全く新しい"柚希礼音"が見られる!? 来年芸歴20周年を迎える柚希が挑む、歌もダンスもアリの一人芝居

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歌にダンスにとパワフルなステージを見せつけたコンサート『REON JACK3』。コンサートを成功させた柚希礼音が新たな挑戦を始めている。今年5月から7月にかけて、東京と大阪で上演されるone-man show Musical『LEMONADE』がそれだ。宝塚歌劇団のトップスターとして数々の功績を残し、退団してから3年。女優・アーティストとしてリスタートを切ってからも、大作ミュージカルへの出演やソロコンサート、CDリリースと、常に走り続けてきた柚希。宝塚で初舞台を踏んでから20年となる2019年に、あえて"一人芝居"を選んだ今の心境とは。都内で行われた『LEMONADE』のビジュアル撮影に足を運んだ。

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明りを落としたスタジオに、タンクトップの上に薄いオーバーサイズのシャツを重ね、ゆったりとしたパンツを身に着けた柚希が浮かび上がる。足元は、素足にブーティ。全身を白でまとめ、ゆるくパーマがかった栗色の髪とあいまって、カッチリとしたビジュアル撮影というよりは、写真集やファッション誌の撮影のような親密な空気が漂う。カメラマンやメイクらスタッフ陣となごやかに意見を交わす柚希も、リラックスした表情だ。

撮影は3パターンに区切って行われた。まずは、シャツのえりもとをゆるめた格好で、アンティーク調のテーブルの上に座ったポーズ。柚希は物憂げな表情から、何かをじっと見つめるような顔つきへと、少しずつ"演技"を変えてシューティングに挑む。

次に、これもアンティーク調の鏡を使ったパターンに移った。柚希は顔を鏡に寄せて、自分自身に何かを問いかけているような雰囲気。思いつめたような表情は、これまでの柚希の舞台や役どころでは、あまり見かけないものだ。

最後のパターンは、白い壁をバックに裸足で立つ姿。前の2パターンとは異なり、柚希は射抜くような眼差しでカメラを見据える。先ほどまでゆったりと流れていた空気が一気に引き締まり、柚希が何かの役に入り込んでいることが分かる。そうなると、白づくめの服も、役どころに深く関わっているのだろうか。

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撮影を終えたばかりの柚希に確認すると、主人公は"身体を壊して無菌室に入ることになったキャリウーマン"ということが判明。さらにスタッフからも"心も壊れて、やがて多重人格が浮かび上がる"との設定が明らかにされた。撮影での何かこころもとないような表情から、強くまっすぐな眼差しへの変化は、そういうことだったのかと納得だ。

「もうプロットを読んでいたので、撮影は役をイメージしてのぞみました。写真の雰囲気も、いつもの私とは違った仕上がりで新鮮でしたね」と、いつもの明るい表情に戻った柚希は笑う。作・演出は、ミュージカルの演出のほか、脚本家・作詞家としても活躍する小林香。この脚本も、同世代の女性同士として、柚希とのセッションを繰り返す中で生まれたものだとか。

「私がこういう心身を病んだ役どころって、意外かもしれないですね(笑)。でも今の世の中で、ふだん女性たちが感じていることをデフォルメして描いたら、意外とこういうことなんじゃないかとも思います」と、ふと真面目な表情になった柚希。続けて「だから、ご覧になった方にも、どこか『他人ごとではない』と感じてもらえるように、リアルに演じるつもりです」と話した。

それにしても"一人芝居"である。過去にも高いハードルを乗り越えてきた柚希だが、初めての試みに逡巡はなかったのだろうか。

「確かに一人芝居というと長ゼリフが延々と続くイメージがあるし、実際に一人芝居を経験された方たちも、皆さん『1人は怖いよ~?』とおっしゃっていて。どうしようとまず思いました」と、柚希は率直な気持ちを吐露。「でも演出の小林さんに、『1つのストーリーの中に、歌もダンスもあるミュージカルの形でやりたい』と聞いて、そこは普段やっている舞台に近いなと、少しホッとしたんです」と語る。

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そして「いつもとは違う」のはもう1つ。東京での上演が、客席数200余の小劇場〈CBGKシブゲキ!!〉で行われるということだ。

「これまで経験した一番小さい劇場は〈宝塚バウホール〉(500余席)だったので、今度のシブゲキは半分以下なんですよね。私は大劇場の客席から見て分かりやすい"遠目スタイル"の芝居をやってきたので、今回は本当にどうなるか分かりません。でも小劇場って、よく『(舞台と客席の)距離が近くていい』とか、『汗や息遣いを感じられる』と聞きますよね。私も汗を飛ばしながら(笑)、小劇場という空間を楽しみたい」と柚希は意気込む。

芸歴20周年を迎える2019年は、本作のほか、ストレートプレイやミュージカルなど話題作が目白押しだ。

「本当にすべてが挑戦なのですが、『難しいことにチャレンジしなさい』と言って頂ける環境がありがたいです。今年も守りに入らず、ますます攻める一年にしたいですね」。

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取材・文/佐藤さくら

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