"ミスター・ブロードウェイ"ハロルド・プリンスインタビュー!――『プリンス・オブ・ブロードウェイ』

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■ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』■


"ミスター・ブロードウェイ"と呼ばれるブロードウェイの巨匠、ハロルド・プリンス
なぜそう呼ばれているのか...。それは彼が手がけた作品名を並べるだけで「納得」なのです。

プロデューサーとして...
『パジャマ・ゲーム』『くたばれ!ヤンキース』『ウエスト・サイド・ストーリー』『屋根の上のバイオリン弾き』etc、etc

演出家として...
『キャバレー』『リトル・ナイト・ミュージック』『キャンディード』『太平洋序曲』『スウィーニー・トッド』『エビータ』『オペラ座の怪人』『蜘蛛女のキス』etc、etc

このきらびやかな作品の数々!
まさにブロードウェイ・ミュージカルの歴史とともにある人なのです。

その彼の新作が、ここ日本で世界初演を迎えます。
それが『プリンス・オブ・ブロードウェイ』

↓製作発表の模様
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しかもその内容は、彼がこれまでに生み出してきた名作の中から、名ナンバー、名シーンを選りすぐりそれを縦軸に、さらに彼自身の人生を横軸に織り成していくとのこと!
巨匠ハロルド・プリンスの集大成といった内容になりそうで、期待も高まります。

出演者も、ブロードウェイ第一線で活躍している俳優たち&日本からは元宝塚星組トップスター柚希礼音、という豪華布陣!


製作発表レポートはコチラ(チケットぴあニュース)


その巨匠、ハロルド・プリンスにお話を伺ってきました!!


★ ハロルド・プリンス INTERVIEW ★

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――この作品は、これまでのプリンスさんの作品のナンバーやシーンを縦軸に、プリンスさん自身の人生を綴るものになるとのこと。なぜこのような作品を創作しようと思われたのでしょう?

「正直なところ、これは自分の発案ではなく、持ち込まれたアイディアでした。そして、その案を聞いたとき、はじめは躊躇しました。自己アピールしているみたいで気まずいでしょう(笑)。でも、魅力も同時に感じました。というのは、私は本当に"運(LUCK)"に恵まれていたんだと思ったからです。
そして長いこと芝居を創っていますが、その間、演劇を取り巻く環境にも著しい変化があった。例えば国際化。私が演劇を始めたころは、国際性といってもアメリカとイギリスの2ヵ国くらいだった。こんにちのブロードウェイには、色々な国の方がいらっしゃっています。これは素晴らしいこと。同時に、我々がいままで作り上げたものは伝統として守っていかないといけないとも思いました。守ると同時に、オープンマインドで進化も遂げる。両方やることで、演劇界を広げていきたい。だから、(今作のような形で)皆さんと"遺産"を分かちあうことも必要だと思ったのです」

――"運"の話をもう少しお伺いします。ご自身の転機となった"運"のエピソードなどを教えてください。

「自分の人生はラッキーの連続です。まず終戦後、大学を卒業したばかりの19歳の頃の話。仕事を探さなくてはいけなかったのですが、非常にシャイだったので、ある偉大なプロデューサーに手紙を書いたんです。「お金は頂かなくていい、仕事がうまくできなかったらクビにしてくれていいので」と。それを面白がってくれたのか、結果、そこで仕事をすることになりました。最初の6ヵ月は無給で、それ以降は1週間25ドルで。当時から自分は、とにかく野心とやる気は本当にあったんです。
そこでは本当に一番下っ端の仕事をしていて、その中である封筒を美術デザイナーであるオリバー・スミスに届けに行ってほしいと言われました。彼はその後、『ウェスト・サイド・ストーリー』の美術を手がけた人です。
そして、その後僕がプロデューサーとして関わった、3つ目の作品『New Girl in Town』という作品の時のこと。これは色々とあってうまくいかなかった。ある夜、帰宅して親友のスティーブン・ソンドハイムに「今ボストンにいるんだけれど、色々上手くいっていなくて、これはちょっと失敗に終わりそうなんだよ...君は最近どうだい?」と聞いたら、「実は『ウェスト・サイド・ストーリー』のプロデューサーがいなくなっちゃって困ってるんだよ」という話で。ちょうど日曜日で稽古がなかったので、ボストンからNYへ飛んでいって、そこで作曲のレナード・バーンスタイン、振付のジェローム・ロビンズ、脚本のアーサー・ローレンツ、もちろん作詞のソンドハイムに会いました。
『ウェスト・サイド・ストーリー』はハッピーなミュージカルコメディではなく、NYの路上でギャングたちがケンカをしているようなもの。そういった話は当時だと、どのプロデューサーも自分から「やりたい」とは言わなかったんですね。その中で「自分がやろう」と僕が言い、そして結果、『ウェスト・サイド・ストーリー』は自分の人生のターニングポイントになりました。その間、ボストンの『New Girl in Town』も結果うまくいき、ヒットしましたよ。
つまり、正しいタイミングに正しい場所に居ることができたことが今、こういう風にキャリアを積んでこれていることに繋がっているのだと思います」
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――今回、日本から唯一、柚希礼音さんが出演されます。彼女の印象は?

