『マイ・フェア・レディ』#2 公開稽古レポート〈前半〉

チケット情報はこちら

■『マイ・フェア・レディ』2016 #2■


オードリー・ヘップバーン主演の映画でも名高い『マイ・フェア・レディ』
ロンドンの下町で育った貧しい花売り娘のイライザが、言語学者のヒギンズ教授の教えを受け、訛りの矯正と淑女らしい礼儀作法を学び、貴婦人へと変身していく"シンデレラ・ストーリーの決定版"。
myfairlady16_02_01_IMG_9986.JPG
1956年にNYで初演されてから60年、
そして日本では1964年に初演されてから53年。
長く愛され続けている作品です。

2013年には、ヒロインのイライザに霧矢大夢真飛聖のWキャスト、ヒギンズ教授に寺脇康文といったフレッシュなキャストを得て、G2の演出により、クラシカルな魅力はそのままに、登場人物たちの生き生きとした情感を際立たせた"リボーン版"として生まれ変わり、大好評を得ました。
その好評を得た"リボーン版"のキャストを中心に、そして新たなキャストも加わり、2016年、再びあのキュートなリボーン版『マイ・フェア・レディ』が登場します!

6月14日、その稽古の様子が一部公開されました。
その模様を2回に分けてお届けします!

リボーン版の演出はコチラ、G2さん
myfairlady16_02_03_9711.JPG
「2013年、『マイ・フェア・レディ』日本上演50年目の節目の時に、東宝さんから私の方にリニューアルしてやってほしいとご依頼いただだきました。
リメイクではなくリボーン版と言っていますが、どう違うのかというと、<変えるというより、むしろ元の本に忠実に、そして時間的制約で割愛していたシーンを、別の工夫を持ち込むことで全シーン復活して、原作者、作曲者の意図をもう一度見直した>ということからリボーン版と呼んでいます。
プラス、そこに現代感覚を加えています。日本だけでも、初演から50年たっている作品ですが、女性が社会でどう生きていくか..."女性の社会進出"ということの先鞭をつけた物語でもあります。現代の日本においてもその問題はまだ残っています。今を生きる女性の皆さん、もちろん男性にも何かジーンとくる話にしたいということから、より人間関係や人の思いに焦点を当てました。音楽も少しアレンジを変えてやっています」
と説明されました。

さて、この日披露されたのは3つのシーン。
まず最初は、霧矢イライザによる『だったらいいな』

街角で花を売っているイライザの下町での姿と、その貧しい中でも人々が生き生きと生活しているさまが描かれるシーン。同時に、イライザとヒギンズの出会いの場でもあります。
G2さんの解説によると
「今からご覧いただけるダンスシーンはかなり初演とは違う躍動感があります。うちのカンパニーにはイライザがふたりいまして、ふたりとも3年たった今も、いやむしろ今の方がとてもキュートな魅力を備えている。特にそのふたりのキュートな魅力が出るダンスシーンになっています(笑)」

優雅な暮らしが出来たらいいな、まだ見ぬ誰かが優しく抱きしめてくれたらいいな、と夢いっぱいの表情で歌う霧矢イライザ
myfairlady16_02_11_9765.JPG
ここ、コベントガーデンは上流階級の人間も、下層階級の人間も行きかいます。
ヒギンズ教授(寺脇康文さん)ピッカリング大佐(田山涼成さん)の姿も。
myfairlady16_02_12_9724.JPG
ヒギンズ教授の気まぐれで、予想外の収入を手にしたイライザです。
myfairlady16_02_13_9734.JPG
イライザの幸運を祝福するかのように集まってくる町の人々。
myfairlady16_02_15_9737.JPG
石井雅登さん、小原和彦さんら男性のコーラスワークも美しかった!
myfairlady16_02_16_9747.JPG
ダンスシーン、G2さんの仰るとおり、ダイナミックになっています!
myfairlady16_02_17_9778.JPG


