「愛してる」を連呼、走る、怒鳴る...。本当の自分を暴かれる『レ・ミゼラブル』オーディション裏話

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ついに30周年を迎えるミュージカル『レ・ミゼラブル』。新キャストの生田絵梨花(コゼット)、二宮愛(ファンテーヌ)、松原凜子(エポニーヌ)、鈴木ほのか(マダム・テナルディエ)が、オーディションの具体的な様子から、役作りに向けての意外な取り組み、好きなシーンなど、和気あいあいと語り合った。

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長年のレミゼファンとしては、初演のコゼット、そしてファンテーヌとして活躍された鈴木ほのかさんが、マダム・テナルディエとしてカムバックされることが嬉しいです。
鈴木 感無量です。やはり30周年という節目の年であること。また一昨年に亡くなられた斎藤晴彦さんを思い出します。本当にお世話になって、私がコゼットからファンテーヌになった時、「君は出世魚みたいだね」とおっしゃって。生きていらっしゃったら、テナルディエとして相手役になってくださったことでしょう。このレミゼに関わった全ての人たちの思いが詰まった30周年になると思います。

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コゼットとファンテーヌは、良い先生がいてラッキーですね。
生田二宮 はい!
鈴木 いえいえ。それぞれが今の、自分らしい役を作っていけばいいのだと思います。『レ・ミゼラブル』がなぜ30年続いたかというと、プロデューサーのサー・キャメロン・マッキントッシュ然り、演出のエイドリアン然り、絶対に同じものを要求しないから。私も初演時のマダム・テナルディエとも、ファンテーヌをやっていた時のマダム・テナルディエとも違う、新たな人物像を作りたいとおっしゃっていただきましたし。

常に進化し続けてきたわけですね。新キャストでは、生田さんはコゼットにぴったり!と思いましたが、二宮さんのファンテーヌと松原さんのエポニーヌは少し意外でした。
鈴木 オーディションでは演出を受けて、舞台さながらの深い演技をしなければいけません。多分、私たちの根っこの部分を、制作陣は見抜くのだと思います。私も初演の際、エポニーヌでオーディションを受けて、コゼットになりましたから。
二宮 私はエポニーヌで受けました。でもよくよく考えてみたら、私はインドア派で編み物や料理が大好き。外に出ればパーティガールにもなれるし、色黒だから「また海に行ってきたでしょ?」と言われるけど、実はずっと家の中にいるんですよ。もしかしたらエイドリアンさんに見抜いていただいたのかな?

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松原 私はコゼットで受けて、エポニーヌになりました。黙っていると大人しく見られがちですが、実はアウトドア派でアクティブ。一歩動くと残念なタイプです(笑)。オーディションでコゼットを演じた時、「気持ちを高めるために走ってみて」と言われて、走ったら全くコゼットらしくなかったみたいで。オーディション会場に行く格好も、スニーカーにリュックサック。田舎の山の中で育ったちょっとガサツなところがにじみ出たのでしょうね。
鈴木 エイドリアンの演出が自分を教えてくれるところがありますね。こんな自分に出会えるんだ!と思えるのが、『レ・ミゼラブル』の醍醐味。
生田 オーディションだけでも、とても楽しい時間でした。
鈴木 本当に尊い時間です。でも、ものすごく厳しかったですよ。私、「怒鳴るだけなら、スタッフでもできる」って言われましたから。その場で「もっともっとやってみて」と、激しく要求されて。すると、どんどん自分を剥がされて、本性が出てくる。
生田 わかります!私、コゼットは大人しくて可愛らしいイメージだと思って演じたら、秘めている熱が足りないと言われ、「『心は愛に溢れて』の全ての語尾に"愛してる"を入れて歌ってごらん」と。そうしたら、すごく積極的なコゼットになったんです。
鈴木 あふーれーゆく〜♪愛してる!この〜おーもい〜♪愛してる!面白い (笑)。
生田 それも、ただ"愛してる"と言うだけじゃダメで、もっともっと情熱を込めなさいと。自分の描いていたコゼット像と違いすぎて、びっくりしながら演じました。そんな演出を受けたことで、コゼットの新しい要素をもっといっぱい見つけたいなぁって、夢が広がりました。
鈴木 どの役も新しい自分が生まれるのが楽しいのよね。初日にはきっと、ニュー絵梨花さんが出現しますよ。


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二宮 私は歌手で普段はR&BやHIPHOPを歌っているのですが、オーディションでは「オンマイオウン」に挑戦。すると、「いつものR&Bっぽく歌って。もっとHIPHOPでいいよ」って。そこで、いいんですか?って崩して歌ってみたら、「ファンテーヌを歌ってみて」と。その場で「夢やぶれて」の楽譜をいただいて、歌ったんです。ファンテーヌについては勉強していなかったから、可哀想で報われない、病弱な雰囲気で。すると「もっと普段通りに、強くていいから」と言われて、いつも通りの強い歌い方で歌い、選んでいただきました。自分が考えた役の人物像とは違うところに興味を持っていただいた気がします。
鈴木 イギリス人やフランス人が考える『レ・ミゼラブル』と日本人が考える『レ・ミゼラブル』は全然違います。日本人的な考え方だと、ファンテーヌは耐え忍ぶ、おとなしいヒロインになるけど、制作陣の考えは180度違うかもしれません。

