『CHESS in Concert』、12月12日についに開幕しました!
今回は公演レポートをお届けします。
後半では12月13日に開催されたアフタートークの様子もご紹介していますので、最後までご覧ください!
今回は公演レポートをお届けします。
後半では12月13日に開催されたアフタートークの様子もご紹介していますので、最後までご覧ください!
『CHESS』プチ連載のバックナンバーはこちら。
【チケットぴあニュース】
圧倒的な歌声を堪能!『CHESS』開幕
来年2014年にはデビュー40周年を迎える世界的ポップグループ、ABBA。そのメンバーであるベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲を手掛け、伝説と呼ばれるミュージカルが『CHESS』だ。彼らが生み出したその名曲の魅力を中心にコンサート形式で贈る『CHESS in Concert』が12月12日、東京国際フォーラム ホールCで開幕した。
物語は米ソ冷戦下、チェスの世界選手権でチャンピオンの座をめぐる戦いを繰り広げる男たちと、その裏にある国家の対立、さらにその狭間で翻弄される女性の姿を描くもの。劇中ナンバー「One Night in Bangkok」などは英語圏では知らない人はいないと言われるほどだが、日本ではまだ知名度は低い中、2012年の日本初演では、拍手と歓声で劇場が揺れるほどの大熱狂となった。まさに日本でも"伝説のミュージカル"となったわけだが、今回もこの楽曲の良さを存分に活かす圧倒的な歌唱力を持つキャストが揃った。メインキャストは初演に続き安蘭けい、石井一孝、中川晃教。さらにマテ・カマラスが初参戦。アメリカ代表・フレディ役の中川は、"天才"らしい奔放さとそれゆえの孤独を、圧倒的に伸びやかな歌声で響かせ、劇場空間を支配してしまうほどの熱唱。ソ連代表・アナトリーを演じる石井は深みのある歌声で、大人の男性らしい落ち着きと知的さ、苦悩を聴かせ、ふたりの男性の間で揺れるフローレンスを演じる安蘭も突き抜けるような迫力の歌唱で、悲しみの中にも女性の強さを感じさせる。日本ミュージカル界を代表する俳優たちの素晴らしい歌声で、素晴らしい名曲を聴ける幸せを噛みしめることが出来る。さらにウィーン・ミュージカル界のスター、マテ・カマラスが、その歌唱力はもちろんのこと、チェスの世界を支配するアービター(審判)役にマッチし、異次元から人間たちの世界を睥睨するような構造を生み出していて面白い。
物語としても今回は初演に比べ、チェスの試合の裏に見え隠れする国同士の陰謀合戦という面が強調、複雑な心理も浮かび上がり、パワーアップ。演出の荻田浩一によれば、チェスというゲーム自体も、また東西冷戦も日本人にとっては縁遠いため、初演ではシンプルな構造になったとのことだが、より物語本来の形に近づいた今回、おそらく制作者が懸念したであろう難解さはほとんど感じられない。むしろ、物語の裏を読み、登場人物の深い心理に思いを馳せるというのは、日本の観客の得意とするところではないだろうか。今回、進化した『CHESS in Concert』で、さらに本作の熱狂的ファンが増えるに違いない。
東京公演は12月15日(日)まで。その後、12月21日(土)・22日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。チケットはともに発売中。
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げきぴあではもう少し詳しくレポートします!
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フレディ役・中川晃教さん。
天才的役どころがぴったりの中川さん、本当に伸びやかで自在な声で、イキイキと舞台上に存在しています。
特筆すべきはやはり「Pity the Child」!!
奔放な言動で報道陣を敵にまわした彼が、「自分は誤解されている」と、幼い頃のトラウマを傷ついた子どものような頼りなさで囁くような声で歌い出し、それでもこれが自分だと、次第に感情を爆発させていくさまを、クレッシェンドしていく壮大なオーケストラをバックに歌い上げる名曲。
特筆すべきはやはり「Pity the Child」!!
奔放な言動で報道陣を敵にまわした彼が、「自分は誤解されている」と、幼い頃のトラウマを傷ついた子どものような頼りなさで囁くような声で歌い出し、それでもこれが自分だと、次第に感情を爆発させていくさまを、クレッシェンドしていく壮大なオーケストラをバックに歌い上げる名曲。
本当に難しそうなナンバーですが、これをまさに感情と音楽をシンクロさせて見事に歌い上げる中川さん...!
