2019年2月アーカイブ

2015年、平田オリザ原作「幕が上がる」を映画・舞台化し、主演に起用したももいろクローバーZの女優として才能を開花させ、見事に高校生たちの群像劇を創り上げた本広克行。彼が、「幕が上がる」と同じ2015年に演出した舞台「転校生」(平田オリザ脚本)が、2019年夏に再演されることが決定しました。

本作品は1994年青山演劇フェスティバルで初演されて以来、高校演劇のバイブル的戯曲となっています。平田オリザ戯曲特有の「同時多発」会話で繰り広げられる、ある高校生たちの一日。他愛のない日々の会話の中に彼女たちの日常と社会への好奇心、あるいは大人達への不信感、将来への不安を垣間見る戯曲です。

まだ見ぬ才能と出逢いたい、そんな思いを継承し、初演と同じく全キャストオーディションにて実施する「転校生」。従来の作品は女子校が舞台で描かれていますが、本年はこの女子校版に加え、新たに平田オリザ氏が改定版として男子校バージョンを翻案、オリジナル女子校版と男子校新版の2バージョンの同時上演となります。


2019年夏、新たな才能との出逢いにご期待ください!

★★★★★★★★★

「転校生」あらすじ

ある高校の教室。高校生達の一日。課題図書や近しい人の病気や出産の事が話題になっている。

そこへ、「朝起きたらこの学校の生徒になっていた」と言う転校生がやってくる。

日々教室で繰り返されている他愛のない会話とともに「生」と「死」が同時に語られていく。転校生を受け入れながら、身近で起きている出来事をとおして、人間の存在の不確かさが浮かび上がる現代口語演劇の秀作。

★★★★★★★★★

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futariokuni_01.jpg 写真右から北翔海莉、峯岸みなみ(AKB48)

北翔海莉、峯岸みなみ(AKB48)らが出演するミュージカル「ふたり阿国」の製作発表が行われ、立ち回りと劇中歌が披露された。

本作は皆川博子 作『二人阿国』を原作とした新作オリジナルミュージカル。戦乱が絶えない時代に、突然現れた"阿国"と、彼女に憧れながらも同時に憎しみを抱き、のちに「二代目おくに」を名乗る"お丹"。彼女たち「2人のおくに」を中心に描いた物語だ。

阿国役は北翔海莉、お丹役は峯岸みなみが演じる他、玉城裕規、坂元健児、コング桑田、モト冬樹などが出演する。
脚本・歌詞は中屋敷法仁と田尾下哲、演出は田尾下哲が手掛ける。

 
本作の製作発表が行われ、製作発表用に特別に作られた「立ち回り」と、劇中で使われる楽曲が歌唱披露された。
動画はこれを収録・抜粋したもの。【動画2分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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現在、日本初演のミュージカル『最終陳述 それでも地球は回る』が好評上演中です。

天動説が信じられている時代に地動説を唱えた偉大な科学者ガリレオ・ガリレイと、今なお生み出した作品が世界中で上演され続けている偉大なる劇作家ウィリアム・シェイクスピア
同じ1564年生まれのこの偉人ふたりが、天国で出会ったら......という"if"から、自分の信念を貫くこと、夢を追いかけることの難しさや尊さを描く物語です。

出演者は2名のみ。
主人公のガリレオ役の俳優と、
シェイクスピアをはじめコペルニクス、ミルトンからフレディ・マーキュリーまで、ガリレオ以外の登場人物すべてを演じる"マルチマン"役の俳優だけ。

ガリレオ役はトリプルキャストで佐賀龍彦さん、伊勢大貴さん、山田元さん。
シェイクスピア役はダブルキャストで野島直人さん、加藤潤一さんが演じます。
※伊勢さんは2/27に、加藤さんは2/28に千秋楽を迎えます。

稽古場取材、開幕レポートとお伝えしてきたげきぴあ、今回はガリレオ役をトリプルキャストで務めている、佐賀龍彦さん、伊勢大貴さん、山田元さんにインタビュー!

