■『シークレット・ガーデン』特別連載 vol.3■
バーネットによる名作児童文学『秘密の花園』を原作にしたミュージカル『シークレット・ガーデン』が、石丸幹二、花總まりらの出演で今年、日本初演されます。
その稽古場レポート、第2弾をお届けします。
※稽古場レポート、第1弾は→コチラ
前回ご紹介した『A Girl in the Valley』のシーンより少し遡って、アーチボルド(石丸幹二さん)のお屋敷にやってきたメアリーが、ひとりで夜を過ごしている場面。
楽曲としては『I Heard Someone Crying』というナンバーが披露されるところです。
泣いているのは誰なの?
と、生きている人々(アーチボルドとメアリー)が問いかけます。
ここでもリリーや、ドリーマーズが幻のように出てきます。
皆さん、なんの舞台効果もない稽古場の段階で、雰囲気がすでに、儚い感じ!
メアリー=池田葵さん。
しかしメアリー、池田さんも上垣ひなたさんも、芝居も歌声もとてもしっかりしていて素晴らしいです。
ご紹介している前半部分の段階では、まだメアリーの明るい表情は見られないのですが、物怖じしないその姿の根底に、池田さんメアリーには聡明さが、上垣さんメアリーには快活さが感じられました。
ここでは、メアリーを導くようなジェスチャーをするドリーマーたちの動きを、演出のスタフォード・アリマさんが何度か修正していました。
またシーンは飛んで、アーチボルドとネヴィルの兄弟のシーンを少しご紹介しましょう。
場所はアーチボルドの書斎。
この兄弟も、ちょっと複雑な感情を抱いているようです。
アーチボルド=石丸幹二さん
ネヴィル=石井一孝さん
ネヴィルは医者で、兄の具合も見ています。そして亡き妻リリーを思い起こさせるメアリーの存在は、兄にとってよろしくない、と弟は思っているようです。
その考えから、どうしてもメアリーにきつくあたるネヴィル。
メアリーを学校(おそらく寄宿舎つきの)にやった方がいい、と主張しています。
ネヴィルも、兄を思ってのことですから、悪い人じゃないんですけどね...。
さらに彼は兄の妻であるリリーに思いを寄せてもいたので、なかなか複雑な兄弟なんです。
そんな複雑な、しかし奥の深い兄弟の心理を、石丸さんも石井さんも押し殺した演技の中で確実に表現。さすがベテランです。
石丸アーチボルド、レインコートバージョン。
人々の複雑な思いを表すかのように、外には嵐がやってきています。
最後に、石丸さんと花總まりさんの、稽古合間の素敵な笑顔で、今回の稽古場レポートは終了します!
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【『シークレット・ガーデン』バックナンバー】
# 歌唱披露会見 レポート
# 稽古場レポートPart1
【公演情報】
・6月11日(月)~7月11日(水) シアタークリエ(東京)
・7月14日(土)~16日(月・祝) 厚木市文化会館 大ホール(神奈川)
・7月20(金)・21日(土) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
・7月24(火)・25日(水) 兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホール