最終幕で益岡徹が魅せる! 『ショーシャンクの空に』稽古場潜入レポートvol.2

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舞台版『ショーシャンクの空に』立ち稽古もすでに開始から10日余りが経過。
10月初旬に初めて稽古場を訪れた際は益岡徹さんと成河(ソンハ)さんという主役2人がようやく稽古場で初めて顔を合わせ、第1幕から順番に稽古をつけていくという状況だったが、1週間を経て、いよいよ最終第3幕の稽古へと突入。
より一体感の増した稽古場の模様をレポート!


★稽古場レポートvol.1はコチラ


稽古場レポートvol.2


 (※一部ネタバレを含みます)

1週間という時間は作品に、そして稽古場に大きな変化をもたらすには十分な時間である。
ざっとこの1週間に起こったことをおさらいすると、主人公のアンディー(成河)が無実を主張しながらも殺人の罪でショーシャンク刑務所にぶち込まれ、レッドや仲間たちと出会うさまを描く第一幕、そして銀行員時代の能力を発揮し、看守や所長の"会計士"としての信頼を経て、刑務所内での地位を確立していく第2幕の稽古が着々と進められてきた。

ちなみに舞台は、刑務所からの仮出所を果たしたレッドが、ショーシャンクでの在りし日々を懐かしみ、回想するという形で展開。
第2幕ではアンディーが巻き起こす様々な騒動や、アンディーが服役するきっかけとなった殺人事件の真相を知っている囚人・トミーが入所して来るなど様々な事件が巻き起こるのだが......その詳細は本番を見てのお楽しみ!

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もうひとつ、この1週間で訪れた変化はキャスト陣の顔ぶれ。
当初、11名の俳優陣でスタートしたカンパニーだったが、最終的に14名となることが決定。
追加キャストの3名(山崎和如さん・日栄洋祐さん・鈴木秀明さん)がこの1週間で合流した。
この日の稽古でも演出の河原雅彦さんから追加キャストに対し「途中参加なんだからもっとふざけていいよ! ドンドン自分を出して、もっとバカバカしいくらいにやって!」と発破がかけられる。

ショーシャンクの支配者・所長のノートン役の粟根まことさんも出演していた別公演を終えて、本格的に合流を果たしたが、益岡さん、成河さんと共に粟根さんの存在感が劇中だけでなく、稽古場全体にどこか安心感を与えていることがハッキリと感じられる。

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まだ段差や壁などが設置されていない稽古場で、その動きが本番で実際に可能か? 
この芝居の"ルール"において成立するか否か? 
河原さんが少しずつ見極めていくが、成河さんらが実際に様々な動きを試し、それに対して粟根さんが観客の視点でどう見えるかを指摘するなど意見を交換しながら緊張感をもって稽古が進められていく。
かと思えば、ふとした瞬間、粟根さんが劇中の苦虫を噛み潰したような表情そのままで冗談を口にして座が笑いに包まれるなど、まさにこの芝居同様に緊張感と笑いがバランスよく同居していることが伝わってくる。

言うまでもなく、成河さんと益岡さんの存在感も絶大! 
第3幕は最も重要な幕であることは当然だが、それはあの(映画を見た人ならおなじみの)感動のクライマックスシーンがあるからというだけではない。
絶望の淵でも決して希望を捨てることなく戦い続けるアンディーとそんなアンディーの言葉に背中を押され、一歩ずつ前へと歩もうとするレッド――変わらないアンディーと変化を遂げていくレッド――の内面がこれまで以上に描かれるシーンでもあるのだ。

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河原さんからは「この第3幕がレッドの回想から始まるということの意味をもっと大事にしていきましょう」と指示が飛ぶ。
その回想シーンとは、映画版ではほとんど言及されることがなかったレッドがどうして刑務所に入ることになったかという場面。
アンディーの言葉に、これまで見せることなく40年にわたって抱え続けてきた思いの丈をレッドが吐き出す。
絶望、希望、悔恨、贖罪、恐怖――この第3幕だけでも益岡さんが表現せねばならないレッドの内面はシーンごとに多種多様なのだ。
河原さんは「回想シーンから刑務所、(仮出所後の)現代のシーンまで、レッドはお客さんから見てずっと一つの軸で繋がっている人物。ずっとトラウマ、その重さを抱えたまま生きている人物です」とさらに注文が加わり「益岡さん、よろしくお願いします」とそのさじ加減を益岡さんに全て委ねる。

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果たしてこの最終幕、映画でも描かれていないレッドを益岡さんがどのような形で見せてくれるのか? 
もちろん、そのレッドの心のよりどころであり、彼と対比するような形で登場するアンディーも注目!
タイプの異なる2人の演技合戦が楽しみだ。


(取材・文:黒豆直樹)


【公演概要】
舞台『ショーシャンクの空に』
[原案・原作]スティーヴン・キング
[演出]河原雅彦
[劇作・脚本]喜安浩平
[出演]成河 / 益岡徹 / 粟根まこと / 畑中智行 / 筒井俊作 / 大家仁志 / 今奈良孝行 / 山崎彬 / 高橋由美子 / 宇野まり絵 / 新良エツ子

■東京公演
2013年11月2日(土)~11月10日(日) サンシャイン劇場
■大阪公演
2013年11月16日(土)~11月18日(月) サンケイホールブリーゼ
■福岡公演
2013年11月23日(土・祝)~11月24日(日) キャナルシティ劇場
■名古屋公演
2013年11月29日(金)~12月1日(日) 名鉄ホール
■松本公演
2013年12月4日(水) まつもと市民芸術館 主ホール


★河原雅彦インタビューを読む
★制作発表(演劇動画サイト「エントレ」に飛びます)動画を見る
★「桐島」コンビ、吉田大八監督&喜安浩平対談を読む


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★稽古場レポートvol.3はコチラ
★稽古場レポートvol.4はコチラ

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