『ジャンヌ』キャストインタビュー vol.4 ★村井國夫

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ノーベル賞作家が暴く"聖女ジャンヌ・ダルク"の真実

『ピグマリオン』(『マイ・フェア・レディ』の原作)でも知られるイギリスの劇作家、ジョージ・バーナード・ショーが、ジャンヌ・ダルクを社会と葛藤するひとりの人間として描いた傑作『ジャンヌ』。

1924年にロンドンで初演され大ロングランとなった本作を、笹本玲奈さんを主演に迎え、今秋、東京・世田谷パブリックシアターでの上演が決定しました。

演出を手がけるのは斬新な企画力と発想で精力的に活動を続けている鵜山仁さん、キャストは笹本さんのほか村井國夫さん、伊礼彼方さん、馬場徹さんら多彩な顔ぶれが揃います。

15世紀、フランスに勝利をもたらした少女はなぜ異端の魔女として裁かれなければならなかったのか――。
バーナード・ショーならではのアイロニーをもって、このヒロインの強烈な生涯にせまります。
スリリングなセリフの応酬や奇想天外な展開がみどころとなる本作。
今秋の話題作のひとつになるのは間違いなさそうですね。
そこで、某日都内で行われたスチール撮影の現場を訪れ、鵜山さんと4人の出演者にお話を伺いました。

げきぴあでは、そのインタビューを連載形式でお届けします!

今回は連載最終回。
ご登場いただくのは村井國夫さんです。

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★1回目の鵜山さん&笹本さんのインタビューはコチラ
★2回目の伊礼彼方さんのインタビューはコチラ
★3回目の馬場徹さんのインタビューはコチラ

村井國夫 インタビュー

 

――村井さんが演じられる司教コーションは、ジャンヌ・ダルクの裁判を主導し、彼女を火刑に処した人物ですね。

「(フランスの)ボーヴェの司教なんですけれども、ジャンヌに対する恨みというか......。自分はやはり大司教になりたかった。ところがジャンヌ(の活躍)のせいでなれなかった。それで、自分と教会の権威を守るためにも、どうしても(ジャンヌを裁く)異端裁判を自分の手で開きたかった。それはもうかなり政治的に動くんですよね。自分の知力、政治力のすべてを使ってこの裁判にあたるという役です」

――当時、イングランドに占領されていたフランスの中で、イングランド王・ヘンリー6世と強く結びついていたコーションは絶大な権力を持っていた。けれども、ジャンヌが現れたことにより立場が脅かされたわけで、コーションは自分が正しいと信じていますよね。

「もちろんそうです。彼の中では教会の権威、秩序を守るための正義なんですよ」

――社会的観念への執着や野心を抱く男たちに対し、"神"の声をきいた少女が挑むという構図をどう見せるのか、演出の鵜山さんへの期待も高まりますね。

「『ヘンリー六世』(2009年・鵜山仁演出)も戦うことがテーマだったし、人はなぜ戦うのかということを彼は追求していたわけです。今回この作品を通して何を追及しようとしているのか。すでに台本にも手を入れて、長いので数十ページカットしてるとのこと。そういう意味では初動の鈍い鵜山仁としてはわりと早いんじゃない(笑)!? かなりの力を入れて頂かなければ困る作品ですから、すごく期待しています」

――鵜山さんとのタッグは今回で5回目ですね。鵜山さんの演出はいかがですか?

「面白いこと考える人ですよね。俳優が考えつかないようなことを考えてくれるんで。ついやっちゃうんですけど、基本的には僕とは合わないんです...、うそです!合います、合います!面白いです。そうじゃなきゃこんなに(何本も)やってませんよ(笑)」

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――(笑)。共演者で楽しみな方はいますか?

「今井朋彦さんとは『コペンハーゲン』(2007年・鵜山仁演出)再びみたいな、丁々発止のセリフをやって欲しいというのがあるでしょうね。僕はすごい緊張してますよ。今井くんですからねー。あいつはプレッシャーかけてくるんですよ、言葉で。言葉にすごい力がありますからね。僕はしゃべれる俳優じゃないからオタオタしますよ。だから、いかにリアリティをもって僕がしゃべれるかどうかは、鵜山の演出にかかってます」

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

「この作品はなかなか上演されないということもありますし、俳優のレベルも余程高くないと出来ないです。そういう意味で、俳優の魅力と演出の力が必要です。今はいろいろなエンターテインメント作品がありますが、こういった作品を世田谷パブリックシアターがチャレンジして上演するのは、役者としても意欲を感じています。自分たちも早くから稽古して、完璧に近づくよう頑張ってやっていきます。本当に面白い芝居になると思います」


取材・文:金子珠美(ぴあ)
撮影:榎本靖史


■ストーリー
フランスの片田舎・ロレーヌ地方に生まれたジャンヌは、ある時突然"神の声"を聞く。その"声"に導かれるまま、彼女はフランス軍の先頭に立ってイギリス軍を破った。だが、"神"と直接話す力を持つジャンヌに人びとは恐れを抱き始める。やがて異端とみなされた彼女は、宗教裁判にかけられることに......。


 

公演は9月5日(木)から24日(火)まで東京・世田谷パブリックシアター、9月28日(土)・29日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。
チケットは7月6日(土)より一般発売開始。
なお、チケットぴあでは東京公演のインターネットの無料会員向け抽選先行・プレリザーブを6月19日(水)11時まで受付中です。

※先行申し込みには事前の会員登録が必要です。
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