あまりに素晴らしいその歌唱に、今後日本で中川さん以外の歌手はこのナンバーを歌えなくなってしまうのではないかとすら、思いました。
個人的には、加えて2幕の「Someone Else's Story」も、透明感ある中川さんの歌声が堪能できて、お気に入りのナンバーです。
あまりに素晴らしいその歌唱に、今後日本で中川さん以外の歌手はこのナンバーを歌えなくなってしまうのではないかとすら、思いました。
個人的には、加えて2幕の「Someone Else's Story」も、透明感ある中川さんの歌声が堪能できて、お気に入りのナンバーです。
アナトリー役・石井一孝さん。
"デキた"人間である大人で落ち着いたアナトリー。
難しそうな役どころを、石井さんは魅力的に演じます。
感情をハイトーンで爆発させるフレディとは対照的に、クラシカルなナンバーを、しかしパワフルに響かせて、<フレディとアナトリーの対決>という構造をきちんと見せてくれたのは石井さんの手腕のなせるワザ、ではないでしょうか。
そんなアナトリーの見どころはなんといっても一幕ラストの「Anthem」。
亡命を決意したアナトリーが、それでも国を思う心を歌い上げる、壮大なナンバーです。
石井アナトリー、涙を浮かべての熱唱。客席で思わずこちらも胸が熱くなります。
まぶしい白い照明もとてもキレイでした。
石井アナトリー、涙を浮かべての熱唱。客席で思わずこちらも胸が熱くなります。
まぶしい白い照明もとてもキレイでした。
フローレンス役の安蘭けいさん。
ハンガリー出身、現在はイギリス国籍を取得しフレディのセコンドをつとめていますが、ライバルであるアナトリーと恋に落ちます...。
ふたりの男性の間で揺れる女性であり、立場的にも、東側と西側に翻弄されるヒロイン。
そしてロックなフレディ、クラシックなアナトリー、両方とデュエットする彼女はまったく違うテイストの楽曲があるのです。
そしてロックなフレディ、クラシックなアナトリー、両方とデュエットする彼女はまったく違うテイストの楽曲があるのです。
ただでさえ難曲揃いの『CHESS』。
うーん、大変だろうなあ...。しかしもちろんそんな大変さを見せることなく、伸びやかに気持ち良さそうに歌う安蘭さん。
彼女の見せ場は「Nobody's Side」!
カッコ良いナンバーを、カッコ良く決めてくれます!!
AKANE LIVさん扮する、アナトリーの妻スヴェトラーナとのデュエットナンバー「I Know Him So Well」の心洗われるような美しいハーモニーも、必聴。
そして審判・アービターはマテ・カマラスさん。
チェスのルールブックである彼、他の人たちとは衣裳もメイクもテイストが別次元。
マテ・アービターは"怒れる神"という感じ!
マテ・アービターは"怒れる神"という感じ!
チェスの試合すら政治の道具にしようとする人間たちに怒りを爆発させるさまは圧巻です。
チェスの試合の裏にうごめく陰謀合戦、試合外の心理戦・かけひきなどを初演より強調した今回の『CHESS』、怒れるマテ・アービターの存在が、試合の本来あるべき神聖性を高めているようでした。
そしてその、東西の意地の張り合いの結果であるチェスの試合、という面を強調していたのが、戸井勝海さん扮するウォルターの存在です。
ストーリー上だけではなく、戸井さんが加わったことで音楽的厚みも随分と増した印象です!
低音が素敵♪
大野幸人さん扮する"チェスの精"の妖しさ、そして身体能力!も舞台の魅力をパワーアップ。
アンサンブルの皆さんの、力強くも透明感ある、素晴らしいコーラスも!
舞台上には、透明な大きなチェス盤。
鮮やかな赤や青、希望を思わせる強い白など、さまざまに色を変える照明も美しい。
鮮やかな赤や青、希望を思わせる強い白など、さまざまに色を変える照明も美しい。
気付けば、1幕には舞台上にあったチェスの駒が2幕にはなくなり、その上に立つ人間こそ、チェス盤の上で翻弄される駒であるかのように思えてくるのです。
2幕冒頭、「One Night in Bangkok」は"中川節"炸裂!
