『デスノート THE MUSICAL』主演 浦井健治×柿澤勇人インタビュー

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全世界での累計発行部数はなんと3000万部超え。
ジャパン・カルチャー"MANGA"を代表する人気漫画『DEATH NOTE』がミュージカル化されます。
しかも音楽を担当するフランク・ワイルドホーンをはじめ、作詞・脚本もブロードウェイの一流のクリエイターが手掛け、日本から世界に発信していく一大プロジェクトになるという注目作!

この注目公演『デスノート THE MUSICAL』で主人公の夜神月(やがみ らいと/=キラ)をWキャストで演じる、浦井健治さんと柿澤勇人さんにお話を伺ってきました。

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【『デスノート THE MUSICAL』バックナンバー】


●浦井健治×柿澤勇人INTERVIEW●


――今回、おふたりは主人公・夜神月にWキャストでキャスティングされましたが、初共演は今年の夏に上演された[title of show]でしたね。共演は楽しかったですか?

浦井柿澤「楽しかったでーす!」

浦井「"福田組"(演出の福田雄一を中心としたカンパニー)という、本当にみんな仲が良く、すごく強い絆で結ばれていた座組だったというのもあるのですが、僕はこの時初めて声帯出血というものをして、声が出なくなってしまったんです。その時本当にカッキー(柿澤)に助けられました。(柿澤に)本当にあの時はありがとう! それにお芝居に真正面から向き合っているカッキーには、とても信頼を寄せている部分があるんです。しかも演技は、体当たりもできるし、MAXまで振り切れるかと思えば逆に役をゼロにまで削ることができる技術を持っている。役者として凄い人だなと思いながらいつも見ています」

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浦井健治

柿澤「僕も[title of show]を一緒にやれてよかった。今、声が出なくなったという話がありましたが、僕だったら精神的にも参って立ち直れないんじゃないかと...」

浦井「(間髪入れずに)そんなことないよ、大丈夫だよ!」

柿澤「いや、言葉じゃ簡単に言えますが、相当辛かったと思うんですよね。それなのに絶対にそういう顔は見せない。まわりに心配させない、声が出ていないのにみんなに声をかける。そういう姿勢に本当に涙が出るくらい感動して、カッコいいなと思いました。舞台上の芝居ももちろんですが、役者としての居方、スタッフ・キャストとの接し方なんかもすごく勉強させていただきました。[title of show]は楽しい思い出しかないです。今回はWキャストということで同じ役なんですが、楽しみだし、頼れると思うし、Wキャストの利点を活かして、ふたりで夜神月というものを作れたらなと思っています」

――おふたりがWキャストでライト役だと知った時はどう思われましたか?

浦井「僕は『春のめざめ』でカッキーのことを観ていて、本当に容姿端麗、身体能力が高く歌も歌える、芝居も出来る、そんな人が目の前にポンと出てきて、何なんだこの子は!と衝撃を受けたんですが、その後一緒にごはんを食べに行ったらすごく気さくで、そんなところにも惹かれて。ずっと共演したかったんですよ。それが前回の共演でいろいろ話し合える仲になり、お互いに刺激しあえて、ライバルにもなれる関係が築けた。今回もWキャストとして、舞台を委ねられる存在だと思います。自分はこうだから、カッキーはこう来るのか、と得るものが多い関係になれるんじゃないかな」

柿澤「僕は単純に嬉しかったですね。Wキャストの相手が健ちゃん(浦井)で良かった。他はちょっと、想像できないなあ...。僕はもともと健ちゃんの存在を知ってたんですよ、何回も舞台を観に行ってるし。シャルル(『薔薇とサムライ』)みたいな馬鹿も(笑)できるし、僕が衝撃的だったのは『蜘蛛女のキス』のヴァレンティン。そのときに楽屋に挨拶に行って「どうやったらそんなに声を変えられるの?」って聞きました。めちゃくちゃガラガラの声を使って芝居していて。かと思えばシャルルの時はすごく高い声出してたでしょ、何でもできるんだなって。もう憧れの存在だったんで」

浦井「今、「だった」って言いましたよね。こういうことですよ(笑)。こういうのが言える仲なんですよ」

柿澤「本当に。そんな憧れだった人と[title of show]で共演して。でも、何故僕が「だった」と過去形で言ったかというと、もう、こういう気さくな方だったわけですよ。年齢も経験も全然上なのに、全く先輩面しない。常にオープンに接してくれる。それくらいの仲にしてもらえたというのは、本当に健ちゃんのおかげ。だから凄く嬉しかったです、また一緒にやれるということは」

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柿澤勇人


――そんな『デスノート』について。原作漫画は読んでいらっしゃいましたか?

浦井「僕は好きで読んでました! 『少年ジャンプ』の連載をリアルタイムで読んでいましたよ。なんなんだこの漫画は!って思って単行本も出るたびに買って揃えました。最近出た文庫本版も全巻買いました」


――えっ、中身は一緒ですよね?

浦井「同じですよ、内容は。でも違うモノなんです! ちょっとサイズが小さくなった。でもこれは両方本棚に並べるべきでしょう! それに、文庫本版は"KIRAカード"が付いているんですよ、そりゃ買うでしょ!」
(※調べたところ初回出荷分の特典のようです)


――原作の、どんなところに惹かれましたか?

