『SUPER GIFT! ~from Takarazuka stars~』取材会レポート

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今年、10周年を迎えている梅田芸術劇場に、宝塚の歴史を彩った歴代スターたちが集結!
その夢のステージ『SUPER GIFT! ~from Takarazuka stars~』がまもなく開幕します。

梅田芸術劇場では、宝塚歌劇100周年(2014年)へ向けて、元トップスターたちが集結した華やかなOG公演が行われていたのも記憶に新しく、OG公演といえば梅田芸術劇場、と言っても過言ではないほど。

今回も
出演は、元男役トップスターの剣幸、杜けあき、安寿ミラ、姿月あさと、湖月わたる、
元トップ娘役からはこだま愛、森奈みはる、星奈優里、彩乃かなみ
が出演。

さらに大阪公演には宝塚歌劇団より専科の美穂圭子、華形ひかる、沙央くらまも出演。
豪華なステージになりそうで、期待が高まります。

8月末日、この作品の稽古場取材会が開催されました。
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【『SUPER GIFT!』バックナンバー】


稽古場披露では、全3曲が紹介されました。
今回の出演者では剣幸さん&こだま愛さんの元月組トップコンビ、
安寿ミラさん&森奈みはるさんの元花組トップコンビ
...という2組のトップコンビの顔合わせが実現しますので、この2組のシーンが中心です。


まずはこちら。
剣幸さん&こだま愛さんと言えば、初演の『ME AND MY GIRL』です!
1年もの長きにわたってロングランした大ヒット作になり、『ミーマイ』はその後、月組のお家芸と呼ばれたほど(近年は、その他の組でも上演されていますが)。
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披露されたのは『街灯によりかかって』
名門貴族の落胤だということが判明した下町育ちの主人公・ビルが、立派な跡継ぎになっていく過程を楽しく描くロマンチック・コメディですが、その中で同じ下町の恋人・サリーが「自分はビルに不釣合いだ」と彼のもとから去ってしまった後、ビルが歌うちょっと切ないナンバーです。

剣さんが「本日は懐かしい、懐かしい『ME AND MY GIRL』の中から、『街灯によりかかって』を見ていただきます。歌だけじゃなく、久しぶりに幻想的にサリーが出てきて、ダンスを踊ってまたいなくなる...という一連をさせていただきます」と語るように、コンサートなどで歌われる機会も多い楽曲ですが、途中に挟まれるダンスシーンもともに演じられることは、なかなかありません!

シーン披露に入る前、照れくさそうに笑う剣さん。
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...ですが、音楽がかかると、一気にビルです!
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♪あの子こそワンダフルでマーベラスでビューティフル♪
振付も懐かしいミーマイの世界...!
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こだまさんも、キュートで可憐なサリーです。
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ビルとサリーが幻想の中、ロマンチックに出会います。
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幻想が醒め、♪出ていかないでくれ♪と切なさ全開のビル。
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伝説の、初代のビル&サリーが目の前に!
これは...観たいですよね!!

ちなみに『ME AND MY GIRL』のシーンに関しては、こだまさんは
「『ME AND MY GIRL』は1年間同じメンバーで、ロングランとなった作品。同じ役に1年ずっと携わって、役と距離感もすごく近くなり、みんながそれぞれ役を作っていたものですので、曲を聴いただけでも作品の気分になるところがあります。(披露するシーンでは)剣さんと目が合う瞬間がすごく久しぶりにあります。その振りがついた時に私はすごく鳥肌が立ちました。手を差し伸べる振りなども幸せだなと思いながら踊らせていただいています。デュエットダンスは...ちょっと重いかな(笑)...だいじょうぶかな...華奢なウタコさん(剣)にあまりご負担をかけないよう、なぎ倒さないように(笑)、素敵な場面になるよう頑張ります」と意気込みを。

さらに安寿さんからも
「私たちも今回初めて『ME AND MY GIRL』に参加させていただきます。1曲歌わせていただくし、『ランベスウォーク』をみんなでやるのも本当に楽しくて、やっぱりロングランされた素晴らしいミュージカルだなと思います。その一端を私たちがになうことができてすごく嬉しいです...本当に嬉しいです」と熱いコメントが!


そして後半は、安寿ミラさん&森奈みはるさんの花組で上演された『ファンシー・タッチ』から2曲、『ベサメムーチョ』『マンボ』
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当公演『SUPER GIFT!』の構成・演出も務める、三木章雄が作・演出をした作品です。
三木先生のファンシー・シリーズは現在も続いており、今年雪組で上演された『ファンシー・ガイ』も記憶に新しいところ。
(ちなみに『ミーマイ』も再演からは三木先生が潤色・演出を担当しています)

安寿さんも、森奈さんも色っぽいです!
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このシーンについては、安寿さんが
「私はロンドン公演でもやらせていただきましたが、やっぱりみはるとやったものがすごく印象が残っています。『マンボ』は久々にあんなに激しい曲を踊るのかとびっくりしたのですが、振付も名倉(加代子)先生が新バージョンでとても素敵なものをつけてくれました。久々に踊っています。5分で汗をびっしりかきました(笑)」と話してくれました。