「実はNYにいらした時、英語の歌を聴かせてもらいました。本当に素晴らしかったです。おそらくしっかり勉強していらしたのだと思いますが、英語もまったく問題なかった。彼女はとても熱心な勉強家だし、とても謙虚な方ですね」


――柚希さんはこの作品で、どのような役割を担うのでしょうか。

「レオンさんにも、大きな部分を担っていただきます。私自身がブロードウェイで仕事を始めた1950年代からはじまり、次に1960年代...と時代が流れていき、色も最初は白黒で、そこから色がついてカラーになり...と変化していく。そんな場面の中で、レオンさんがずっと踊り続ける。彼女の役は、ブロードウェイに仕事をしたいと思ってやってくる女性。たくさん踊っていただくつもりです。
あと...実は1曲、日本語でもやる予定なんです。レオンさんに『蜘蛛女のキス』を歌っていただこうと思っています。とても有名なナンバーですので、英語ではなく日本語でやっても(どの言語の観客にも)わかりますし、日本語で歌っていただくことがエキサイティングになるんじゃないかなと思っているんです」


――彼女が育った宝塚歌劇団の舞台をごらんになったことはありますか?

「ありますよ! 『風と共に去りぬ』を観ました。ほかにもレビューショーを観ています。我々の文化には、宝塚と同じようなものはなかったので、素晴らしく感じましたし、楽しみました。
宝塚に限らず、日本で観る演劇は大好きです。歌舞伎も能も本当にすごいと感銘を受けています。でも能を観に行くと、日本側の方が「西洋の方は退屈すると思いますよ」とおっしゃるんですよ、何ででしょうね(笑)? 私は妻と、ソンドハイムさんと一緒に観に行ったのですが、あまりにも面白かったので、逆に劇場から出てくることが出来なくなってしまったくらいです。
能に関して言えば、西洋のエネルギーとまったく違うものがそこに存在する。それは非常に濃厚で、演劇的に集中したエネルギー。それをアメリカに持ち帰り、『太平洋序曲』を演出する際に取り入れています。ただ、それはオール日系キャストだったから出来たことかもしれません。日本人が持つ経験や感覚があったからこそ出来たことではないかなとも思います」
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――そして『プリンス・オブ・ブロードウェイ』、錚々たるクリエイターが集っていますね。

「脚本はデヴィッド・トンプソン(※リバイバル版『CHICAGO』の新脚本等を手がけている)が担当してくれます。彼は(共同演出の)スーザン・ストローマンともよく仕事をしている人。自分ももちろんアイディアを出しますが、自分の話が長いので、彼が簡潔にして脚本にしてくれました(笑)。今回は、あまりたくさんの言葉を使いすぎないでメッセージをクリアに伝えていきたい。素材そのものに物語を語らせることが大切だと思っています。
曲についても、若くて才能溢れる作曲家の男性(ジェイソン・ロバート・ブラウン ※『ラスト・ファイブ・イヤーズ』等を手がけている)に全曲、新しい編曲にしてもらいました。過去に上演されたものと同じオーケストレーションで奏でられる曲はありません。さらに彼には、新曲を作ってもらいました。これは一番最後のナンバーになります。その曲は、「次にどんなことが来るか、皆さん楽しみにしていてくださいね」というような内容の曲なんです。新しいもので終わりたい、ここからさらに何かが続いていくんだ...という思いで、皆さんに作品を観終えて欲しいと思っています。
自分もスーザンも、過去を掘り起こすものとして今回の作品を作っていくのではなく、新鮮な体験として自分たちの作品を作っていきたいと思っています」


取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

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【公演情報】
・10月23日(金)~11月22日(日) 東急シアターオーブ(東京)
・11月28日(土)~12月10日(木) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)

【 WEB先着先行販売「プリセール」受付中!】
受付: 7/12(日)23:59まで
※東京公演、大阪公演共通。ぴあ貸切公演のみ、座席選択可能。


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