さて、前回はスミルノワ・チュージンのお二人にルグリについて語って頂きました。
ルグリの仕事に対する熱心な姿勢と、それに対するお二人の想いがヒシヒシと伝わりましたね!
今回はその後編をご紹介いたします。
―今回踊る作品を紹介してください。
スミルノワ 2つのプログラムで計4作品を披露します。振付家もスタイルも音楽も違う、全くカラーが異なる作品です。特に披露できて嬉しいのは、Aプロ『じゃじゃ馬馴らし』のビアンカとルーセンシオのアダージョ。ジャン=クリストフ・マイヨーが私たちのために振り付けてくださいました。マイヨーはダンサーのキャラクターを加味して作品を作るので、私たちも気持ちよく踊ることができます。
クラシック作品では、Aプロ『グラン・パ・クラシック』とBプロ『ファラオの娘』。『ファラオの娘』はラコットの振付で、現在はボリショイでもガラのみで、残念なことに全幕は上演されない演目です。私たちも全幕では数回しか踊ったことがないので、ぜひ全幕で踊りたいですね。
Bプロ『ジュエルズ』の"ダイヤモンド"は、バランシンのお気に入りのダンサーのひとり、メリル・アシュレイに習いました。彼女を懐かしく思っていて、今度、アメリカ公演で会えたらと思います。美しい振付で、ストーリーのないダンス作品。ステージの上に男女ペアがいるということで人間関係が生まれるわけで、その関係性を自由に想像して楽しんでいただけたらいいですね。
チュージン 音楽がチャイコフスキーで素晴らしいです。
スミルノワ はい。音楽もバランシンの振付も素晴らしい作品ですので、楽しみにしてください。
―お手本にしたいダンサーは?
スミルノワ バレエの世界でのお手本といえば、ディアナ・ビシニョーワさんです。ワガノワバレエ・バレエ・アカデミーで同じ先生に習っていたこともあり、近い存在に感じますし、よく理解できます。ステージ上で、どう踊り、語り、自分をプロデュースするのか、多くの振付家と仕事をして、自分の表現を探している。素晴らしいお手本です。
チュージン たくさんいます。ヌレエフ、ルグリ、またロシアのダンサーであるムハメドフ、今習っているペトロフ先生、彼らのビデオは繰り返し見ています。
―お二人が2012年にボリショイ・バレエに入団してから、ボリショイ・バレエは変化してきました。レパートリーとしてクランク、マイヨー、バランシンを上演する。かつ『ルグリ・ガラ』のように、バレエ団に在籍しながら国外のグループ公演に積極的に参加するなど。新生ボリショイ・バレエの象徴的存在としての気持ちをお聞かせください。
スミルノワ 海外から振付家を呼んで一緒に仕事する機会が得られるのは、幸せなことです。この6年間でノイマイヤー、マイヨー、ポール・ライトフット、マッツ・エイクなど、様々な振付家が来ました。
チュージン セルゲイ・フィーリンの功績です。
スミルノワ はい。セルゲイのおかげでオープンになり、海外の新しいものを吸収できるようになりました。新しいチャンスは私たちダンサーを速く着実に成長させてくれますから、私たちの世代は幸せです。(文・三浦真紀)
間もなく開催となります「ルグリ・ガラ」。
お二人の意気込みも感じられ、より楽しみになりましたね!
チケットはもうお手元にありますでしょうか?
どうぞみなさま、優雅な一時をお過ごしくださいね。