なおインタビューは、伊勢ガリレオ&加藤マルチマンの回の終演後に行われました。

ガリレオ - コピー.jpg 

佐賀龍彦×伊勢大貴×山田元 INTERVIEW

 

● 開幕後1週間、現在の心境は

 
―― 開幕して約1週間です。まずは現在の率直な心境を教えてください。
 
伊勢「(即答で)大変です! 全然楽じゃない...」

山田「それは、そうだね」

伊勢「1公演終わったら、足がガクガクするし...」

佐賀「イセダイ(=伊勢)、終わった瞬間に倒れこんだりして。...舞台が終わってからもそういう演技するんだぁ、と思って(笑)」

伊勢「ヤメロ。そういうことじゃねぇ(笑)」

佐賀「あれ、そういうことじゃないの!? でも、それだけ入り込んでいるって、すごいことだよ」

山田「そうだね、最終的に描かれるのは「ガリレオの終着点」だから。色々な出会い、歌、すべてを経ての、最後のあのシーン。やっぱり最後はエネルギーを出しつくしますよね。...と言っても僕はまだ1公演しかやっていないんですが。初日やって、それから全然やっていない(苦笑)」
※山田さんは2/14の初日に出演後、1週間ほど登板があいてしまっていました。

伊勢「怖いでしょ」

山田「いま、不安しかない...」

伊勢「ですよねぇ。佐賀さんはどうですか、慣れてきました?」

佐賀「だいぶ仕上がってるよ!」

伊勢「本当ですか、色々きいてるぞ(笑)」

―― まあまあ(笑)。伊勢さんは先ほどガリレオとして生きたばかりですが、今日はどんな心境でしたか。

伊勢「本当に、ガリレオはマルチマンとお客さまに導かれているんだな、というのが、実際にお客さまの前に立って一番わかったことです。みんなに見守られて...ではないですが、みんなと一緒に旅をして、最後にガリレオがどう思うのか、日によって感情が違う。最後に、照明と一緒にひとつひとつの物語が消える、という演出があるのですが、いい思い出も浮かぶし、辛い思い出も浮かぶ。それが日によって違ってくる。役者をやっていて幸せだなと思う最後のシーンをいただいたって思います」

佐賀「いい話だねー」

▽ ガリレオ=伊勢大貴02_20190215 63.jpg


―― では佐賀さんは、ガリレオとして舞台に立って、どんなお気持ちでしょう。

佐賀「僕も本番が開けてからだいぶ作品に対する印象が変わりました。実は劇場に入って、ゲネプロをやった時に、自分の中で筋が通っていない部分が明らかになってしまって。これはイカン! と、そこから色々修正して、繋げることができた。ガリレオという人物が幕開きから最後のシーンまで旅をしている、というのが自分でも感じられて、今は楽しいです」

伊勢「佐賀さんは毎回、違うんですよ。本当にその日を生きている。安定しないところが魅力的なんだろうなって思う。その分、マルチマンは大変だろうけれど、それも楽しいんだろうな」

佐賀「いや、でも僕だけでなく、マルチマンも毎回違うから、こっちも変わってくるんだよ」

伊勢「佐賀さんは、すごい純粋なんだろうなって思う。芝居自体がピュア。受けの芝居というか、受ける脳がピュアなんだと思う」

▽ ガリレオ=佐賀龍彦01_0029.JPG


佐賀「でもふたりとも、その場その場で起こったことを、すごいキャッチするじゃん! すごいなーと思うよ」

山田「頑張りたい...」

佐賀「頑張りたい?」

山田「フレッシュでありたい」

伊勢「元さんはでも、対応力が高いよね。ちゃんと脳を通して話しているから、相手がどんな角度からきても、ちゃんと受けて、成立させられる人だと思う」

佐賀「あと元ちゃんは、普通に立っていてもガリレオっぽい!」

山田「ガリレオっぽい?」

伊勢「っぽい! 一番、元さんが科学者気質を持ってるのかもしれない」

山田「あぁ、一見すごく思慮深そうに見える、と(笑)」

―― では山田さん、1週間前の感想になるんですが...。

山田「そうなんですよ...。でも初日の前にゲネプロをやって、その後にメンバーでディスカッションをしたんです。気持ちの持っていき方とか、全体がどう見えているか、というようなことをみんなで話して。それで、俯瞰する視線を持って初日に挑んだら、ゲネプロと本番ではまったく感じ方も、ガリレオとしてのアプローチも変わりました」

佐賀「へぇ~。どう変わったの?」

山田「みんなで話していたことなんだけど、この話はガリレオが宗教裁判にかけられているシーンから始まり、最後もそこに戻っていく。自分が処刑される...という思いを、どこまで引っ張るか、その演技と歌唱のバランスをどう成立させるか。初日はそれが、ここまで難しいのかと改めて感じたんです。今それを咀嚼して、明日からまた自分がどうなっていくのか、楽しみであるし、ちょっと不安もある、というところです」

