歌舞伎の舞台を映画館で楽しめるシネマ歌舞伎の最新作は、2017年8月に東京・歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で上演された『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』が早くも登場!
6月9日より、全国の映画館で絶賛上映中です。
十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』といえば、おなじみ、弥次郎兵衛と喜多八(やじさん、きたさん)がお伊勢参りの途中で騒動を引き起こす、珍道中が人気のお話。
その「弥次喜多もの」を、松本幸四郎(当時は市川染五郎)と市川猿之助が新たな物語として構築。2016年8月に上演した『東海道中膝栗毛』は、アメリカ・ラスベガスにも行ってしまうという、奇想天外な展開で大当たりをとりました。
その続編ともいうべき"歌舞伎座捕物帖"は、やじさんときたさんが歌舞伎座で起こった殺人事件に巻き込まれるというミステリー仕立ての物語。
上演時は、結末をお客様の拍手で当日決めるスリリングな演出や、テレビの人気キャラがらみの小ネタも満載で、前回以上にパワーアップした舞台で観客を魅了しました。
6月17日の「父の日」、『歌舞伎座捕物帖』の公開を記念して、幸四郎の息子・染五郎と、市川中車(香川照之)の息子・團子が舞台挨拶に登場しました。
染五郎は、父・幸四郎について尋ねられると「変」と一言。「ポテトチップスは野菜と言って食べていたり、変なところは数えきれないほどあります」と。続いて團子は「洗面所やリビング、台所にも昆虫の本があって、そればっかり見ています」とそれぞれの父の印象を語り、客席を笑わせました。
▼染五郎
▼團子
また、本作での父との共演についてそれぞれ次のように話しました。
團子「今まで実際にその場にいて共演するってことが初めてでした。実際に芝居をしているところを見て、遅くから(歌舞伎の世界に入って)頑張っていてすごいなと思いました」
染五郎「父は挑戦という言葉が似合う。高麗屋は代々、挑戦する家なのでそれを受け継いでいてすごいなと思います」
「父の日」のプレゼントの話になると、染五郎は「カードを書きました。いつもありがとうございます、お芝居のことをこれからも教えてくださいって書きました」と話し、團子は「(カードは)書いてないです」と言いながらも司会者に「ではここで一言メッセージを」と促されると「これからも、よろしくお願いします」と少し照れた様子を見せていました。
幸四郎&猿之助コンビの『東海道中膝栗毛』は、今年の歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」でも上演が決定!!
染五郎は「またこの続編をやらせていただく事になりましたので、ぜひ見に来ていただければと思います」とアピール。團子も「続編では史上初の(4人での)宙乗りをやらせていただきます。自分の中ではこのシリーズは、歌舞伎俳優としても、人間面でも成長させてもらっている作品なので、今年の團子として見ていただければと思っています」と挨拶をし、大盛況の舞台挨拶となりました。
シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』
《あらすじ》
お伊勢参りから江戸へと戻った弥次郎兵衛と喜多八。伊勢までの道中で一文無しとなった二人は、仕方なく歌舞伎座でのアルバイトを再開する。劇場では連日大入り満員で芝居は大盛り上がり。しかし、舞台裏では俳優の悪い噂が流れ不穏な空気が。一方、弥次喜多の二人は相変わらずの失敗続きで怒られてばかりの日々。そんなある日、舞台で殺人事件が発生!弥次喜多の二人は犯人として疑われてしまい...。
《概要》
東劇ほか全国公開中(全国56館)
出演:市川染五郎、市川猿之助、中村勘九郎、中村七之助、市川中車、市川笑也、坂東巳之助、坂東新悟、大谷廣太郎、中村隼人、中村児太郎、中村虎之介、片岡千之助、松本金太郎、市川團子、中村鶴松、市川弘太郎、市川寿猿、澤村宗之助、松本錦吾、市川笑三郎、市川猿弥、片岡亀蔵、市川門之助、坂東竹三郎 ほか
※出演者名は公演当時の表記
原作:十返舎一九
構成:杉原邦生
脚本:戸部和久
脚本・演出:市川猿之助