5年ぶり、5代目BOYSが誕生!『宝塚BOYS』出演 良知真次&藤岡正明インタビュー

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あの宝塚歌劇団に"男子部"が存在していた――。
意外な実話をもとに2007年に初演、2008年、2010年、2013年と再演を重ねた『宝塚BOYS』が5年ぶりに上演されます。

終戦直後の1945年に特設され、"明日の宝塚スター" を夢みてレッスンを重ねた宝塚男子部の面々。しかし彼らは宝塚大劇場の舞台に一度も立つことがなく、9年後、解散。
女性が男性を演じてこそのタカラヅカ、に挑んだ彼らの青春は、ちょっと可笑しく、ほろ苦く、熱く、切ない......。

5代目BOYSは2チーム制で登場します!!

○team SEA
良知真次、藤岡正明、上山竜治、木内健人、百名ヒロキ、石井一彰、東山義久
○team SKY
永田崇人、溝口琢矢、塩田康平、富田健太郎、山口大地、川原一馬、中塚皓平


さらに両チーム共通で愛華みれ、山西惇が加わり、2018年版『宝塚BOYS』が始動します。


【『宝塚BOYS』バックナンバー】
2008年版稽古場会見
2010年版開幕レポート
・2013年版
 # 稽古場レポート
 # 開幕レポート


今回、team SEAに出演する良知真次さん、藤岡正明さんにお話を伺ってきました。
良知さんは2013年、藤岡さんは2010年にも出演したBOYS経験者。
同じ「竹内重雄」役を演じたふたりが、今回は同じチームになっていますが...?

 

良知真次藤岡正明 INTERVIEW

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● 『宝塚BOYS』は「本当に尊い思い出」

―― おふたりとも2回目の『宝塚BOYS』ですね。前回出演した時の思い出を教えてください。

藤岡「もうね、思い出がありすぎて。事件もたくさんありました(笑)。体力的にも精神的にもタフでハードな作品ですし、夏の公演だったから、そういった意味でも疲弊していくんですよ。でもその感じも含めて『宝塚BOYS』だなって思う。やっぱり "夏" なんですよね。夏の青春の1ページ。なんかもう、部活みたいな感じです。僕らの時は兵庫公演があったんですが、移動の新幹線もわざわざみんなでギュッと固まって座って、座席を回転させて、遠足みたいな状態(笑)。名古屋で一瞬停車するあいだに、じゃんけんで負けたヤツがキオスクで名古屋土産を買ってくる、とか(笑)。まぁ、負けたのは俺で、しかも買ったのが八ッ橋で、みんなに「名古屋じゃないじゃん!」って言われたのですが(笑)。そういうこと全部が、修学旅行みたいで。本当にみんなと離れたくなかったし、それはあの作品の力と、出会えたメンバーの力なんだろうなと思っています。ただただ、本当に尊い思い出。当時を思い出すと、そこにいたのが竹内なのか、自分なのか、ちょっとわからないくらいです」

良知「本当に夏にぴったりの作品だと思います。作品的にもすごく熱いので、季節を考えたら夏ですよね。僕ら同い年なんですが、もう忘れた青春時代をまた思い出して、新たに作れるってなかなか出来ないこと。しかもお互い年を重ねた今回、また青春を過ごすことが出来るのは本当に奇跡だと思います。その奇跡を起こそうと思って起こせなかった――夢を叶えられなかった人たちの話なので、僕たちも命をかけてやらなければいけないな、と毎回思います」

▽ 良知真次

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―― 前回の出演から今までのあいだ、様々な経験をされてきたと思いますが、改めてこの作品に向き合って作品に対する思いの変化などはありましたか?