2幕冒頭、「One Night in Bangkok」は"中川節"炸裂!
『CHESS in Concert』、なんといってもその魅力は、素晴らしい楽曲を、素晴らしい歌唱力とパフォーマンスで聴ける幸福感です。
さらにコンサートと銘打っているのに、シーンごとにビジュアルの印象も変わり、隅から隅まで一瞬たりとも見逃したくない、そんなステージでした。
さらにコンサートと銘打っているのに、シーンごとにビジュアルの印象も変わり、隅から隅まで一瞬たりとも見逃したくない、そんなステージでした。
さて、12月13日の公演では、「アフタートークショー」が開催されました。
登壇者は、安蘭けい、石井一孝、中川晃教、マテ・カマラス、戸井勝海、AKANE LIV。
安蘭さんの「MCがいない、危険なトークショーです(笑)」という宣言から始まったトーク、まずは「トークショー?トーコショー!」(※安蘭さんの愛称が「トウコ」さんです)と、キャッキャしだす皆さん...。
最初のお題は「開幕して3回の公演が終わりましたが...」という、ざっくりとした前振りで。
登壇者は、安蘭けい、石井一孝、中川晃教、マテ・カマラス、戸井勝海、AKANE LIV。
安蘭さんの「MCがいない、危険なトークショーです(笑)」という宣言から始まったトーク、まずは「トークショー?トーコショー!」(※安蘭さんの愛称が「トウコ」さんです)と、キャッキャしだす皆さん...。
最初のお題は「開幕して3回の公演が終わりましたが...」という、ざっくりとした前振りで。
戸井さんは「初日のカーテンコールで、"無事故でいく"と無謀な宣言をしちゃったんですよね...。でも(袖で)曲を聴いていて世界にひたっていると、すぐに出トチっちゃう危険がある」と、CHESSの世界の魅力をまじえて。
それを受け、マテさんは「僕も戸井さんと同じ夢、ありました。でも今日もアヤマチやった...。どこかはヒミツ。もうこの夢ありません...。でももうちょっと、ガンバリマス!」と、日本語で話します。
日本語でトークショーするマテさん、、、うーん、スゴイです!
石井さんは「やっと心が安定してきた。初演は譜面上の不安感がずっとあったけど。といっても今回、再演だけど(リニューアルされて)まったく初演みたいになってるけど!」と話し、
AKANEさんも「石井さんと同じで、前回は瞳子(安蘭)さんと見詰め合って歌っていても、その後ろに譜面が見える感じだったんですが(笑)、今回はちゃんと瞳子さんの目の奥とか、(石井)カズさんが何を思っているのかとかを感じながらやれてます」と、充実ぶりを語ります。
安蘭さんは「初日の昨日があまりに順調に終わったので、今日の公演が逆にドキドキしてしまいました。でも完璧に出来てよかった!」と感想を。
対して中川さんは「僕は逆です...。僕、毎朝泳いでいるんですが、今日、ずっとうしろにつけている人がいて。引き離そうと思ったんですが、結局できなくて、その時「自分を過信してはいかん」と。そうだ、今日のテーマはこれだ!と思って気を引き締めてやりました」という話題から、さらに「朝、ジムによるので、家から海パン履いていくんです。そうしたらパンツを持ってくるのを忘れちゃって! なので今この衣裳の下、海パンです!」という告白も!(笑)
仕込みでしょ、ネタでしょ、とツッコむ安蘭さんに、「こんな下着ないでしょ」と海パンの白いヒモを引っ張り出してみせる中川さんでした。
日本語でトークショーするマテさん、、、うーん、スゴイです!