▽ ガリレオ=山田元03_20190214 21.jpg


―― 皆さん、ふたり芝居は初めてですよね。

全員「はい」

山田
「あたりまえなんですが、やることが多い。俳優ひとりの負担が大きい」


伊勢「いや凄いですよね。家で練習しようと思って最初からはじめたら、通し稽古と同じくらい時間がかかる(笑)。なんだこれ!ってなりました」

―― 冒頭から1時間くらい、出ずっぱりですか?

伊勢「僕らガリレオさんは、1時間20分、(袖に)引っ込まないです」

山田「捌けるのは1回だけだもんね。フレディのソロの間だけ」

伊勢「あの時間は僕らにとって、超大事! なんですよ!! その時に、佐賀さんの買ってきてくれた蜂蜜をよく食べています」

山田「あ、そんなことしてるんだ」

伊勢「蜂蜜はめっちゃ利きます。最後にもうひと踏ん張り頑張るエネルギーのカケラみたいなものがもらえる」

佐賀「即効性があるんだよね」

伊勢「あるあるある。本当に佐賀さんが言ったとおり!」

―― 劇場としても、とてもお客さまが近い作りです。実際に舞台に立ってみていかがでしょう。

伊勢「でも、いいオーディエンスです。最初の裁判のシーンでは、僕は皆さんのことを裁判の傍聴人だと思ってやっている。ひとりひとりの目を見て蔑んでみたり、逆に恋人だと思ってひとりを見つめることもできる距離感。楽しいです」

山田「僕は、お芝居を始めた最初はこれくらいの...もっと小さい、50人・100人のキャパシティの劇場でやっていました。6年ぶりくらいにこの規模の劇場に出演して、俳優としてテンションがあがっています」

伊勢「わかります、それ!」

佐賀「僕も慣れました。皆さんの温度感もすぐ伝わってくるから、何の違和感もなくやっています」

伊勢「いいですよね、この感覚。一体感が生まれやすい環境で。特にこのミュージカルはガリレオの旅路を描いていますし、どこかに向かっているときは応援してもらいやすい。だからこそ最初のシーンで引きつけていかないと、お客さんの気持ちがどんどん離れていっちゃうという緊張感もありますが。でも楽しい」20190215 496.jpg

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歌にダンスにとパワフルなステージを見せつけたコンサート『REON JACK3』。コンサートを成功させた柚希礼音が新たな挑戦を始めている。今年5月から7月にかけて、東京と大阪で上演されるone-man show Musical『LEMONADE』がそれだ。宝塚歌劇団のトップスターとして数々の功績を残し、退団してから3年。女優・アーティストとしてリスタートを切ってからも、大作ミュージカルへの出演やソロコンサート、CDリリースと、常に走り続けてきた柚希。宝塚で初舞台を踏んでから20年となる2019年に、あえて"一人芝居"を選んだ今の心境とは。都内で行われた『LEMONADE』のビジュアル撮影に足を運んだ。

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明りを落としたスタジオに、タンクトップの上に薄いオーバーサイズのシャツを重ね、ゆったりとしたパンツを身に着けた柚希が浮かび上がる。足元は、素足にブーティ。全身を白でまとめ、ゆるくパーマがかった栗色の髪とあいまって、カッチリとしたビジュアル撮影というよりは、写真集やファッション誌の撮影のような親密な空気が漂う。カメラマンやメイクらスタッフ陣となごやかに意見を交わす柚希も、リラックスした表情だ。

撮影は3パターンに区切って行われた。まずは、シャツのえりもとをゆるめた格好で、アンティーク調のテーブルの上に座ったポーズ。柚希は物憂げな表情から、何かをじっと見つめるような顔つきへと、少しずつ"演技"を変えてシューティングに挑む。

次に、これもアンティーク調の鏡を使ったパターンに移った。柚希は顔を鏡に寄せて、自分自身に何かを問いかけているような雰囲気。思いつめたような表情は、これまでの柚希の舞台や役どころでは、あまり見かけないものだ。