藤岡「僕は作品に対しての思いの変化はあまりないです。ずーっと、ただただこの作品が好きだと思っている。ほかの作品であれば「あの頃はああだったな、今やるならこう出来るかな」と思うこともあるかもしれませんが、『宝塚BOYS』はまた出演できるなんて思っていなかったし、いちファンとして、作品がずっと残ってくれたらいいなと、この作品を愛してきました。逆に言えば、今回まさかまた出来ることになるとは思っておらずビックリしているので、これから何が出来るかなということを考えていきたいです」

▽ 藤岡正明TakarazukaBoys2018_01_13_8919_fix.JPG


良知「僕は、そうですね...。あまり前回の記憶がないんですが...」

藤岡「あまり好きじゃなかったの!?」

良知「いや(笑)、いい意味で、好きも嫌いも結構忘れてしまうんですよね、僕。だからこそ前のことを引きずらずに次に進めるのかなって勝手に思っているんですが。でも色々な体験、経験があるからこそ、違う形で今回また作品に挑むことが出来る。そうじゃなかったら、違うキャストがいても、自分は同じことをやろうと思っちゃいますよ。でも今回はメンバーも変わり、全然違うカンパニーになるので、伝えたいメッセージも変わってくると思う。そういったものを、新しいメンバーと探っていきたいなと思います」

藤岡「良知、良いこと言うなぁ! 本当にその通りだよね。でも良知はこの間で、宝塚の振付をやったわけじゃん」

良知「そうね、それはやっぱりひとつ大きな経験としてあります。宝塚の稽古場に入った時に「ここかぁ!」と思いました。『宝塚BOYS』も、稽古場に入るところから物語が始まるので。凄いところに来たな、と思いましたし、その「凄いところに来た」という感覚を、いかにリアルに伝えられるかということを、今回は目指したいと思います」
※良知は2017年月組公演『瑠璃色の刻』でフィナーレナンバーの振付を手掛けた。
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――実際に振付家として、宝塚歌劇団の現場に関わって、皆にアドバイスとして伝えたいことなどはありますか?「ちょっと想像と違ったぞ」とか...。

藤岡「何か絶対あるでしょ!」

良知「稽古場には「清く正しく美しく」というものは、意外となかったです(笑)」

藤岡「下級生が「おはようございますっ!」って言って、先輩が「声がちっちゃい!」みたいなのは?」

良知「それはなかったよ(笑)」

藤岡「そうなんだ~」

良知「組のカラーもあるらしいけど、月組は良い人たちでした! でもね、男役さんだけの振付をしていて、その稽古場を娘役さんが観にくると、男役の皆さんの踊り方が変わるんですよね。やっぱりそういうものなんだな、って。もう本当に、男役さんは男性よりカッコよく美しい。BOYSたちもそういうものを目指していたんだってことは、最後のレビューシーンでちゃんと出してもいいのかな、って思います」

藤岡「でも実際に宝塚の稽古場に行ったら、『宝塚BOYS』のこと思い出したでしょ」

良知「思い出す、思い出す!」

藤岡「ギャップはなかった? 僕らは "憧れ" から入るじゃない」

良知「でもね、実際に足を踏み入れても、やっぱり憧れたよ。振付をやらせてもらって、またやりたいとも思ったし、自分も勉強になったし。BOYSとして「あぁ、ここに憧れてたのは間違いじゃなかったな」って思った。それに、宝塚の皆さんのお話を聞いて、大変なんだなってこともわかった。トップになる、スターになるってことは大変なんだなって」

藤岡「そうだよね~。でもそういう経験をすると、たとえば15年後、20年後に良知が池田さんをやる...とかも、ちょっとあるかなって思うよね!」

良知「(笑)。確かにね」
※池田さん=池田和也。劇中で、BOYSたちの指導的立場にあたる男性。TakarazukaBoys2018_01_24_8975_fix.JPG



● 2018年版『宝塚BOYS』はどうなる?

―― ところで、ふたりとも前回出演時は同じ「竹内重雄」役でした。

藤岡「そうなんですよ!」


―― 今回まだ、誰がどの役を演じるのか決まっていないとか。

藤岡「暫定でこのあたりというのはありつつ、本当にそこから変わるかもよ、とは言われています。実際にすでに昨日、もうひと組の本読みをしていたら、その時でも変わっていましたし。だから僕が星野さん(ダンスの腕を買われ請われて入団した男。これまでに吉野圭吾、東山義久、中河内雅貴が演じている)をやるってことも...、ないか(笑)」

良知「(笑)。それはちょっと見てみたいな。(演出の鈴木)裕美さんに言ってみようかな」

藤岡「良知は星野もいけるじゃん?」

良知「でも星野役には強力なのがひとりいるからさー...。彼が他の何の役をやるの、って話になっちゃうじゃん!」

藤岡「よっくん(東山)の太田川(宝塚のオーケストラ出身、関西弁で調子のよいところがある男)とか、見たいよね!」

良知「全っ然、想像つかない(笑)!」
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―― 自分で立候補できるとしたらこの役をやりたい! というものはありますか?

