スタジオアルタの運営により7月7日、東京・有楽町の有楽町マリオンに新劇場オルタナティブシアターがオープンする。
そのこけら落とし公演として歴史ロマン『アラタ ~ALATA~』の上演が決定。4月4日に製作発表会見が行われ、脚本の横内謙介、構成・演出の岡村俊一、ダンスクリエイターとして参加するElina、"チャンバラスペシャリスト"として参加する早乙女友貴、そして、オーディションで出演が決まった新鋭・吉田美佳子らが出席した。
スタジオアルタの発表では、同劇場は外国人観光客が観客の7割と見込んでおり、言葉の壁を取り払うべく、セリフなし(ノンバーバル)でダンス、殺陣などのパフォーマンスで構成するという。戦国時代から現代にタイムスリップしてきたサムライ"アラタ"と現代を生きる東京の女"こころ"を中心にしたアクションラブストーリーが展開する。2018年の3月までに500公演、14万人の動員を見込んでいるという。
横内は、ここ数年、次々と劇場が閉鎖に追い込まれてきた状況に触れつつ、そんな中で新たな劇場がオープンするということを「逃してはいけないチャンス」と捉える。観客の大半は外国人となるが「自分たちが『おいしい』と思えないものを外国人に出して『おいしい』と思ってもらえるわけがない。セリフはなくともストーリーがちゃんとあり、楽しく、刺激的で感動できるものにするのが私の務め。現代へのメッセージも多分に含まれています」と語った。
岡村はテーマを「こと」と「もの」とし「現代人はものに頼って生きていて、『愛してる』という表現でも、本当は愛してるだけでよかったのに、指輪を交わしたり、ものに感情を特化している。そのことに現代人と古代人の出会いを対比させて描き、肉体で表現していく。外国人にここに日本の心があると伝わる作品にしたい」と意気込む。
Elinaは「ダンスの可能性を知ってもらいたい。ダンスにしか表現できない情感、緻密な部分を伝えたい」と語る。自身、1年間ニューヨークに留学したが「あちらの人間はオープンでわかりやすいし、一方で日本人はシャイだけど、技術に対してストイック。その両方の良さを学べたと思います」と自信をのぞかせる。
早乙女も「演劇仲間、日本人の観客、そして外国人の方に喜んでもらえるものにしたい。剣舞のような舞う表現を入れていけたら」と日本にいながらにして世界の観客にパフォーマンスを披露できるチャンスが待ちきれない様子。
この日、Elinaも早乙女も壇上でパフォーマンスを披露したが、互いに「本当に素晴らしいのひと言」と称賛し合っていた。
オーディションファイナリストの吉田美佳子
なお、音楽は、全世界で2000万以上ダウンロードされている音楽ゲームアプリ「Deemo」で最も人気のアーティストとして高い支持を集める音楽制作集団Miliが担当。いずれ、コンテンツごと本場ラスベガスへの"輸出"をも視野に入れていることもスタジオアルタの田沼和俊代表取締役社長により明かされた。
『アラタ ~ALATA~』は東京・オルタナティブシアターにて7月7日より開幕。
取材・文・撮影:黒豆直樹