2017年2月アーカイブ
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」の制作発表が行われ、宝塚退団後 初の舞台出演となる北翔海莉らが 劇中曲を披露した。
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」は、リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に、7セント半の賃上げを望むパジャマ工場の労働者と雇用者の闘いと、若木工場長と組合員の恋をロマンチックに描いた作品。
1954年に初演。トニー賞最優秀作品賞などを受賞した名作であり、ボブ・フォッシーが初めて振付を手掛けた作品としても有名。
そして今作の演出を手掛けるのはトム・サザーランド。
日本では「タイタニック」や「グランドホテル」を手掛けて高い評価を得た彼の手腕に期待が高まるところだ。
出演は北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄など。
本作の制作発表が行われ、劇中曲 3曲が披露された。【動画3分】
1曲目 I'm not at all in love
2曲目 Hey There
3曲目 Once a year day
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
2月18日(土)に開幕した、
『熱海殺人事件 NEW GENERATION』 。
つかこうへいさんの代表作 『熱海殺人事件』 に、20代のキャスト4人(味方良介、文音、多和田秀弥、黒羽麻璃央)が挑み、文字通り"NEW GENERATION"な舞台をつくりあげています。
そんな本作の公開ゲネプロ直後、熱気も冷めやらぬ紀伊國屋ホールのロビーで、刑事・熊田留吉役の多和田さん、犯人・大山金太郎の黒羽さん にお話をうかがいました!
――ゲネプロおつかれさまでした。すごくおもしろかったですし、今まで見たことのないおふたりが見られました。
多和田:そう言ってもらえて嬉しいね。
黒羽:そう言っていただければもう...。死にそうになってやってよかった(笑)。
――まずはゲネプロを終えたばかりの今の気持ちを聞かせてください
多和田:始まるまでは、ほかの舞台ではあまり感じたことのない緊張があったんですけど、いざ幕が開くといつも通りにできました。お客さんが入ってどういう空気感になるのかがすごく楽しみになりましたね。
黒羽:僕は前半は出ないので、3人が最初からガーッて上げているのを見て、そこに入っていくのは怖かったです。ゲネプロでこんなに緊張したのは本当に久々で。
――おふたりとも緊張されたんですね。何の緊張でしょうか?
多和田:重みかなと思います、作品の。
黒羽:4人っていうのもあるよね。始まっちゃったら逃げ場がないので、何かあってもその場でなんとかしなきゃいけないと思うと怖かったです。でも始まったらその流れにどんどんハマっていくのがめちゃくちゃ楽しくて。お客さんが入ったらもっと上がっていくと思うし。
多和田:『○○○○(黒羽さん演じる大山金太郎が歌う某曲)』は盛り上がるでしょ。僕、楽しみにしてる、お客さんの反応。
まりちゃんの本領発揮ですよ!
黒羽:いや~、わりかし(舞台作品の中で)歌うことはやってきた人間なんですけど、なんか俺ちょっとこれに関しては...こわい!
こればっかりは(客席の反応が)読めない!
多和田:「麻璃央くんの『○○○〇』!」ってなるよ。
黒羽:(不安そうに)まあね...。でも本当に楽しみです、明日の本番が。
――黒羽さんはどうですか? 殺人の犯人・大山金太郎を演じますが。
黒羽:「一歩踏み込む(=劇中の台詞)」とこんなにもしんどい世界が待ってんだなっていうのが...。普通に生きてたら体験しない感覚なんですよ。人を殺したことないし、熊田もそうですけど貧乏ということにコンプレックスがあって。
人間だれしもコンプレックスはあるんですけど、それが大山くんは深いところにありまして。(大山の)田舎ではそれが当たり前なんだけど、東京に出て来てその差にやられちゃう、みたいな。惨めな思いをして。お芝居するのは楽しいんですけど、人間の本当の底のところをえぐられてる気がします。普段、触らない部分をどんどんどんどん開けてって開けてって。
多和田:ガシガシ触られてるよね。
黒羽:うん、ガシガシ触られてる。そこにまた「一歩踏み込んで」くるのが刑事さんたちだったりするんですけど。運動量とかは『熱海殺人事件』ってそんなにないとんですよ。でも負荷が...。
多和田:内から出てくるもの。
黒羽:うん。それがやっぱり今までやってきたどの舞台よりも重いので。なんか...お芝居してるって感じだよね。
多和田:すごいわかる!
黒羽:大山金太郎として生きてる。秀弥は熊田として生きてる。
多和田:板の上に立ってるときの感覚がすごく濃いんですよね。1対1のシーンはエネルギーとエネルギーがぶつかってる感覚がすごくある。
――つかこうへいさんの戯曲をやってみてどうですか?
