『ジャンヌ』キャストインタビュー vol.1 ★笹本玲奈&演出・鵜山仁

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ノーベル賞作家が暴く"聖女ジャンヌ・ダルク"の真実

『ピグマリオン』(『マイ・フェア・レディ』の原作)でも知られるイギリスの劇作家、ジョージ・バーナード・ショーが、ジャンヌ・ダルクを社会と葛藤するひとりの人間として描いた傑作『ジャンヌ』。

1924年にロンドンで初演され大ロングランとなった本作を、笹本玲奈さんを主演に迎え、今秋、東京・世田谷パブリックシアターでの上演が決定!

フランスに勝利をもたらした17歳のヒロインが、なぜ異端の魔女として火刑台で死ななければならなかったのか?社会と個人、多数と少数、男性と女性、そして神と人。神の信託を受けたひとりの少女が己の信じる絶対的世界へ挑もうとする生き様と、権威への執着や野心をいだく男性たちとの対比の中で巧妙なセリフ劇として描きます。

演出を手がけるのは斬新な企画力と発想で精力的に活動を続けている鵜山仁さん、キャストは笹本さんのほか村井國夫さん、伊礼彼方さん、馬場徹さんら多彩な顔ぶれが揃います。

スリリングなセリフの応酬や奇想天外な展開がみどころとなる本作は、今秋の話題作のひとつです。

そこで、某日都内で行われたスチール撮影の現場を訪れ、鵜山さんと4人の出演者にお話を伺いました。

げきぴあでは、そのインタビューを連載形式でお届けします!

まず、1回目の今回は演出・鵜山仁さんと主演の笹本玲奈さんのインタビューです。

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鵜山仁&笹本玲奈 インタビュー

 

――笹本さんにお伺いします。最初にジャンヌ・ダルク役のお話がきたときの印象をお聞かせください。

笹本「ずっと戦う女性の役に憧れていたので夢が叶って幸せです。『マリー・アントワネット』というミュージカルをやった時に、革命に参加する女性でマルグリット・アルノー役をやったんですけど、その時もジャンヌ・ダルクのような女性をイメージして作っていました。ジャンヌは戦う女性の代名詞のような存在ですし、光栄です」

――ジャンヌ・ダルクと笹本さんは共通するところはありますか?

笹本「最近よく質問されるんですけど、自分のことすら分かっていないので、比べようがないというか......。ひとりの少女が神の声を聞いたと言って戦いに出て、なぜあそこまでの結末に至ったのか。素朴な少女から聖女へと変わっていく姿を細かく表現していけたらいいなと思っています。なぜか分からないけれど付いて行きたくなるような、ジャンヌは不思議な雰囲気をもった少女だと思いますね」

鵜山「乙女で聖女で田舎娘で、ひょっとしたら男であり女であり、フランスという国と神様を背負っている......。一見つかみどころがないけれど、どんな風にも見える人をやってもらえるんじゃないかなと。人間のもつ色々な面を出して欲しいですね」

――鵜山さんは『ヘンリー六世』(2009年)や『リチャード三世』(2012年)など、同時代の作品が続きますね。

鵜山「たまたまですけどね。フランスという国がまだしっかり固まっていなかった時代に、「国」というものを考えてみようよと、そんな変わった女の子が現れたんですね。自分ひとりが生きることよりも、国が、ひいては人類が長生きする力をどうやって育むか、この世界を千年単位で考えた時に、何が大事なのかを表現してくれた気がするんですよ。人類の長生きの秘訣みたいなものを」

――ジャンヌ自身は短い生涯でしたが......。

鵜山「人間いつかは死を迎えるのだから、いつ死ぬかという年齢の差は大したことではない気がします。彼女は若くして何かのために死んだことで逆に長生きしている、そういう感じかな」

――未来に繋げていくというイメージでしょうか。

「最近は(携帯やネットで)みんながあっという間に話が通じるようになったけど、それが"良く生きてる"ってことに結びつかないというか。別の方向にアンテナを出していかないと、断片的に生きてるだけになっちゃっているような気がするんです」

――今回の作品は巧妙なセリフ劇として、演劇ならではの醍醐味が味わえるのもみどころです。ジャンヌのセリフ量はさぞや膨大なのでは?

笹本「台本を読んだら、何ページにも渡る長ゼリフはなかったんでそれはよかったなと、ちょっと安心しました(笑)。わたし、舞台で"セリフ"をしゃべったことがあまりないんです。今までは"歌"で感情を表現することが多かったので、会話で誰かと言い合うのはほとんど初めてなんです。今はまだ想像がつかないんですけど、稽古場でみなさんの様子を見ながら学んでいこうと思っています」

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――笹本さんは鵜山さんの演出は初めてですね。

笹本「村井國夫さんが"突拍子もない演出される方だから面白いよ"っておっしゃってて(笑)」

鵜山「そんなことないよ(笑)」

笹本「突拍子もないって、どこまでのことを言うんだろうと、今ちょっとドキドキしてるんです。楽しみでもあり半分怖いですね」

――笹本さんがこの舞台でどんなふうに成長されるか楽しみです。

鵜山「(共演者の)みんながどれだけジャンヌをかまい、ジャンヌにかまわれるかですね。ジャンヌはいろんな人たちの身勝手な利害を実現するために利用されたけれども、その人たちの自己都合を越える力は持っていたわけで。そういうモンスター的なものが立ち上がるといいなと思ってます。ジャンヌ炸裂します!」

笹本「今までは実在の人物を演じたことがなかったのですが、映画とかだとスクリーンの向こうの非現実的な存在のジャンヌ・ダルクを、いかに舞台の上で生々しく演じられるかに挑戦したいです」


取材・文:金子珠美(ぴあ)
撮影:榎本靖史


■ストーリー
フランスの片田舎・ロレーヌ地方に生まれたジャンヌは、ある時突然"神の声"を聞く。その"声"に導かれるまま、彼女はフランス軍の先頭に立ってイギリス軍を破った。だが、"神"と直接話す力を持つジャンヌに人びとは恐れを抱き始める。やがて異端とみなされた彼女は、宗教裁判にかけられることに......。


 

公演は9月5日(木)から24日(火)まで東京・世田谷パブリックシアター、9月28日(土)・29日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。
チケットは7月6日(土)より一般発売開始。
なお、チケットぴあでは東京公演のインターネット最速抽選・いち早プレリザーブを6月16日(日)11時まで受付中。

※先行申し込みには事前の登録が必要です。
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