【シークレット・ガーデン(4)】通し稽古レポートPart1

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■『シークレット・ガーデン』特別連載 vol.4■


バーネットによる名作児童文学『秘密の花園』を原作にしたミュージカル『シークレット・ガーデン』が、石丸幹二、花總まりらの出演で今年、日本初演されます。

先日、稽古場取材レポートをお届けしましたが、5月末の某日、改めて「通し稽古」を取材してきました!secretgarden04_01_6635.JPG

インドで暮らしていた少女メアリーが、コレラで両親を一度に亡くし、イギリスに住む叔父アーチボルドのところへ引き取られていく......という筋は、原作のとおり。

このミュージカルでも、そのシーンから始まります。
インド風の音楽もあります。secretgarden04_11_6526.JPG
チャントを詠唱するのは、苦行僧役の太田翔さん。
太田さん、インド僧っぽく、ジャージを斜め掛けして袈裟っぽくし、雰囲気を出していました。secretgarden04_13_6522.JPG

コレラがすべての人の命を奪った...かと思われた屋敷で、ひとりメアリーが発見されます。
ライト中尉=鎌田誠樹さん、ホームズ少佐=石鍋多加史さん。secretgarden04_14_6537.JPG

「この子がコレラから逃れたなんて、本当に奇跡です...」
気がついたら、父も母も、使用人も、すべてがいなくなっていたメアリー。
物語冒頭から、観ていて胸が痛みます...。

声楽出身で、『ラ・マンチャの男』『屋根の上のヴァイオリン弾き』などのミュージカルでもお馴染みの石鍋さん。さすがの美声。secretgarden04_16_6542.JPG

叔父アーチボルドの家の家政婦、ミセス・メドロック(鈴木結加里さん)に連れられ、イギリスへ行くメアリー。
「こんなに大人びている子どもを見たことがないわ」
大人しく、静かな目でたたずむメアリーですが、それでも彼女の頭の中に、嵐が巻き起こっているのが伝わってきます。
この日の通し稽古のメアリーは、上垣ひなたさん(池田葵さんとWキャスト)。secretgarden04_17_6560.JPG

メアリーのまわりには、父や母、乳母(アーヤ)といった、インドで亡くなった人々が付き添っています。
残された小さい女の子を、心配そうに見守るかのように......。secretgarden04_21_6580.JPGsecretgarden04_22_6584.JPG

さて、そんないきさつで、メアリーは叔父アーチボルド石丸幹二さん)の住むイギリスの屋敷へ引き取られていきます。

アーチボルドの妻リリー花總まりさん)と、メアリーの母ローズ(笠松はるさん)が姉妹という関係。
でもアーチボルドは、愛する妻が亡くなったことで心を閉ざしてしまっている......というのは、以前の稽古場レポートでお伝えしたとおり。

石丸さんの切ない表情、思い出の中の妻リリーを演じる花總さんの優しい表情にぐっときます。
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アーチボルドの弟・ネヴィル石井一孝さん)は医師であり、妻を喪ったことでふさぎこむ兄の精神状態を案じてメアリーを遠ざけようとする......というのは、前回のレポートでお伝えしたことなのですが、ネヴィルもけっして悪い人ではないのです。
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冒頭では、メアリーに会おうとしないアーチボルドに「兄さんはあの子を出迎えてあげるべきだよ」と、メアリーを思いやる言葉も。
......人間って、「いい人」「悪い人」で割り切れるものではないよな、というようなことも、しみじみ思ってしまいました。
 

ちなみにところどころで赤いバラが登場しますが、これはどうやら「あること」を象徴しているようです......。
メアリーの母ローズ役の笠松はるさんと、父アルバート役の上野哲也さん。secretgarden04_31_6782.JPGsecretgarden04_32_6783.JPG


こちらは演出のスタフォード・アリマさん。secretgarden04_51_6617.JPG
通し稽古レポート、続きます!

 
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

 

【『シークレット・ガーデン』バックナンバー】
# 歌唱披露会見 レポート

# 稽古場レポートPart1
# 稽古場レポートPart2
 
【公演情報】

・6月11日(月)~7月11日(水) シアタークリエ(東京)
・7月14日(土)~16日(月・祝) 厚木市文化会館 大ホール(神奈川)
・7月20(金)・21日(土) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
・7月24(火)・25日(水) 兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホール

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