黒羽:僕は『熱海殺人事件』しかやったことないですけど、続いていく理由がわかります。役者っていろんなことを経験しなきゃいけないと思うんですけど、この作品を通して本当にいろんなことを経験できています。かっこよくみせるとかじゃなくて、ドロドロなところを見せていかなきゃいけないし。つかさんの戯曲って内から出てくるものを全部さらけ出さないとできない作品なんでしょうね。
――それを経験できたことはよかったですか。
黒羽:うん。なんか何でもできそうな気がするもん。
多和田:それいいね。
――多和田さんはどうでしたか?
多和田:僕は 『新・幕末純情伝』(2015年)が初めてのつか作品です。ミュージカル『テニスの王子様』 を卒業して最初に出た舞台で、いっぱいいっぱいになってかなり悔しい想いをしたんですよ。
それは別の方の演出だったんですけど、岡村さんが観に来てくださって「いつかやれたらいいね」って話をしてくれて。絶対いつかリベンジしたいと思っていたら、今回『熱海殺人事件』が決まって、しかも岡村さん演出で。
今、自分ができることを全部出したいと思って稽古に臨みました。そしたら苦しいだけじゃなくて、「一番楽しんでるんじゃないか」って言われるくらい楽しめて。岡村さんも稽古場でよく「この作品は楽しんだもん勝ちだ」「大変だけどそれを越えたら楽しくなるから」って言っていたのですが、それを少しでも体感できてるのはすごく嬉しいです。
――いろんな経験をした今だから楽しめるんでしょうね。
多和田:そうですね。それに『熱海殺人事件』という作品をできて本当に光栄だなって思います。本当にやりたいって人、多いですよ。出るって言ったら「いいなあ」って。
――おふたりは久しぶりの共演ですね。
黒羽:(2014年にミュージカル『テニスの王子様』が)終わって初めてです。年取ったよね?
多和田:(笑)これ、すごい言うんですよ。「俺、老けたよね?老けたよね?」って。で、「お前は老けてない」って。
黒羽:秀弥は意外と変わってないんですよ。当時よりはしっかりしてるんですけど、変わってほしくなかった部分は変わってなかった。
――どういう部分ですか?
黒羽:やっぱ(と、多和田さんを見ると変顔をしている)こういうね(笑)、こういう風に人との距離感がすごい近い人で。同い年っていうのもあるけど、なんかホッとする、秀弥がいることで。
多和田:それは僕も一緒です。落ち着くんですよね。2年半一緒にいたから、いくら間があいたって変わらないんだなって実感しました。
黒羽:イエーイ!
多和田:でもその中で、麻璃央のお芝居に対しての熱がすごく深くなってるのを僕は感じた。
黒羽:うん、当時は仕事に対して今ほど深く考えてなかったというか...。
多和田:ちゃんとやってはいたけどね。でもだからすごく嬉しかった。苦しい想いも楽しい想いも一緒にしてきた仲間として嬉しくなっちゃって。麻璃央が独白しているシーンを見て、"多和田"として感動したりもしました。
今こうやって『熱海殺人事件』っていうディープな作品の逃げられない空間の中でぶつかり合えるのは、すごく幸せなことだと思います。稽古場から楽しかったです。
黒羽:(ぼそっと)もうちょっとやりたいよね。
多和田:ふふっ。
――そうやって再会してこんな熱い芝居をできるのはすごく素敵ですね。
多和田:もしかしたらお互いのファンの方も、
黒羽:懐かしく思ってくれるかもね。
多和田:「麻璃央くんのファンと一緒に観に行きます」ってメッセージをもらったりしました。嬉しいなって思います。全然見たことない姿を見せられると思いますし。
黒羽:当時を知ってるファンの方には「お!」と、
多和田:違う意味で刺さるかもしれないよね。そこもがんばりつつ、僕らを知らないお客さんにもちゃんとこの作品のよさを届けられるように...がんばりたいね?
黒羽:うぃっす!
「熱海殺人事件 NEW GENERATION」は3月6日(月)まで東京・新宿 紀伊國屋ホールにて上演中!
ライター:中川實穗
演劇プロデュースユニット「モラトリアムパンツ」の舞台「おばけリンゴ」が2月23日(木)から開幕した。
Moratorium Pants(モラトリアムパンツ)は2011年に旗揚げした俳優・橋本昭博主宰の演劇プロデュースユニット。
今回上演される『おばけリンゴ』は、俳優の故・岸田今日子から「こどもも楽しめる舞台をつくりたい」と頼まれた谷川俊太郎が、ポーランドの作家ヤーノシュ作の絵本を元に執筆したもの。
モラトリアムパンツでは2015年10月に上演。谷川俊太郎に「若さ溢れる新しい『おばけリンゴ』」と高く評価された。
初日当日の2月23日に、本作の公開舞台稽古が行われた。動画は印象深いメインテーマを切り取ったもの。【動画1分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)