舞台版『ショーシャンクの空に』稽古場潜入レポートもいよいよこの第4弾で最終回!
10月半ばの某日、稽古を終えた直後のタイミングで演出の河原雅彦さん、そして主演の成河(ソンハ)さんと益岡徹さんにインタビューを敢行した。
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稽古場レポートvol.4
(※一部ネタバレを含みます)
9月の下旬に稽古はスタートしたが当初は脚本の読み込み・解釈にじっくりと時間をかけており、立ち稽古が始まったのは10月の初旬。
そこから10日余りを費やして、第1幕から最終の第3幕までひと通りの動きをつけていった。
そろそろ稽古も折り返し地点。
それぞれにどのような手応えを感じているのだろうか?
河原:やはり題材としてとても難しいことにチャレンジしていますが、形になりそう、面白いものができそうだという手応えは感じています。
成河:ここまでみんなで一丸となって作ってきて、この先は自分の力で深めていかないといけない部分。
もちろん、俳優として共演者のみなさんには頼らせてはいただきますが、ここからが自分にとって本当のスタートだなという思いです。
益岡:まずはおしまいまで、でこぼこしながらも必死でたどりつきました。
自分の役は、まだまだいくつも山を越えないと、はっきり見えてこないだろうと思う。
また明日から、きついけど面白い稽古になりそうです。
刑務所という特殊なシチュエーションがどのように表現されるのかも楽しみなポイント。
舞台装置も2階あり、壁あり、段差ありとかなり重厚なものになっている模様。
河原:見た目はシンプルなんですけどね。
ただ、シーンごとに変わりますし(独房、レッドの部屋、法廷、屋上、運動場 etc...)、俳優さんの動きもそれに合わせて非常に複雑ですからね。
僕も含め全員、頭が非常に疲れる現場だと思います。
無実の罪で投獄されるも、どんな状況でも希望を失わないアンディーと長い刑務所生活の中で己の罪を背負い続け希望を持つ気持ちに蓋をしてきたがアンディーとの出会いで変わっていくレッド。
それぞれに異なる個性を見せる。
成河:ここまでやって来て、アンディーという人物がどのような役割を果たしていくのか少しずつ見えてきた。ここからアンディーに血を通わせていきたいです。
アンディーはやはり、常にみんなの希望でなくちゃいけない男なので。
益岡:まだここまでは一度、荒く噛んだ感じですから、ここから収めるべきところに収めていきたいですね。
映画『ショーシャンクの空に』は多くの映画ファンが「ベストムービー」に挙げる名作とあって、舞台化への期待と共に、想像以上に巨大な比較対象が存在することになるが、河原さん自身は「僕としては『面白い演劇を作る』ということしか考えていないですね」と意に介さない...いや、演劇としての本作に自信さえのぞかせる。
河原さんが最重要ポイントとして挙げるのは、何よりも俳優陣の存在!
河原:ここまでやって来て改めて、これは演劇版『ショーシャンクの空に』以外の何物でもないと思いました。
難しさはいくつもありますよ。
40~50年の長いお話で、しかもシーンからシーンへ何十年も飛ぶので、描かれていない間に何が起きたかを俳優陣が想像し、醸し出していかないといけない。
それを踏まえないと、ただのエピソードの羅列になってしまいますから。
でもそこをしっかりと埋めることができれば、小説とも映画とも違う、演劇ならではの非常にカタルシスの大きな作品になると思います。
そこはかねてから思っていたし、ひと通りやってみて確信を得ましたね。
当たり前だけど、僕らの中の誰も何十年も塀の中で暮らした経験なんてないんだから、そこにリアリティはない。
でもそれを生でお客さんにリアルとして見せる――それを埋めるというのは本当に大きなことだし、それを最後までやり切れたら、これぞまさに演劇だと思う。
僕らは演劇で立ち向かうしかないので、(舞台化に対する)"疑い"を晴らしていきますよ!
成河さんのアンディー、益岡さんのレッドに対しては河原さんは「最高ですよ!」と賛辞を惜しまない。
改めて成河さん、益岡さんにも共演をしての感想を尋ねた。
河原:想像以上にいいコンビになってくれそうだなと感じてます。
成河は、動きたくてしょうがないと思うけど、今回は舞台上よりも見えない舞台袖の移動でいっぱい動いてもらってばかりで申し訳ない。
でも(動きたい気持ちを)抑えて、内面で燃焼してくれている成河の姿はすごく新鮮だし、お客さんにこれまでにない新しい姿として映ると思う。
成河:トライ&エラーです(笑)!
河原:益岡さんは異様な説得力があります。
というか、普通は引き受けないでしょ、(映画版でモーガン・フリーマンが演じた)レッドの役なんて。
それを引き受けていただけたのが益岡さんで本当に良かったなと思います。
実直な2人ですが、芝居のタイプは全然違ってて面白いですね。
益岡:僕は成河くんの芝居は見てきて、とってもいい役者さんだって知ってました。
僕でちゃんと成河くんの相手を務めることができるか? というのも含めていろいろ考えましたよ。
年齢で言うなら、僕は成河くんの親の世代と言ってもいいけどそんなの関係ないからね。
自分のこともそうだし、アンディーに対してもまだまだ発見する部分が多いと思うのでこれからより一層、楽しみです。
成河:僕はもう、益岡さんの目を見ているだけで安心できるんです。
本当は僕自身も同じことを相手に対してできるようにならなくちゃいけないと思いつつ、助けていただいてます。
益岡さんを見るだけで、いま自分がやった芝居が正解だったか不正解だったかが分かるんです。
すごく怖いし、ドキドキするけどそれが出来るのは素敵だと思うし、鍛えていただいてます!
(取材・文:黒豆直樹)
【公演概要】
舞台『ショーシャンクの空に』
[原案・原作]スティーヴン・キング
[演出]河原雅彦
[劇作・脚本]喜安浩平
[出演]成河 / 益岡徹 / 粟根まこと / 畑中智行 / 筒井俊作 / 大家仁志 / 今奈良孝行 / 山崎彬 / 高橋由美子 / 宇野まり絵 / 新良エツ子
■東京公演
2013年11月2日(土)~11月10日(日) サンシャイン劇場
■大阪公演
2013年11月16日(土)~11月18日(月) サンケイホールブリーゼ
■福岡公演
2013年11月23日(土・祝)~11月24日(日) キャナルシティ劇場
■名古屋公演
2013年11月29日(金)~12月1日(日) 名鉄ホール
■松本公演
2013年12月4日(水) まつもと市民芸術館 主ホール
★河原雅彦インタビューを読む
★制作発表(演劇動画サイト「エントレ」に飛びます)動画を見る
★「桐島」コンビ、吉田大八監督&喜安浩平対談を読む
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