最後のパターンは、白い壁をバックに裸足で立つ姿。前の2パターンとは異なり、柚希は射抜くような眼差しでカメラを見据える。先ほどまでゆったりと流れていた空気が一気に引き締まり、柚希が何かの役に入り込んでいることが分かる。そうなると、白づくめの服も、役どころに深く関わっているのだろうか。

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撮影を終えたばかりの柚希に確認すると、主人公は"身体を壊して無菌室に入ることになったキャリウーマン"ということが判明。さらにスタッフからも"心も壊れて、やがて多重人格が浮かび上がる"との設定が明らかにされた。撮影での何かこころもとないような表情から、強くまっすぐな眼差しへの変化は、そういうことだったのかと納得だ。

「もうプロットを読んでいたので、撮影は役をイメージしてのぞみました。写真の雰囲気も、いつもの私とは違った仕上がりで新鮮でしたね」と、いつもの明るい表情に戻った柚希は笑う。作・演出は、ミュージカルの演出のほか、脚本家・作詞家としても活躍する小林香。この脚本も、同世代の女性同士として、柚希とのセッションを繰り返す中で生まれたものだとか。

「私がこういう心身を病んだ役どころって、意外かもしれないですね(笑)。でも今の世の中で、ふだん女性たちが感じていることをデフォルメして描いたら、意外とこういうことなんじゃないかとも思います」と、ふと真面目な表情になった柚希。続けて「だから、ご覧になった方にも、どこか『他人ごとではない』と感じてもらえるように、リアルに演じるつもりです」と話した。

それにしても"一人芝居"である。過去にも高いハードルを乗り越えてきた柚希だが、初めての試みに逡巡はなかったのだろうか。

「確かに一人芝居というと長ゼリフが延々と続くイメージがあるし、実際に一人芝居を経験された方たちも、皆さん『1人は怖いよ~?』とおっしゃっていて。どうしようとまず思いました」と、柚希は率直な気持ちを吐露。「でも演出の小林さんに、『1つのストーリーの中に、歌もダンスもあるミュージカルの形でやりたい』と聞いて、そこは普段やっている舞台に近いなと、少しホッとしたんです」と語る。

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そして「いつもとは違う」のはもう1つ。東京での上演が、客席数200余の小劇場〈CBGKシブゲキ!!〉で行われるということだ。

「これまで経験した一番小さい劇場は〈宝塚バウホール〉(500余席)だったので、今度のシブゲキは半分以下なんですよね。私は大劇場の客席から見て分かりやすい"遠目スタイル"の芝居をやってきたので、今回は本当にどうなるか分かりません。でも小劇場って、よく『(舞台と客席の)距離が近くていい』とか、『汗や息遣いを感じられる』と聞きますよね。私も汗を飛ばしながら(笑)、小劇場という空間を楽しみたい」と柚希は意気込む。

芸歴20周年を迎える2019年は、本作のほか、ストレートプレイやミュージカルなど話題作が目白押しだ。

「本当にすべてが挑戦なのですが、『難しいことにチャレンジしなさい』と言って頂ける環境がありがたいです。今年も守りに入らず、ますます攻める一年にしたいですね」。

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取材・文/佐藤さくら

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ミュージカル俳優としても活躍中のシンガーソングライター、中川晃教さんの新譜「中川晃教 弾き語りコンサート2016 in Hakuju Hall」が発売になりました!

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初の弾き語りライヴ! 広がるピアノと歌の美。
2016年におこなわれた中川晃教にとって初めての、全曲弾き語りのコンサート。
当盤はそのライヴ・レコーディングで、会場の緊張感と、繊細な息づかいまで収めた、貴重な一枚となっている。
楽曲は彼のライフワークでもある「POPSSIC」(ポップスとクラシックの融合)から一曲、優美で華やかなチャイコフスキーの「花のワルツ」を中川独自の世界観で表現している。
そして、ダニーボーイに新たな歌詞をつけて「星」というタイトルで発表。
彼のシンガーソングライターとしての幅広い才能が溢れる 全14曲。伸びやかな歌声と、自由自在にコントロールされた歌唱技術が楽しめる作品。

オクタヴィア・レコード《エクストン・ラボラトリー・ゴールドライン》より2/20発売!

