世界トップクラスのミュージカル・スター! 『プリンス・オブ・ブロードウェイ』出演、ラミン・カリムルー インタビュー

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■ミュージカル「プリンス・オブ・ブロードウェイ」■


ウエスト・エンドやブロードウェイで活躍するミュージカル俳優、ラミン・カリムルーが、日本で開幕する新作ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』出演のために来日中だ。

ウエスト・エンドでは史上最年少の28歳で『オペラ座の怪人』の主役に抜擢、その後続編の『ラブ・ネバー・ダイズ』では主人公ファントムをオリジナルキャストとして演じ、さらには全世界のミュージカルファンの注目を集めた、たった2日間のみのプレミアム公演『オペラ座の怪人 25周年記念ロンドン公演』でも主演を務めた伝説のファントム役者である。

また2014年にはブロードウェイの『レ・ミゼラブル』で主人公ジャン・バルジャンを演じ、トニー賞主演男優賞にもノミネート。
そんな、世界を代表するミュージカル・スターが、大評判を得た『レ・ミゼラブル』の次の出演に選んだ作品『プリンス・オブ・ブロードウェイ』のこと、そして彼自身のこと...現在の思いを語ってもらった。
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★ ラミン・カリムルー INTERVIEW ★


――『プリンス・オブ・ブロードウェイ』は、ブロードウェイの巨匠ハロルド・プリンス氏の新作にして、彼のこれまでの軌跡を辿るショーでもあります。実際にハロルドさんの演出を体験してみて、いかがですか?

「素晴らしい体験です。多くのことを学んでいますし、素晴らしいカンパニーとご一緒できて、感謝以外の言葉はないですね。今まで持っていた情熱に、もう一度火がついた感じです」


――ハロルドさんの代表作のひとつであり、ラミンさんにとっても大きな役であろう『オペラ座の怪人』のシーンもありますね。今回またファントムを演じ、何か新しい発見はありましたか?

「その場その場できちんと自分に対して真実を持とうと思っています。目の前で起こっていることにオープンでさえあれば、日常の中でも新しいことはあり、常に学んでいけます。その延長ですね、きっと。今回披露する『ミュージック・オブ・ザ・ナイト』は、自分にとっては曲ではなくシーンなんです。毎公演歌うごとに、違うものになっていくんですよ」


――あなたのファントムをまた観ることが出来て、日本のファンも喜ぶと思います。ファントムはあなたの人生にとってどんな存在ですか。

「人生が変わりました。ファントムによって、自分も家族も大きなチャンスをもらった、そういう作品です。最初に日本に来られたのも、ファントムのおかげです。今回は本当に小さなシーンですので、ファントムに戻った...という感じではないんですが、それも、心の中のすごく大事なところをファントムが占めているので、ただそこに「戻る」ということはしたくなかったんです」


――おそらくもうファントムを演じることはないだろうと以前仰っていました。

「これからは『オペラ座の怪人』のファンでいたい、という思いです。ですが、日本では今まで英語版の『オペラ座の怪人』の公演はやっていないそうですね? 日本で英語の『オペラ座の怪人』を上演することがあれば、やりたいですよ! 市村(正親)さんに、いくつか学ばせてもらって(笑)。楽しいだろうな! そもそも、『プリンス・オブ・ブロードウェイ』も、日本初演だったから「Yes」って言ったんですよ。これこれこういう作品で......とお話を訊いて、最後に「日本でやるんだよ」と言われ「あぁ、だったらやる!」と」


――それは日本の一ファンとして、嬉しいです! でも、どうして?

「もちろん今までの来日の経験から感じたことでもありますし、このような作品を初演する時、日本のお客さま非常によく作品を理解してくださるんじゃないかなと思ったんです。今後、もしこの作品がブロードウェイに乗るようなことがあれば、それは日本のお客さまのおかげだと思う。日本にまず最初に来たということは、本当に重要です」
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――少し作品にお話を戻して。『プリンス・オブ・ブロードウェイ』では、なかなか珍しい、ラミンさんのスーパーマン姿もありますね。

「スーパーマンをやるのは初めてですよ(笑)。衣裳をご覧いただくのが楽しみです。毎日ジム通いですよ!」


――稽古場で拝見しましたが...このシーンのラミンさんの胸筋が印象的でした(笑)。

「仕事の一環で鍛えてます。前回、日本に来たのは『4Stars』の時(2013年)ですが、その頃は今より10キロほど体重が少なかったはずです。まだ鍛えてなかったから。あの頃がちょうど、ボディービルを始めようかな...くらいでした。スーパーマンはやっていて本当に楽しいです(笑)。あとは『カンパニー』のボビー役をちょっと披露しますが、『Being Alive』という曲を歌うのが本当に大好き。そのあたりも、楽しみにしていただければ」


――共演者も豪華ですね。日本からは柚希礼音さんが参加されていますが、共演していかがですか?