石井さんは「やっと心が安定してきた。初演は譜面上の不安感がずっとあったけど。といっても今回、再演だけど(リニューアルされて)まったく初演みたいになってるけど!」と話し、
AKANEさんも「石井さんと同じで、前回は瞳子(安蘭)さんと見詰め合って歌っていても、その後ろに譜面が見える感じだったんですが(笑)、今回はちゃんと瞳子さんの目の奥とか、(石井)カズさんが何を思っているのかとかを感じながらやれてます」と、充実ぶりを語ります。
安蘭さんは「初日の昨日があまりに順調に終わったので、今日の公演が逆にドキドキしてしまいました。でも完璧に出来てよかった!」と感想を。
対して中川さんは「僕は逆です...。僕、毎朝泳いでいるんですが、今日、ずっとうしろにつけている人がいて。引き離そうと思ったんですが、結局できなくて、その時「自分を過信してはいかん」と。そうだ、今日のテーマはこれだ!と思って気を引き締めてやりました」という話題から、さらに「朝、ジムによるので、家から海パン履いていくんです。そうしたらパンツを持ってくるのを忘れちゃって! なので今この衣裳の下、海パンです!」という告白も!(笑)
仕込みでしょ、ネタでしょ、とツッコむ安蘭さんに、「こんな下着ないでしょ」と海パンの白いヒモを引っ張り出してみせる中川さんでした。
そしてお次の話題は「CHESSの中で歌ってみたい曲は?」です。
女性ふたりのデュエットナンバー「I Know Him So Well」をアッキーと歌いたい!という石井さん、「Anthem」という安蘭さんと中川さんなど様々な意見が飛び出しましたが、「Quartet」の中に入りたい、稽古場である日カズさんの目の前で聴いていたら、なんて難しいメロディを歌っているんだろうと驚いて、別の日に瞳子さんの前にいたら、こちらもまったく違う難しいメロディでびっくりした...というAKANEさんの一言から、安蘭さん、石井さん、マテさん、誰がどういうメロディラインを歌っているか、という<Quartetバラコーナー>が急遽行われることに...!
パート別に聴くと本当に音があちこちに飛ぶ複雑さで、しかも早口言葉みたいな歌詞だったりもして、全貌が見えない感じ!(でもそれがあわさると美しい形が浮かび上がるんですよね...)
石井さんは中川さんに「この1曲に参加していないだけでずいぶん楽をしている」と言い、ナンバーに参加していない人たちは「スゴイことやってるね!」と感心しきりでした。
ほかにも「年内にやりきたいこと」などの話題で大盛り上がり。
主にAKANEさんが柔らかいトーンで「そろそろ時間が...」と軌道修正を試みるも、自由に話したり歌ったりする、キャストの皆さんの横顔が楽しめるトークショーでした!
女性ふたりのデュエットナンバー「I Know Him So Well」をアッキーと歌いたい!という石井さん、「Anthem」という安蘭さんと中川さんなど様々な意見が飛び出しましたが、「Quartet」の中に入りたい、稽古場である日カズさんの目の前で聴いていたら、なんて難しいメロディを歌っているんだろうと驚いて、別の日に瞳子さんの前にいたら、こちらもまったく違う難しいメロディでびっくりした...というAKANEさんの一言から、安蘭さん、石井さん、マテさん、誰がどういうメロディラインを歌っているか、という<Quartetバラコーナー>が急遽行われることに...!
パート別に聴くと本当に音があちこちに飛ぶ複雑さで、しかも早口言葉みたいな歌詞だったりもして、全貌が見えない感じ!(でもそれがあわさると美しい形が浮かび上がるんですよね...)
石井さんは中川さんに「この1曲に参加していないだけでずいぶん楽をしている」と言い、ナンバーに参加していない人たちは「スゴイことやってるね!」と感心しきりでした。
ほかにも「年内にやりきたいこと」などの話題で大盛り上がり。
主にAKANEさんが柔らかいトーンで「そろそろ時間が...」と軌道修正を試みるも、自由に話したり歌ったりする、キャストの皆さんの横顔が楽しめるトークショーでした!
公演は
12月15日(日)まで 東京国際フォーラム ホールC(東京)
12月20日(金)~22日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
で上演されます。
チケットはともに発売中です。
チケットぴあでは、東京公演に続き大阪公演の特典付チケットも発売中!
※いずれもインターネット、店頭にて販売。電話での受付はなし。
◆お食事券付S席(11000円)
【販売期間】受付中~12/14(土)23:59
※ニューミュンヘン北大使館(大阪市北区曽根崎2-11-16梅田セントラルビル9F)のお食事券2000円分が付いたS席限定のお得なチケットです。(お食事券ご利用期間は12/16(月)~12/27(金))