続けて真飛イライザによる『じっとしていられない』

言語学者のヒギンズは、訛り丸出しの下町娘・イライザを見て、ピッカリング大佐と「この娘に、上流階級で通用する言葉遣いと振る舞いが出来るようにする」と賭けをします。
そして「ヒギンズ教授の家でトレーニングを重ね、ついに上手く喋れるようになったイライザの喜びのシーン。いよいよ社会に出て自分の力をみせたい、じっとしていられない気持ち」(G2さん)を歌うナンバーです。
劇中を代表するナンバーで、以前のバージョンのタイトル『踊り明かそう(I Could Have Danced All Night)』で記憶されている方も多いかもしれません。

真飛イライザも、その表情から、ワクワクした気持ちが伝わってくるチャーミングさ。
myfairlady16_02_21_9805.JPG

ヒギンズ教授宅の皆さんも、突然やってきた下町娘に、親切なんですよね。
この物語、身分の違いが差別になっていないところが、とても素敵。
こちらは家政婦のピアス夫人、寿ひずるさん。
myfairlady16_02_21_9793.JPG
ベッドに入っても、高揚感はおさまらない!
myfairlady16_02_23_9824.JPG
myfairlady16_02_24_9810.JPG

最後は霧矢イライザで、『アスコット競馬場』のシーン

映画でも、そしてこの舞台でも、イライザの白黒のツートンのドレスがとっても美しくて印象的な名シーン
(チラシになっている、あのドレスです!)
そして、ほとんどのキャストが勢ぞろいする場面でもあります。
myfairlady16_02_31_9847.JPG
G2さん曰く「上流階級の言葉遣いを身につけたイライザが、実際にアスコット競馬場に行ってその腕を試すんですが、「・・・」。アスコット競馬場のシーンはとても衣裳が素敵で見どころなんですが、今日は残念ながら稽古着です。想像力で素晴らしい衣裳を着ていると想像してご覧になってください」とのこと。

『マイ・フェア・レディ』は2013年の上演時も、当げきぴあでは連載をしていたのですが、この紳士淑女の皆さんのシーン、G2さんが「ここは、あなたたち込みで背景です。動かないでください」と演出をつけていたのを思い出します...。
myfairlady16_02_32_9839.JPG
2013年のバックナンバーはこちら→

ヒギンズ教授の母親は、息子が最近、花売り娘に言葉を教えていると訊いてちょっと不安そう。
myfairlady16_02_33_9864.JPG

ヒギンズ夫人は今回の新キャスト、高橋惠子さん
お上品なご婦人です。高橋さん、ぴったり。
myfairlady16_02_34_9860.JPG
「大丈夫、会話は健康と天気のふたつに限定します」と自信満々なヒギンズ教授。ちょっと変わり者。
myfairlady16_02_35_9869.JPG
そんな変わり者の息子を心配そうに見つめる母。
myfairlady16_02_36_9876.JPG
競馬場にはヒギンズ夫人の友人、アインスフォードヒル夫人(麻生かほ里さん)も、息子のフレディ(水田航生さん)を連れてきています。
myfairlady16_02_37_9917.JPG
myfairlady16_02_38_9933.JPG
淑女に生まれ変わったイライザ、登場!
おそらく本番ではこの瞬間、超みどころになるはずです!!
myfairlady16_02_41_9886.JPG

淑女な言葉遣い...は、いいのですが、その話す内容に、みなさん目を白黒!?
myfairlady16_02_42_9895.JPG

イライザの生き生きとした魅力に、フレディも目がくぎづけです。
myfairlady16_02_43_9898.JPGmyfairlady16_02_43_9909.JPGmyfairlady16_02_44_9926.JPG
水田フレディも、楽しそう!
myfairlady16_02_45_9922.JPG


リボーン版、そして2016年版『マイ・フェア・レディ』の楽しさ、キュートさ、伝わりましたでしょうか?
後半では、キャストによる囲み取材の模様をお届けします!

取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)


【『マイ・フェア・レディ』2016 バックナンバー】

【公演情報】
7月10日(日)~8月7日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
8月13日(土)・14日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
8月20日(土)~22日(月) 梅田芸術劇場メインホール(大阪)

チケット情報はこちら





前の記事「『キム・ジョンウク探し』#6 ついに開幕!囲み取材&プレスコールレポート」へ

次の記事「『マイ・フェア・レディ』#3 公開稽古レポート〈後半〉」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