「素晴らしい、最高です。外見が美しいだけでなく、精神が美しい。とても才能があるし、一生懸命努力される方。自分も日本語が喋れればなぁ、すごく楽しい方だから一緒におしゃべりしてみたいなと思っています。あとはトニー・ヤズベックの『THE RIGHT GIRL』(『フォーリーズ』より)は信じられないくらいの素晴らしさでしょ。シュラー・ヘンズリーとナンシー・オペルの『スウィーニー・トッド』も、特別なシーンに仕上がってます」


――さらに、稽古場にハロルド・プリンスにスーザン・ストローマンがいる......ホントに豪華です!

「本当に特別ですよね。スーザンは振付だけでなく、演出家としても素晴らしい方ですから、(ハロルドとスーザンの)バランスが素晴らしかった。今回、出演者である我々は、序盤にひととおり覚えることをしたら、後は叩き込むように通し稽古ばかりやっていたんです。通常は、初日の後もしばらくいろいろな模索があるんだけども、今回はなんだかもう準備万端という気持ちですよ」


――そして、作品を通してハロルドさんの人生に触れていきますね。

「彼のキャリアの部分ですね。彼の生涯のパーソナルな部分はわかりませんが、でもこういう作品というのは、全体をとおして、彼の人生の何かを代弁しているんだろうなと思います。ニューヨークの稽古最終週に、ハル(ハロルド)が友達を何人か連れて来るから...って言って、誰だろうと思ったら、スティーブン・ソンドハイム、ジョン・カンダー、ジョエル・グレイ...すごい顔ぶれでしょ(笑)。そして彼らが胸を打たれている様子を見て、本当にすごいことだなと思いました。なんて素晴らしいことに参加させてもらってるんだろう、と...。本当にブロードウェイの歴史が詰まっていますし、それだけでなく未来も詰まっています」
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――少し話を変えて、ラミンさんご自身についてお伺いします。そもそもなぜミュージカル俳優を目指そうと思ったのですか?

「僕、ミュージカル俳優なんか、なりたくなかったです(笑)。俳優になりたかったんです。歌のレッスンも受けたことないし、積極的に歌うなんて考えたことがない。ファントムは、あるいはバルジャンは、演じてみたいと思った役だったんです。ただ、その役をやるためには歌も歌わなければいけなかった、ということです」


――じゃあ、どうしてそんなに歌が上手くなったんですか(笑)。

「それは、他の人がそう思ってくださることであって、自分はそんなにすごいと思っていないですよ。ただ、歌は好きです。ハートのためにも歌はいいので。自分の歌を聴きたいという人がいるのなら嬉しい」


――『オペラ座の怪人』を観たのがきっかけだった、と訊いたことがありますが...

「そのとおりです。学生の時に観た『オペラ座の怪人』が今の道を目指すきっかけ。今の僕がいるのは、4月に日本でも公演をしていたコルム・ウィルキンソンさん、そしてハロルド・プリンスさん、おふたりの影響です。ただ、私の体験としては、その時に観たファントムは「誰かが歌っている作品」ではなかったんです。「誰かが生きている」そういう作品として観たんです。ミュージカルだから感動したのではなかった」


――そうラミンさんに思わせたハロルドさんは、やっぱり凄い方ですね。そのきっかけでもあるハロルドさんの記念碑的な舞台に立つラミンさんの姿、楽しみにしています。

「本当にに素晴らしいですよ。きっと大好きな作品になると思います。(稽古場披露されていない)2幕も、そして衣裳も照明も全部あわさったステージを、どうぞお楽しみに!」
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取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

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【公演情報】
・10月23日(金)~11月22日(日) 東急シアターオーブ(東京)
・11月28日(土)~12月10日(木) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)

★ぴあ貸切公演特典★
来場者全員に柚希礼音さん生写真をプレゼント。
東京...11/7(土)
大阪...12/3(木)・12/8(土)
※各オリジナルカットです。

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