4月に東京・東京芸術劇場シアターウエストと大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演される『PHOTOGRAPH 51(フォトグラフ51)』。
2015年にウエストエンドで上演された話題作の日本初演で、板谷由夏さん、神尾佑さん、矢崎広さん、宮崎秋人さん、橋本淳さん、中村亀鶴さんが出演する六人芝居。「世紀の大発見」とも言われる"DNAの二重らせん構造"の発見に貢献した女性科学者ロザリンド・フランクリンの姿を描きます。演出は、サラナ・ラパインさん。今、ブロードウエイでも注目を浴びる女性演出家です。
げきぴあでは、そのリーディング現場に潜入。
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ラストとなる今回は、リーディング直後の矢崎さんと宮崎さんを直撃。
感想を聞いてみました。
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――リーディングをやってみてどうでしたか?
矢崎 言語の違いとかニュアンスの違いはあるかもしれないけど、そこを乗り越えるメッセージがこの作品にはあるなと強く感じましたね。役者にとってもサラナにとっても有意義な本読みになったなと思います。
宮崎 すごく丁寧に進めてくださって、サラナさんが演者の疑問を解消しようとしてくれているのが伝わりました。(日本語と英語という)言語の壁というのがあるからこそサラナさんから歩み寄ってくださってるんだなっていうのを肌で感じられましたね。今回で、稽古が始まっても疑問に思うことはどんどんディスカッションしていけるかなって思いましたし、すごく有意義な時間になったなと思います。
――ご自身の役柄はどうでしたか?
矢崎 今日は僕が脚本を読んだイメージのままやってみただけなのでこれから膨らんでいくんでしょうけど、サラナも笑ってくれてたのでとりあえずよかったかなって感じています。でもやっぱりどの作品でもそうですけど、一人で読むのと皆さんと読むのでは全然違いますね。イメージが膨らむしかないです。
宮崎 僕も声に出してやってみて、まだ全然上げられるなっていうか。むしろ自分は弱いなと感じたので、もう少し濃い役作りをしていけたらなと思いました。他の登場人物との距離感とか関係性も思っていた以上にあるとわかったので、それを踏まえてまたイチから読みたいなって思いました。
――おふたりはミュージカル『薄桜鬼』から4年ぶりの共演ですが、いかがですか?
宮崎 緊張しましたよ(笑)。でも広くんの芝居は「やっぱ面白いな」と思いました。正直、一人で台本を読んでるときは(矢崎演じる)ゴスリングってそこまで出てこない役だったんですけど、広くんの台詞を聞いていたら頭いっこ出てきたので。さすがだなあって思いましたね。
矢崎 まだ本読みなのでここで秋人のすべてを判断できないですけど、久々にこうやって本読みの状況にいるのは、面白いなって思いました。お互いがんばってる証拠だと思ったし、感慨深かったですね。
――実際に起きたことをベースに書かれた作品ですが、どう感じていますか?
宮崎 「あのときもっとハッキリ言ってたらよかったのに」という話って、どの国でもあることなんだなと感じました。今日サラナさんからイギリス人とアメリカ人の話を聞かせてもらっているときも思ったのですが、日本人でもそういうことはあるし。国を超えて共感できる話だと思いましたね。
矢崎 ロザリンドが男社会の中に切り込んでいくような面白さもあるのですが、最終的には自分が正しいと思うものをずっと探して、研究もしてきた女性の話で。その成果は果たして誰のものなのかとか...今となってもいろんな捉え方ができるし、そこが面白いと思いました。主人公のロザリンドに思いを巡らせる人も多いでしょうけど、逆にワトソンの気持ちがわかるとか、ウィルキンズの気持ちがわかるという人もいるだろうなと思うし。そこに多様な想いがあるから、いろんな人に響くんじゃないかな。女性だけじゃなくて、仕事してる人だったらきっと響くと思います。
――ありがとうございました!
公演は4月6日(金)から22日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターウエスト、4月25日(水)・26日(木)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。
(ライター:中川實穗/カメラマン:川野結李歌)