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【開幕ニュース】

ミュージカル『最終陳述 それでも地球は回る』が本日、2月14日(木)に開幕する。ガリレオ・ガリレイの人生を軸に、男優ふたりのみで贈るミュージカル。韓国で初演され、日本にはこれが初上陸となる。

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天動説が信じられている時代に地動説を唱えた偉大な科学者ガリレオ・ガリレイと、今なお生み出した作品が世界中で上演され続けている偉大な劇作家ウィリアム・シェイクスピア。この同じ1564年生まれの偉人ふたりが、もし天国で出会ったら......? ファンタジックな設定の中に、自分の信念を貫くこと、夢を追いかけることの難しさや尊さを描く物語。出演は、ガリレオ・ガリレイ役にLE VELVETSの佐賀龍彦、伊勢大貴、山田元(トリプルキャスト)、シェイクスピアをはじめとするその他の登場人物をすべて演じる"マルチマン"に野島直人、加藤潤一(ダブルキャスト)。個性豊かな俳優たちが100分間出ずっぱりで、ノンストップミュージカルを熱演する。
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天動説と地動説、宗教裁判......と、一見とっつきにくそうな題材をモチーフにしながらも、時代も場所も飛び越えたガリレオの"天国での旅路"というストーリーは、コミカルで笑いもたくさん。プトレマイオスやコペルニクスといったガリレオの理論に接点のある歴史上の人物から、フレディ・マーキュリーといった意外なキャラクターまで登場するにぎやかさ。奇想天外な物語にふさわしく、音楽もポップで楽しい。
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配役はトリプルキャスト、ダブルキャストのため、組み合わせの妙も楽しめそう。2月13日の舞台稽古の感触では、ガリレオ佐賀×マルチマン加藤の組み合わせは俳優個人の愛らしさが際立ち、ガリレオ伊勢×マルチマン加藤の組み合わせはコメディセンスが抜群で、ガリレオ山田×マルチマン野島の組み合わせではシリアスな面も捉えた物語の芯が伝わる......といったところか。他の組み合わせや、実際に観客が入ってどう変化するのかも、楽しみにしたい。

公演は2月14日(木)から3月17日(日)まで、東京・浅草九劇にて。チケットは発売中。
※写真は舞台稽古のものであり、ヘアメイクなど本番と一部異なります。

2019年6月、Bunkamuraシアターコクーンにて、青木豪脚本書き下ろし、河原雅彦演出による新作『黒白珠』(読み:こくびゃくじゅ)の上演が決定した。

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『黒白珠』は、1990年代の長崎を舞台に、同じ刻(とき)に生を受けた双子の兄弟が、家族を愛しながらも愛に飢え、逃れられない運命をもがきながら、さながら聖書のカインとアベルのように、葛藤とすれ違いの中に紡がれてゆく人間ドラマが描かれる。人間群像を繊細に深く描くことに定評のある青木豪が、長崎・佐世保に取材し、普遍的且つまだ見ぬ新しい物語を創り出す書き下ろし作品となる。華やかさと毒を含み、心情に刺さるエンターテインメントを生み出す河原雅彦の演出がどのように物語世界を立ち昇らせるのか期待大だ。

キャストには、歌手、俳優として数々の舞台で活躍し、NHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』の岩佐栄輔役でブレイク、出演後は"栄輔ロス"を全国に巻き起こした松下優也、映像や舞台で活躍し、近年大型ミュージカルでの活躍も目覚しい平間壮一、透明感溢れるビジュアルと演技力が光るマルチプレイヤーの清水くるみ、という今まさに旬の俳優陣がフレッシュな力で物語を牽引し、更に、風間杜夫高橋惠子村井國夫といった舞台に大輪の花を咲かせるベテラン陣や、変幻自在の実力派俳優・植本純米等、豪華なキャストが結集した。

公演は、6月7日(金)初日の東京・Bunkamuraシアターコクーンを皮切りに、兵庫、愛知、長崎、久留米公演を予定している。

公演に向け、脚本・青木豪、演出・河原雅彦、キャストの松下優也、平間壮一、風間杜夫からメッセージが届いた。

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――この作品に向かう今の気持ちを教えてください。

石丸 4年という時間は舞台俳優にとっては、ある意味、長い。その間、多くの作品に接していますから。だから、ゼロに戻って新鮮な気持ちでスタートできるかと。今回、実咲さんと矢崎広さんが新しく参加されて、全く違うものが生まれるだろうと期待しています。

実咲 映画や資料を観たら、美しい話でありながら、楽しいだけではないお話の深さ、笑いの裏にあるものを感じました。曲も綺麗ですし、ストーリーもただ好き嫌いという若者の恋愛とは一味違う、深い話。チャップリンさんは一体どんな方なのか、お会いしたいくらいです(笑)。

