■『ロンドン版 ショーシャンクの空に』vol.4■
映画でも有名な感動作を舞台化した、『ロンドン版 ショーシャンクの空に』。
出演は男優ばかり、18名。
W主演の佐々木蔵之介さん、國村隼さんのほかにも、個性の強い骨太な俳優が集結しました。
まずは、そんなキャストをご紹介。
アンディ・デュフレーンは、佐々木蔵之介さん。
妻とその愛人を殺害した罪で収監されたアンディ。
絶望しかないと思われたショーシャンク刑務所の中で、彼はさまざまな闘いを不屈の精神で続けていきます。
まずは刑務所内に図書館を作ることからはじまった彼の行動は、刑務所内を少しずつ変えていき、他の囚人たちの心にも変化をもたらしていきます。
そして、最後に彼が起こした行動は...。
最後に"希望"を感じさせる彼の存在ですが、まだ前半はおとなしい、ひとりの囚人。
"絶望"を漂わせる佐々木さんの表情が、物語後半にはどう変化していくのでしょうか...。
あと佐々木さん、アンディの「元・銀行家」という肩書きがぴったりな気がします!
映画ではモーガン・フリーマンが演じたレッド役は、國村隼さんが扮します。
刑務所内で、調達屋として暗躍しているレッドは、他の囚人とは少し違うアンディに興味を抱きます。
國村さんはよく響く大らかな声。
長らく服役している重鎮感、さらにそこを居所として落ち着いてしまった人の妥協と諦めが伝わってきます。
アンディとレッド、静かな友情も見どころ!
ボグス・ダイアモンド役、谷田歩さん。
アンディに暴行を働いている凶暴な囚人。
カッコいいビジュアルで凄む谷田さん、迫力です!
刑務所内にも派閥的なものはあります。
ボグスの手下、ピート・バーネスはクロムモリブデンの板倉チヒロさん。
ボグスの凄みとはひと味違う軽薄さと、キレる若者的な怖さを体現していました。
同じくボグスの手下、ルースター・マクブライド役は石田佳央さん。
石田さんも眼光鋭く迫力!
続いて比較的、アンディやレッドに近しい囚人たち。
図書係の囚人、ブルックシー・ハトレンは小林勝也さん。
長く収監されているがゆえに、仮釈放になり外の世界へ出て行くことを恐れるブルックシーは、映画でも肝になる存在でした。
ヘイウッド役は福田転球さん。
博打の胴元の囚人ということですが、福田さんの関西人気質がいきてきそうな、押しの強いおっちゃん感が伝わる役どころになっていました!
おなじく仲間の囚人、アーニー役の有川マコトさんと、チェスター役の細見大輔さん。
おふたりはアンディやレッドを茶化してみたりと、フットワーク軽く稽古場を動き回っていました。
ハーモニカ吹きの囚人、バディ役の角川裕明さん。
ハーモニカは、映画ではアンディがレッドに贈るアイテムでしたが、今回の舞台では「ハーモニカ吹きの囚人」がいます。
要所要所で奏でられるハーモニカの音色はちょっと哀愁を帯びていて、演劇らしい効果を生み出していました。
アンディと同時期に入所した囚人、リコ役、斉藤悠さん。
このシーンでは刑務所に送られてきて、その環境に怯える...という、刑務所の"絶望感"を表す役どころです。
市長ホーキンス役、本井博之さん。
...ですが、市長の出番は後半のため、ここでは囚人のひとりに扮している本井さんです。
そして看守サイドの人々がこちら。
ショーシャンク刑務所長、グレゴリー・スタマス役の板尾創路さん。
裏で悪どいことをしている刑務所長を、板尾さんがどんな顔で見せてくれるのか楽しみです!
看守長ブライアン・ハドリー、粟野史浩さん。
のちのち、アンディに頼る顔も見せていくハドリーですが、まだ前半は表情も変えない厳しい看守の顔。
看守マート・エントウィッスル、川原田樹さん。
ピシっとした背筋が看守っぽいです。
そして囚人たちに暴力をふるうシーンもあり、ハドリーもエントウィッスルも囚人たちにとっては恐怖の対象なのだと思われます。
仮釈放委員アール・ストーン役の関秀人さん。
ここでは看守のひとりに扮しているワンカット。
そして、パーカッションの栗原務さん。栗原さんは囚人役としても登場。
この作品、パーカッションの音が効果として様々に取り入れられています。
栗原さんが叩く音以外に、俳優さんたちも皿やドラム缶を叩いて"音"を作り出していました。
その音が生み出す効果にも注目。
さらに、若い囚人トミー・ウィリアムズ役として三浦涼介さんが加わります。
この日の稽古場は物語の前半部分の稽古だったため、後半に登場するトミーは不在でした。
こんな、個の色が強いベテラン俳優さんたちが贈る『ロンドン版 ショーシャンクの空に』。
演出を手掛けるのは白井晃さんです!
稽古場レポート続きます!
●ストーリー●
いつも選択肢は2つしかない、
必死になって生きていくか、必死になって死んでいくか――。
恐怖と暴力、そして絶望が支配する、ショーシャンク刑務所...そこへ、新しい囚人が連行されてきた。
銀行家として若くから成功を収めながらも、妻とその浮気相手であるゴルフ選手を殺した罪で、終身刑を言い渡されたアンディ・デュフレーン(佐々木蔵之介)だ。
誰とも口をきかず、奇異の目で見られていたアンディが初めて話しかけたのは、塀の外からあらゆる物を仕入れる"調達屋"のレッド(國村隼)だった。
「鉱物収集の趣味を復活させるためのロックハンマーを調達してほしい」
いぶかしがるレッドに、 「自分は無実だ」 と語るアンディ。
他の囚人とは明らかに異彩を放つ新入りに、レッドは何かを感じるのだった――。
永遠にも思えるような獄中での日々、アンディは、ボグス(谷田 歩)ら暴力で刑務所内を支配する囚人グループから凄絶な暴行を受けながらも、決して屈服することはなかった。
さらにアンディは、地獄のショーシャンクで少しでも人間らしく生きるため、途方もない時間をかけて静かに戦い続ける。が...冷酷な刑務所長スタマス(板尾創路)はその掴みかけた希望をことごとく打ち砕いていくのだった。
レッドはアンディの揺るぎない信念に触れ、閉ざされていた自分の心に変化が訪れるのを感じる。それは期待なのか?恐怖なのか?戸惑うレッドをよそに、アンディの行動は徐々に実を結び始める。それは、老年の囚人ブルックシー(小林勝也)、若い新入り囚人トミー(三浦涼介)らを巻き込み...やがてショーシャンクには希望の光が差し始めていく――。
しかし、このショーシャンクにおいて、希望は毒ともなる。
抱き続けた希望の果てにアンディがとった行動とは――
(公式サイトより)
【公演情報】
12/11(木)~29(月) シアタークリエ(東京)
1/7(水) 東京エレクトロンホール宮城(宮城)
1/10(土)・11(日) 名鉄ホール(愛知)
1/14(水) アステールプラザ 大ホール(広島)
1/16(金)~18(日) 森ノ宮ピロティホール(大阪)
1/20(火)・21(水) キャナルシティ劇場(福岡)