藤岡「どれもやりたいな~。竹内以外だったら、上原(小林一三に宝塚男子部を直訴した男。BOYSのリーダー的存在)もいいけど、ちょっと俺にはあわないかな? 自分にあっているという意味では太田川かな。あとは長谷川(旅役者の息子)か。長谷川も面白そうだよね」

良知「うん、似合いそう。僕は...ちょっと話が変わっちゃうんですが、前回キャスティングされたときも同じように役はまだ決まっていなくて、裕美さんと面談をしたのを覚えています。ご飯を食べながら「どういう人生を歩んできたのか話してください」って言われたの。その中で、同じように「やりたい役は?」と聞かれて、ある役を挙げ、裕美さんも「わかった」って仰ったんですが、結果、与えられたのは違う役でした。裕美さんは僕を見て、人生の話を聞いて、そこから何かを感じ取って僕に竹内という役をくださったのだとしたら、あの時から何年も経って自分も変化しているだろうから、今回自分がどう裕美さんの目に映るのかな、っていうのを楽しみにしています」

藤岡「ちなみにその時、誰をやりたいって言ったの?」

良知「上原」

藤岡「上原やりたいって言ったんだ! 星野じゃなく」

良知「星野ではなかったんです。実はその時にも、星野は?って裕美さんに聞かれた。むしろ星野じゃない役がいいです、って言ったくらい。「踊りもやってるじゃない」って言われたんだけど、僕は「そういうのじゃない役をやりたい」って。...自分と離れた人をやりたいとかではなく、星野は踊りを武器に、プロとしてやってる人じゃないですか。なんとなく、武器がない人をやりたかったんだよね。それがなぜか、って聞かれると、自分でもちょっとわからないんだけど」
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―― ちなみに、劇中でBOYSたちが宝塚の芸名をつけるシーンがありますが、あれは皆さんがそれぞれ、自分の役に合うものをご自身でつけたと伺っています。何とつけたか覚えていますか?

良知「覚えてない(笑)」

藤岡「薄情な男だね~」

良知「だからさっき言ったじゃん、俺は良い記憶も忘れるんだって!」

藤岡「俺は全員じゃないけど、他の人がつけたのも覚えてるよ。俺らのときの太田川役の瀧川英次くんは『浪花紅時雨(なにわべにしぐれ)』でしたからね(笑)」TakarazukaBoys2018_01_14_9031_fix.JPG

―― (笑)。それ、鈴木裕美さんのOKは出たんですか。

藤岡「出ましたね~。僕自身は『天音響(あまねひびき)』でした。やっぱり竹内さんは「歌」だなって思って。歌が好きで、歌に救われてきた人だから。天までその音色が響いていくっていう意味でつけました。...本当に覚えてないの? じゃあ、次つけるとしたら?」

良知「まだ考えてないよ(笑)!」

藤岡「でもきっと今回も新しくつけるよね。なにせ役も変わるかもしれないし、共演者も変わるし。共演するみんなとの関係値が変われば、おのずと自分も変わってくるからね」


―― それにしても今回おふたりが出演する「team SEA」は濃いメンバーが揃っていますね。

藤岡「百名ヒロキくんと木内健人くんが『宝塚BOYS』を経験していないけど、他の5人はやっているんですよ。だからこのふたりは不安も多いと思うけど。だからこそ一緒に作り上げていきたいと思うし、僕らも経験者という立ち位置で物事を考えるんじゃなくて、ゼロからのつもりで作品を作りたいですね」

良知「キャストが変われば作品は変わるし、ひとりの芝居も、稽古の最初と最後でどんどん変わってくる。それによって自分も変わるからね。新しい作品を作っていきたいよね」
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●「彼らの夢が破れたのは、観客の責任でもある。お客さまも一緒になって苦しまないといけない」