松原さんはコゼットで受けて、コールバックでコゼットとエポニーヌの二役になられたとか。
松原 そうなんです。エポニーヌを歌う時は裸足で、コゼットを歌う時には「履きまーす」って靴を履いてと、自分なりに歌い分けたつもりだったのですが、見事に役が混ざっていると言われまして。「次はコゼットだけで来てくれ」となり、次に呼ばれた時にコゼットだけをやったんです。そうしたら、「もっと今時の女の子としてはじけていいし、芯の強さがあるといい」と。でも私がコゼットを演じると、どこか老けてしまう。動いても体が重く感じて、エレガントにならなかった。結果、エポニーヌに選んでいただいて、新鮮で嬉しかったです。

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鈴木 私と逆ですね。マダム・テナルディエは豊満な方が多いので、私は炭水化物を食べて食べて食べまくって、5キロ太ったんです。ロバート・デ・ニーロみたいに。(笑)
全員 すごーい!
鈴木 それでも大して豊満にならないので、髪をわーっと逆立てて、真っ赤な口紅をひいて、ものすごいメイクでオーディションに臨みました。エイドリアンが面白がって写真を撮り、最終選考で「君、こんなだったよ!」と見せてくれて、みんなで笑ったの。

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二宮 私はフランス革命当時のフランスの食生活を調べて、真似しました。フランスの一番安いパン、カンパーニュをちぎって、1日外に置いておくんです。するとカッピカピになる。
鈴木 初演の時、「乞食たち」のシーンでコゼットが配るパンがカリカリのパンでした。こんなもの、食べられない!というようなパンを、みんな実際に食べていたんですよ。初演では、衣裳にもその時代のフランスの生地が使われていましたしね。
二宮 ほんと、鳥の餌みたいで美味しくないんです。お腹いっぱい食べられないから、ちょっとずつ食べて。一緒にチーズ一切れと、蒸留されていないワインも。私、ミュージカルは初めてなので、どんなに頑張っても他の方には追いつけないから、とことんやってみたんです。1週間その食生活をしたら、ゲッソリしちゃって。
鈴木 あと、ファンテーヌなら歯を抜く?!(笑)。彼女は髪を切り、歯を抜き、女性を売って、辛い思いをしながらコゼットを育てました。コゼットはファンテーヌの娘だから、母親の情熱や激しい部分をきっと受け継いでいると思う。
生田 ああ、確かに。参考になります。

ほのかさんのご主人・安崎求さんもかつてマリウスとテナルディエを演じられました。何か、安崎さんからアドバイスは受けられましたか。
鈴木 オーディションを受けるかどうか悩んでいる時、もうそろそろ年齢的にも経歴的にも頃合いじゃないかと、肩を押してくれました。悲劇よりも喜劇のほうが俳優にとって難しいですし、悪役も難しい。ある種のテクニックが必要になりますね。実際、オーディションは難しかったです。エイドリアンの要求に到達できなくて、もっとこうしたかったと思い残すことが多い中、GOサインをいただきました。その分、稽古場が楽しみです。
松原 お話を聞いているだけでも、お稽古がより楽しみになってきました!
二宮 ほんと楽しみだし、ほのかさんがいらっしゃって心強いです。
鈴木 いや、稽古場で一番泣いているのは私かもしれません(笑)。

最後に、好きなシーンや思い入れのあるシーンを教えてください。
二宮 私は「バルジャンの独白」。バルジャンが、自分の身分証明書をちぎるシーンが感動的で、思い出すだけで鳥肌が立ちます。私は映画が初めての『レ・ミゼラブル』だったのですが、映画でも舞台でも一番好きでした。
鈴木 その直後にタラララ〜とおなじみのメロディが流れて、「一日の終わりに」が始まるのよね。あの怒涛の流れはすごい。私も初演から聞いていて、涙が出ます。バルジャンが生まれ変わる瞬間!
生田 私は1幕ラストの「ワン・デイ・モア」です。歌いながらみんなで行進するところがずっと残像に残っていて。各々の登場人物にストーリーがありながら、次の日に立ち向かっていく姿が好きです。
松原 私は「乞食たち」でマリウスとコゼットが出会うシーン。エポニーヌとして考えるととても辛くて、一目見てコゼットには勝てないと感じつつ、何とかしなければいけないと思う。コゼットの身になると、あの青年は誰?と運命を感じる瞬間ですね。
鈴木 私は「宿屋」。テナルディエとマダム・テナルディエのコンビ力がすごく必要。あのシーンが生き生きしたものになるといいなと思っています。

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『レ・ミゼラブル』は2017年5月25日(木)〜7月17日(月・祝)、帝国劇場にて。プレビュー公演は5月21日(日)〜5月24日(水)。8月福岡・博多座、9月大阪・フェスティバルホール、9〜10月名古屋・中日劇場。
東京公演は、5月・6月公演を19日(日)23:59まで、7月公演を2月23日(木)15:00から26日(日)23:59まで抽選先行を受付る。

文章:三浦真紀 写真:川野結李歌

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