作・演出の岩松了にとって、「国民傘」以来、6年ぶりとなるザ・スズナリでの新作公演「少女ミウ」。
堀井新太、黒島結菜をはじめ、10名の若手俳優との芝居づくりの現場は、ほどよい緊張感に包まれている。繰り返し行われる部分稽古は、岩松の具体的な指示で、ちょっとしたニュアンスが変わり、全体の空気もがらりと変わる。
若い俳優たちの素直な演技で、字面ではわかりにくかったそれぞれの関係性もあらわになっていき、まさに行間に書かれた空気感があらわれてくる。
家族の最後の晩餐のシーンで岩松が繰り返し口にするのは、「何気ない会話にしないで」ということ。一言一言が緊張感を孕み、隠された感情が関係を動かしてゆく様が、具体的に見えてくると、なぜ、この会話が今なされているか、その深い意味に納得できる。
お芝居は、家族の食卓のシーンと、少女ミウがマスコミに注目されてある番組に参加するTV局のシーンが交互に展開する。
時間軸のずれた二つのシーンがそれぞれに影響しあい、時折融合するような気配も見せる。二つのシーンで二役を演じる役者もいるのだが、それぞれの役割に共通点と、その役でなければならない意味があることがわかってきて、興味深い。
色んな意味で、「多重構造」になっている、一筋縄ではいかない戯曲に、若い俳優たちが真摯に向き合い、演出家の指示に愚直に取り組む姿に、完成形の舞台が早くも楽しみな、今日の稽古場である。
<公演情報>
M&Oplaysプロデュース「少女ミウ」
公演期間:2017/5/21(日)~6/4(日)
会場:ザ・スズナリ(東京・下北沢)
堀井新太、黒島結菜をはじめ、10名の若手俳優との芝居づくりの現場は、ほどよい緊張感に包まれている。繰り返し行われる部分稽古は、岩松の具体的な指示で、ちょっとしたニュアンスが変わり、全体の空気もがらりと変わる。
若い俳優たちの素直な演技で、字面ではわかりにくかったそれぞれの関係性もあらわになっていき、まさに行間に書かれた空気感があらわれてくる。
家族の最後の晩餐のシーンで岩松が繰り返し口にするのは、「何気ない会話にしないで」ということ。一言一言が緊張感を孕み、隠された感情が関係を動かしてゆく様が、具体的に見えてくると、なぜ、この会話が今なされているか、その深い意味に納得できる。
お芝居は、家族の食卓のシーンと、少女ミウがマスコミに注目されてある番組に参加するTV局のシーンが交互に展開する。
時間軸のずれた二つのシーンがそれぞれに影響しあい、時折融合するような気配も見せる。二つのシーンで二役を演じる役者もいるのだが、それぞれの役割に共通点と、その役でなければならない意味があることがわかってきて、興味深い。
色んな意味で、「多重構造」になっている、一筋縄ではいかない戯曲に、若い俳優たちが真摯に向き合い、演出家の指示に愚直に取り組む姿に、完成形の舞台が早くも楽しみな、今日の稽古場である。
<公演情報>
M&Oplaysプロデュース「少女ミウ」
公演期間:2017/5/21(日)~6/4(日)
会場:ザ・スズナリ(東京・下北沢)