森奈さんからは
「『マンボ』は私は実際には踊っていなかったのですが、今回安寿さんと一緒に踊らせていただきます。踊っているヤンさん(安寿)がカッコいいなと思って見ています。そして頑張って踊ろうと思って出て行くと脚が絡まって、まともにまだ一回も踊れていないんですが(笑)、頑張ります」とキュートな意気込みでした。
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『マンボ』ではこの方の迫力の歌声も。
姿月あさとさん。
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姿月さんの歌で踊る安寿さんの笑顔の素敵なこと...!
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同日に行われた、囲み取材の模様もお届けします。


「梅田芸術劇場10周年の公演。わたしにとっても久々に懐かしい宝塚のナンバーを、皆さんの前で演じることを、とても楽しみにしています」
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安寿「20年前に森奈と退団公演をさせていただきました。20年ぶりに、まさかまたふたりであの歌を歌うとは思ってもみませんでした。懐かしんでくれる方々もたくさんいると思います。頑張ります」
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こだま「やっぱり宝塚は私にとってベースであって、ここで学んだことがあって、今の自分があると思っています。懐かしい場面の再現があったり、今の自分を見ていただけるような場面もたくさんあります。楽しみです」
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森奈「今回たくさんの上級生の方をはじめ懐かしい方たちや、下級生、そして安寿さんと20年ぶりにご一緒できることを本当に幸せに思っています。その幸せを噛み締めて、失敗しないように(笑)、頑張りたいと思います」
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――剣さんと安寿さんに。退団して女優として活動し、改めて男役時代にやってきた役、場面に取り組む。新しい発見などあるか。

「新しい発見はありますね。宝塚の作品の中でしか自分を表現してきませんでしたから、その中で自分なりの芝居の仕方を考えてやってきましたが、宝塚を辞めて色々な作品に出させていただいて、もう一度ちゃんと役を捉えるとはどういうことをかを考えてやってきました。そしてもう一度ふたりでコンビを組んで、この感覚で歌を歌うと「なんで昔、こういう風に考えてやらなかったかな」みたいなこともいっぱい出てきます。それと同時に、今やるととっても恥ずかしいというのもあります(笑)。でもやっぱり辞めて20何年かたちますが、そのあいだに自分が積み重ねてきたものを、もう一度そこに反映できたら」
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安寿「宝塚をやめて色々な役をやっていくうちに、あの時どうしてあんなにカチカチで歌っていたんだろうと思うものがあります。今回は女優が演じる男装。歌い方も柔らかくなったような気がします。それは新しい発見です」


――こだまさん、森奈さんも、改めてコンビを組む心境を。

こだま「退団したその日から、まったく違う道を歩んで、またご一緒して。やっぱり変わっている部分もお互いにあるのですが、その場面になったら醸し出す雰囲気と空気は変わらなくて。すっと入っていけちゃうのはなぜでしょう。ちょっと恥ずかしいというのはやっぱりありますが、(剣さんが)当時の空気をぱっと出してくださいます。女役というのは男役さんの出された空気に添っていくものなので、ちょっと心配もありましたが、こんなに自然にふわっと寄り添えたりできるんだな、不思議だなと思ってます」

森奈「女優さんとしてのヤンさんをみると、全然劇団時代とは違う。でもいざご一緒させていただくと、本当に一瞬で昔に戻れる。隣に立っていることが幸せだったり、自然に立てる、ということがあります」
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――コンビを組んだときに、男役・娘役に戻る"スイッチ"のようなものを感じるか。

「私は(スイッチを)入れています。入れないと出来ないですね。でもミミ(こだま)も、みはるちゃんも、今と宝塚の娘役は違うと思うんです。娘役と女優という差は絶対あるし、それぞれ女優として色々なことをやってきたと思うのですが、彼女たちも娘役にならないといけないし、我々も男役にならなきゃいけない。ただ、その当時の曲を聴いたときに、ふっと戻るというのはありますね。でも私、無理やり入れてます(笑)」

こだま「無理やり(笑)。でも両方入れないとだめですね。恥ずかしいって思っちゃうと「わああ!」ってなっちゃう」
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安寿「私たち全然違う...(笑)。何にも入れてないですね。スイッチ全然入らないんですよ。でも無意識に入っているのかもしれませんが。「よし、これから男役!」というのは全然ないですね」

こだま「でもふたりで踊ってるところをみていると、すごいヤンがリードして...」

森奈「いつも人生的にリードしてくれているので(一同笑)」

「あぁ、それだよきっと。人生的にだよここ(安寿&森奈)は。うちはしっかりしてるからミミが(笑)」
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――第一幕は懐かしく、二幕は今の皆さんの姿が楽しめる構成とのこと。みどころは?

安寿「前回のOG公演『DREAM,A DREAM』でウタコさんとご一緒させていただいたのですが、その時も、ウタコさんの同期であり、私の一代前の(花組)トップでした大浦みずきさんの懐かしい曲をウタコさんが歌われて、私が踊るという場面がありました。今回もなつめさん(大浦さん)のすごく大切な曲をウタコさんが歌われて、私が踊るというシーンがあります。なつめさんを思いながら踊れたらなと思っています」

「二幕はそれぞれ卒業したあとにやった公演や、思い出深い歌を、みんなそれぞれ魅せる、聴かせるところがあります。バラエティに富んでいると思います」



キメポーズは『ミーマイ』風のお辞儀でした!
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取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)


【公演情報】
9月12日(土)~27日(日) 東京国際フォーラム ホールC(東京)
10月3日(土)~8日(木) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)

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