11月より始まる『錦秋特別公演2016』の見どころを、僕、中村鶴松がご案内する短期連載の2回目です。今回は新たな試みとなる演目『歌舞伎塾』についてご紹介します!
普段、楽屋ではこんなふうに化粧をしています。
『歌舞伎塾』とはひとことで言えば、歌舞伎の裏側をお見せしちゃおうという企画です。そのひとつが"生支度"。僕と中村いてうさんが舞台上で化粧をしたり、衣装に着替えたりして、女形・立役へと姿を変えるまでの様子を披露します。こうした姿をお見せする機会はそうはないですし、普段から歌舞伎を見慣れている方にとってもすごく貴重な体験になること間違いないです。その後は『草摺引』の一部も上演。草摺とは甲冑の胴の裾のところに垂れている板のことで、これを曽我五郎と舞鶴が引っ張り合うという、とても分かりやすいお話です。ここでは"むきみ隈"という目の周りに紅の模様を描く化粧をしますので、いかにも歌舞伎らしい世界観を楽しんでいただけると思いますし、しかも中村勘九郎さんと中村七之助さんによる、踊りや音楽についての解説まで聞けてしまう。僕が言うのもなんですが、これは本当に贅沢な企画だと思いますね(笑)。
なかなかお見せすることがない化粧の様子ですが、
『歌舞伎塾』では解説入りで実際にご覧いただきます。
ちなみに過去の公演では『歌舞伎塾』ではなく、歌舞伎に関するいろんなことをお話する『芸談』というコーナーがありました。こちらもとてもラフな雰囲気なもので、僕が参加していない公演では、お弟子さんが勘九郎さんや七之助さんたちの指示で一発芸をさせられたとか......。ひょっとする今回もそうしたムチャぶりが出るのではないかと、若干不安に感じているところがあります(笑)。でも、そんなことができてしまうぐらい中村屋はみんな仲が良いということなんですよね。それに、今回一緒に司会をしてくださる中村小三郎さんと澤村國久さんも中村屋きってのしゃべりの達人ですからね。きっと、歌舞伎役者というカタいイメージからかけ離れた普段の僕たちの姿が見られると思いますので、ぜひとも本番をお楽しみに!『歌舞伎塾』では解説入りで実際にご覧いただきます。
できあがり!
【公演情報】
11月7日(月) オリンパスホール八王子
11月8日(火) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
11月9日(水) アクトシティ浜松 大ホール
11月10日(木) 文京シビックホール 大ホール
11月12日(土) レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
11月13日(日) NHK大阪ホール
11月14日(月) ロームシアター京都 メインホール
11月16日(水) まつもと市民芸術館 主ホール
11月17日(木) 金沢歌劇座
11月19日(土) 秋田県民会館
11月20日(日) 盛岡市民文化ホール 大ホール
11月21日(月) 東京エレクトロンホール宮城
11月23日(祝・水) 松山市民会館 大ホール
11月25日(金) 福岡サンパレス