―― 最後に改めて、この『宝塚BOYS』という物語の魅力を教えてください。「宝塚に男子部があった」というと、その意外性にちょっと可笑しみを感じ、実際に笑いもふんだんにありますが、時代的には戦後すぐですし、夢が必ずしも叶うわけではないという現実も突きつけられる。結構シビアな物語ですよね。

藤岡「物語の要素だけ見ると、宝塚の男子部、青春もの、汗...って、こんなにしっかりとした根が張られている作品と思わないですよね。でもとても良く出来た作品。裕美さんが言っていたんですが、この話ってそんなに色々なことが起こるわけではない、割と地味なストーリー。何で魅せるかというと、人です。その人がどう生きているか、その人がどういう風に感じ、どう変わっていくか。それをビビッドに見せていかなければいけない。つまりそれは、役者が輝かなきゃいけないということだと思う、まさにそういう作品です。僕、実はこの『宝塚BOYS』に出た少し後に自分で演劇ユニットを立ち上げたんですが(演劇ユニット青唐辛子)、その時にまさに同じことを思ったんです。役者が「いいなぁ、こいつら愛すべき奴らだな」って思われる作品を作りたいと思った。そう思ったのは、『宝塚BOYS』に出会えたから。もちろんそれだけじゃなく、たくさんの魅力が詰まってて、全然僕、まとめられないんですが。でも本当にひとりひとりが愛すべき素敵なキャラクターだなというのは、間違いなく魅力のひとつです」

良知「ハッピーエンドじゃない作品がここまで何度も上演を重ねるというのは、すごいことだと思うんです。ハッピーエンドって、大体受け入れられるじゃないですか。そうではないこの作品がうけるのは何だろうと考えると、やっぱり彼らがそこに命を懸けてやってたってことが、一番のポイントかな。なのに、夢破れる。しかも、作る側も、演じる側も、「宝塚男子部」を実現させようと思って人を集め、そこに集まり、でも叶わなかった。それがなぜかというと、劇場に来ているお客さまなんですよ。宝塚の観客が、「要らない」と言った。そんな残酷なことってないと思うんです。それはお客さまの責任でもあるし、たぶん、お客さまも一緒になって苦しまないといけないと思います。その責任を問う時期が、今回またこうして訪れた。また出来て "幸せ" だと、簡単に一括りにはできないですね」
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―― 宝塚は2014年に100周年を迎えましたが、宝塚百年史には、「宝塚男子部」は記録として残っていないそうです。

良知「だから、よくこの作品を上演できるなって思いますよ!」

藤岡「でもこの話、宝塚でやればいいのに。男性ばかりだから男役さんの役も多いし」

良知「確かに。ちょっと話は変わりますけど、僕はすごくエンタテインメントというもの――歌、踊り、芝居全てひっくるめてに、救われた人なんです。自分が今こうしてステージに立ったり、テレビやライブに出ることで、もしかしたら僕みたいに救われる人がいるのかもしれない。そこが、エンタテインメントのすごいところだと思うんです。そして今、それが自分が考える以上に広がって、例えば中国公演やシンガポール公演というものを経験し、出会いも変わってきているんです。宝塚自体も、台湾公演をやったりしていますよね。今回もたぶん海外からのお客さまや、詳しくストーリーを知らずに観に来る方もいらっしゃると思います。女性だけの劇団として世界的にも知られる宝塚で、かつて実際にこういうことがあったと、日本を飛び越えて海外のお客さまにも知っていただくいい機会だと思うんです。それを今回、本当に日本代表として、僕たちは伝えないといけないんだなと思っています」TakarazukaBoys2018_01_21_9020_fix.JPG

  
取材・文:平野祥恵(ぴあ)
撮影:福井麻衣子

 
【公演情報】
・8月4日(土)~19日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
・8月22日(水) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール(愛知)
・8月25日(土)・26日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
・8月31日(金)~9月2日(日) サンケイホールブリーゼ(大阪)
一般発売:6/23(土)10:00~

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