【後編】舞台『それから』平野 良×エレキコミック今立 進「三角関係とか好きじゃない!」

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2.5次元舞台からシェイクスピアまで幅広く活躍中の平野 良×元宝塚の帆風成海×人気お笑いコンビ・エレキコミックの今立 進、演出は劇団「□字ック」の山田佳奈、という前代未聞な組み合わせの3人芝居が5月に上演されます。

「もっと気軽に文学と演劇に触れられるものを!」をテーマに立ち上げられた'文劇喫茶'シリーズの、記念すべき第一弾となる本作。

演目は、夏目漱石『それから』で、定職に就かず、毎月1回、本家にもらいに行く金で裕福な生活を送る長井代助(平野)が、友人・平岡常次郎(今立)の妻である三千代(帆風)とともに生きる決意をするまでを描きます。

そんな注目の本作で親友役を演じる、平野さんと今立さんに、前・後編でお話をうかがいました。

役柄の話や出演者3人の相性のよさなどを語っていただいた前編。後編ではだんだんと思わぬほうに話が進んでいき...?

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――原作のストーリー全体への感想もお聞かせください。

平野:僕はねー...あまり好きではないんです。

今立:三角関係?

平野:読んでて心が苦しくならないですか?昼ドラとかもそうですけど。俺、心が持たないんです。だからドラマは最後まで観れないですもん。

――それは登場人物の気持ちになってしまって辛い? 見ていて辛いってことでしょうか?

平野:みんなの気持ちになって観ちゃうので耐えられないです。僕は、そういうのは嫌だって逃げてきた人生なので。友達の恋人に恋しちゃったりもしないし、いいなと思っても誰かと付き合ってるとわかったら一瞬で引いちゃいます。

――それを演じるのってどうなんでしょう?

平野:だからこそ楽しくできるところはありますね。これは自分じゃない、っていう。

――今立さんはどうでしょうか?

今立:今びっくりしてる。僕もそうなんです。悲しい系の恋愛ものを全然見ないんですよ。僕も見てて辛くなるんです。悲しいし、なんでこんなことが起きちゃうのって。

――演じるのも辛いですか?

今立:でもいい感じにリアルになると思いますよ。しんどさから逃げられないわけだし。2人とも「なんでお前が」って心から思うだろうし。「お前知ってるだろ、俺の嫁だって」って。これはだから今まで辛い恋愛ドラマから逃げた仕打ちですね、僕らの!

平野:(笑)。

今立:でも僕も平岡みたいなところはあるんですよ。別れ話されてから必死に取り繕ってみたりとか。もう遅いことは俺もわかってるのに、追わずにはいられおれない。彼女が読んでる本を買って、俺も読んでみたりとか...。

平野:(笑)超かわいいっすね!

今立:そういうダメ男な一面も...。

――それ、ダメ男ですか?

今立:結局ダメなんですよ。女の人はほぼほぼ戻ってこないですから。そういうのを経験してきたので、なんか...本当に泣いてしまうかもしれません、舞台上で。

平野:あはははは!

今立:いろいろと思い出して。うん、ありがとうございます。話してて過去の自分と向き合えました!

――(笑)。

今立:......いいときって気付かないんですよね。

平野:居酒屋みたいになってきた(笑)。

今立:男ってだめなんですよ...。

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――平野さんは、代助の行動でわかるところはありますか?

平野:いや、ないですね。でも僕、人妻とか奪う役、多いんですよ。

今立:(笑)。

平野:なんでなんですかね。全然そういうとこないんですけどね。来る者は拒まないですけど、去る者も追わないし。十代の頃とか「別れよっか」って言われたら「じゃ、バイバイ」って言うので「何で止めてくれないの!」ってなってましたよ。すぐ引いちゃうんです、傷つきたくないし。

今立:でもその前はあったんでしょ? "追う良"が。

平野:ありました、高校生のとき。

今立:ほら、あるんですよ! 追う良も。男がなんでそうなったかっていうところをちゃんと考えてください!

――はい(笑)。

平野:そこで傷ついてしまったから、もう...。

今立:わかる、わかるよ! 黒霧ロックでお願いします!

全員:(笑)

平野:いやーだって飯食えなくなったよ、そのとき...(居酒屋トークは続く)

今立:でも今話した僕らの経験からの共感もそうですし、原作で描かれている時代だけのものじゃないですよね。みんなが経験してきたことだったり、これから経験するかもしれない恋愛だったり。決して古い話とは言えないと思うので、。ぜひそこら辺もふまえて観てもらいたい。あと、この記事を読んだ人は「ああ、二人とも過去に追いかけた人生があったんだな」って(笑)、そう思って観ていただくと面白いと思います。

――では最後に舞台を楽しみにしている皆さまに一言お願いします。

平野:恋愛っていつの時代もあるものだし、時代は違えどもきっと胸に刺さる作品だと思います。観ててイライラしたり、むかむかしたり、切なくなったり、キュンとしたり、いろんな感情を与えられる作品だと思うし、僕らもそうできるようにこれからがんばっていきいます。文学作品っていう敷居は杞憂に終わると思いますので、ひとつの舞台作品として気軽に観に来ていただきたいです。

今立:劇場で待ってます!

平野:(笑)。もう一声!

今立:話してて、やっぱりみんなに共通するものがいっぱいあるんだなって。ふたりで話しただけでもこれだけいろいろ出てきましたし。きっと女性側の想いもあると思います。多分僕らもやっていくうちに変わっていくものもあると思う。そうなると感じ方も変わるはずだから、ぜひ全公演観に来てください!

平野:全公演(笑)。でもこれ観終わった後の女子会は楽しいと思いますよ。女の子は「あーでもないこーでもない」がいっぱい出てくると思います。

――男性はどうですか?

平野:男性のお客さんは共感するんじゃないですか? 男は(代助と平岡)どっちの要素もあると思うし。亭主関白気取って胡坐かいてたら...

立:三行半突きつけられてね!

平野:逆に意外と一途なんですっていう、男の正当化する気持ちもあるし。男って正当化するんですよ!自分を。

今立:ああ~(と深く頷く)。

平野:だから面白いと思いますよ。

今立:それを違うジャンルから集まってきた僕らが演じるということで、そんなに重い感じにもならないと思いますし。文劇"喫茶"ですから、軽い気持ちで。アフタヌーンティー感覚で気軽に来てください。まあ、アフタヌーンティーってけっこうガッツリなのでびっくりしますけどね(笑)。

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文劇喫茶シリーズ 第一弾 舞台『それから』は5月 3日(水・祝)から14 日(日)まで、東京・俳優座劇場で上演。

文:中川實穗

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