石丸 この作品のポイントは二つ。映画とは視点が違う作りになっていること。映画の筋通りではなく、チャップリンが残した小説「フットライト」の内容を加えると共に、演劇として幻想的なシーンを盛り込んでいます。またチャップリン作曲のナンバーが6曲入っていますが、そのうちの1曲は、チャップリンが亡くなったために未完となった映画のための未発表曲「You are the Song」です。特別にこの作品での使用許可を頂けました。物語のラストにカルヴェロが歌うのですが、彼の心情が良く表れています。

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ーー初演の際、石丸さんはチャップリンをどのくらい意識して演じられましたか。

石丸 稽古途中にチャップリンのご遺族が来日され、「チャップリンのふりをするのではなく、あなたの中に生まれたカルヴェロを、体を通して表現してほしい」と言ってくださいました。その言葉によって、"ねばならぬ"という鎖が外れ、"...しても良い"になり、とても助けられましたね。ただし『ライムライト』はあまりにも有名で、イメージを損なうわけにはいかない。なのでチャップリンの振りではなく、チャップリンの想いに寄りたいと思いました。

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ーー実咲さんはテリーをどんな女性として描きたいですか。

実咲 まずバレリーナという点が挑戦ですね。私はバレエを3歳からやっていましたが、もともと内股がひどくて矯正のためにと母が習わせてくれたんです。

本当はバレリーナになりたかったくらい。でも、自分はプロにはなれないと悟って、バレエを生かせる仕事と思った矢先に宝塚が思い浮かんで受験したんです。ですから、バレリーナを演じられるのは、また一つ夢が叶ったという思いです。

そして彼女が本来持つ純粋さ、まっすぐさを描きたいですね。カルヴェロとの出会いによる変化や葛藤、そしてどん底の精神状態から最終的にはカルヴェロを励ますくらいに生きる活力を持つようになる様をお見せしたいです。

石丸 そう、カルヴェロとテリーが出会う時、二人とも人生のどん底に居るんですね。テリーは死のうと思い、カルヴェロも生きることを諦めていた。二人は共感する部分が多かったんだろうと思います。だからカルヴェロはテリーを支え、後にテリーもカルヴェロを支えた。ステージに立つもの同士、恋愛というより同志愛が芽生えた気がします。結果、かたや成功し、かたや落ちぶれてゆく。ステージに上がる人間なら誰しも経験があること。演じてみて普通の恋愛劇ではないと実感しました。

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ーーカルヴェロにしてみたら、仕事やプライドに加えて、老いの問題もあるでしょう。

石丸 昔、一世を風靡したのに、今や誰も振り向かなくなった挫折感は大きいと思います。強制的にリタイアさせられたようなものだから。この物語では、カルヴェロとテリーの関係性に、ピアニストの青年ネヴィルが登場して、不思議な三角関係になります。カルヴェロは彼らに後を託して、頑張れよ!と支えていくんですね。

ーー実咲さんは石丸さんをどんな俳優さんだと思いますか。

実咲 『ジキル&ハイド』をはじめ、色々な舞台を拝見しています。石丸さんご自身はジキルのイメージですが、もしかしてハイドな一面を持っていらっしゃるのかも?と思うくらい、違和感がなく、どの役にもハマっていらっしゃいます。舞台のイメージから聡明で真面目な方だと思っていましたが、実際にお会いしたらとても気さくで優しい方です。

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ーーどんなギフトをお客様にお持ち帰りいただきたいですか。

実咲 生きるとは、こういうことなんだとお伝えできたら嬉しいです。

石丸 映画をよくご存知の方には、音楽劇ならではの新しい視点をお楽しみいただきたいです。初めてこの作品と向き合う方には、物語や音楽に加え、色々な名言も楽しんでほしい。カルヴェロの台詞は、我々が生活する上でヒントになる言葉がたくさん。そんな言葉のギフトをご自分の生活に生かしてくれたら嬉しいです。

音楽劇「ライムライト」は4月9日(火)より東京・シアタークリエにて開幕。
その後、大阪、福岡、愛知を巡演。チケットは発売中。

ライター:三浦真紀
カメラマン:源賀津己
スタイリング:Shinichi Mikawa(石丸)
メイク:中島康平(UNVICIOUS)(石丸)

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