浦井「単純にキャラクターが魅力的すぎますよね! ひとりひとりのキャラクターが粒だっている。もちろんキラとLの高度な心理戦という部分にも惹かれました。それに原作の最後のひとコマ。あの絵がすごく印象的で、死の後は死しかないということ、同時にそれを伝えていくことの意味合い、その恐ろしさ、いろんなものをひっくるめて、この作者の方が伝えているんだということに鳥肌が立って、恐ろしい作品だなと思ったんです。社会風刺もしているし、色々な問題に対してどう思うかという投げかけも描かれている。さらにそれが少年誌に掲載されているんですよ。死の深淵などの恐ろしいものに少年たちがこの作品を通して無意識にちょっと接触している、漫画ってすごいなと思いましたし、そこまでの責任を引き受けてきっとこの作者は描いているんだと思って感動したんです」

柿澤「僕は面白いなと思ったのはふたつあって、ひとつはLとライトの心理戦。それが単なるケンカじゃなく、人の命を材料にして、その上での知的な頭脳戦。単なる対決じゃなく、もちろん暴力でもなく、本当に頭脳戦なんです。それがすごく面白い。頭脳、心の奥底を描くというのは、舞台化される際の絶好の材料ですよね。演出の栗山(民也)さんもその部分をとても楽しみにしているとおっしゃっていました。もうひとつは、今の若い人たちみんなが共感できる要素がたくさんあると思う部分。考えてみたら、かなり怖い話じゃないですか、ノートに名前を書いたらその相手が死んじゃうわけですから。それはリアルではないかもしれないけど、でもそうなったらいいなと思う人もいるわけで、それはとても怖いこと。現代社会の闇、病、そういうことも内包している。絵がカッコイイとか、本として面白いプロットが並んでいるだけの単なるエンターテインメントとしての漫画ではなく、現代に通じるいい作品だと思いました」
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――夜神月というキャラクターに共感できる部分はありますか?

柿澤「僕はありますね」

浦井「僕もあります」

柿澤「どこが、と言っちゃうと怖い部分がありますけど。でも絶対に僕たち生きている中でどこかしら病んでいる部分があると思う。ライトは正義感からデスノートを使い始めますが、それが正義と思うこと自体が闇。でも今の日本はものが溢れていて、みんなある程度の生活も出来るけど、どこか満たされない部分を誰しもが抱えている。デスノートを実際手にしたらみんな、誰かの名前を書きたくなっちゃうんじゃないかなと僕も思うんです」

浦井「ライトはごく普通の青年であり、普通の学生だった。その時点で僕らと接点があります。最初から異常者だったわけではない。それに抱えているもの...カッキーが言ったように闇だったり心の病だったり、そういったものは誰しもが持っているもの。誰もが生きていく上で自分の欲求を持ち、それが叶わないフラストレーションを抱え、それを乗り越えていくところに人間の成長はある。その時にデスノートのようなトリッキーなアイテムが手に入ったら...。それに手をつけてしまったら...。人間としての成長はそこで止まり、あとは退化していくだけになってしまうと思います。ただ、人と向き合わないことの取り返しのつかなさ、共生しないことの恐怖は、何もデスノートを手にしなくても、僕ら次第で自分の身に起こりえることで、そういう部分でも怖くもあり、共感もできますよね」
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――なるほど、興味深いお話をありがとうございました。この作品がミュージカルになるという点についてはどう思われましたか?

浦井「僕は原作のファンでもあるので、やっぱり「え、歌うの? リュークがリンゴ欲しいとか歌っちゃうの?」と思う方がいるだろうというのもわかるんです。でもミュージカルって今本当に多様化していて、色々な形が生まれている。こういうミュージカルもあるんです、大丈夫ですよ、と言いたい。原作ファンでミュージカルを観るのが初めてという方が観ても大丈夫だと思っていただけるように、僕らは頑張ります。それに音楽がフランク・ワイルドホーンさんで、演出が栗山さんで、しかも日本から世界に発信していくオリジナル・ミュージカル。このカンパニーでこの作品が出来るのは奇跡に近いと思うんです。それを楽しみにしてくださっている全世界のファンがいることに敬意を表しながら、プレッシャーもありますがちゃんと覚悟を決めて作品に向き合いたい。何と言っても僕ら、製作発表であの伝説のセリフでもある「僕は新世界の神だ!」と歌い上げてしまいましたからね(笑)」


――今の浦井さんのお話にもありました、"日本から世界に発信していく作品"だということに関して、製作発表の場で柿澤さんも熱く語っていらっしゃいましたね。

柿澤「はい。いま、スポーツや他のジャンルでは日本人が世界で活躍している。映画でも、海外で活躍されている方もたくさんいらっしゃいます。でも舞台というジャンルではまだ、日本の作品はあまり世界に進出していません。それが僕はとても悔しい。たしかにブロードウェイやウェストエンドが本場で、素晴らしい作品も多いし、舞台を取巻く環境も優れているのはわかるんです。ただ、一方で僕は日本の舞台にも世界で通用するオリジナル作品がたくさんあると思ってます。面白いものは面白いし、世界にどんどん進出していくべきだと思っている。この作品はミュージカルというジャンルで、日本発信で世界に届けられる可能性を秘めています。日本の漫画は世界ですごく人気があるし、その波と相乗効果で盛り上げていけたら。日本公演の後に、韓国キャストによる韓国での上演もすでに決まっています。まれなチャンスですし、絶好のチャンス。ここに賭けたいですね!」

取材・文:平野祥恵
撮影:源賀津己

【公演情報】
4/6(月)~29(水・祝) 日生劇場(東京)
5/15(金)~17(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
5/23(土)~24(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

【東京公演】
★プリセール受付中!★

【受付】12/12(金)9:30まで


【大阪公演】 プレイガイド最速先行!!
★いち早プレリザーブ受付中!★

【受付】12/16(火)11:00まで
※大阪公演の夜神月役は浦井健治。



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