇場 大ホール 


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