今回は満島真之介さんのインタビューコメントをお届けします!
★満島真之介さん INTERVIEW★
■本作品と、ご自身が演じられる「弟役」に対して、どうアプローチされたいと考えてらっしゃいますか?
自分自身が、熊林さんと麻実さんとご一緒した作品(「おそるべき親たち」)で、この世界でのデビューが始まっていること、そこから今までに得てきた経験と、その時に感じていたような信頼関係が合致すれば、とても大きな力が生まれる気がしているので、不安はあまり感じていません。
でも、なぜか自分の人生にとってこの作品はひとつの分岐点になるような気がしているんです。まずは稽古が始まるまでの生活を日々しっかり生きていきたいなと思っています。
今まで演じてきたのがアグレッシブな役ばかりだったので、病気を抱えている人の役をやるにあたっては、「静」の人生がどういうものかをみんなと話しながら、誰しもが持っている「動」と「静」を共有しながら、自分の中にある「静」の部分をどんどん見つけていきたいなと思います。
自分がいつ安らぐのか、呼吸だけを感じて穏やかになれるのはどういうときか。静かな幸せに満ちた瞬間が生活の中でどこに潜んでいるのかを探すこと。そうすると多分、自分の中の「静」の部分が役の台詞をもらって喋ることによって、役と自分が融合していくような気がします。
役的にも、ただ暗いものにはしたくないなと思っています。光を求めているけど体がついていかないだけで、心の中にはキラキラ光る人間本来の生きるパワーが宿っているような、人物を描けるといいなと思います
■「分岐点」とおっしゃいましたが、ご出演にあたって、今どんなお気持ちですか?
本当に楽しみで、ワクワクしています。みんな顔見知りで一緒に作品を作ってきた仲間ばかりなので、そこに入って、いっぱい引き出しを開けていけたらなと思います。こんなに楽しみなのは久しぶり。今の自分のすべてを出せるはずです。
あとはどういう作品になっていくのか。俳優にとってはこの作品をやることはかなり幸せで、責任のあることだなと思います。戯曲だけれどもノンフィクションのような作品なので、時代が違えど、生きてきた人が言葉に残したものを自分の魂に響かせたいと思います。ワクワクの中にも緊張感はありますけど、それさえできればきっと大丈夫だと思ってます。
■あらすじだけを読むとドロドロとしてそうな印象を受けますが、心の中に「キラキラ」したものを持った弟を演じたいということで、ご自身としてはこの作品をどういう風に見ていらっしゃいますか?
作品に描かれているテーマの中に、普遍的なものはたくさんあると思う。母と子、父と息子、兄弟の関係だとかが、密に描かれすぎてるから暗く見えるだけで、ふとした光は常にある気がします。暗い中に、たまにぽつんと光るきれいなものが家族の生活にはあると思うので、「本当はちゃんと愛してるんだな、愛情が強すぎたからこうなっちゃったんだな」とか、愛が根底にはあるというのが関係性の中から見えるといいなと思います。
■ご覧になられるお客様に対して、どんな自分を見てもらいたいですか?
「動」ではない「静」の自分自身を、僕自身でもあまり見たこと無くて、どういうことになるか分からないんですけど、新たな自分が見える気がするので、それもひとつの楽しみにしていただきたい。分岐点と言いましたけど、「終わりの始まり」のような、新しい人間が生まれ変わるような感覚が生まれそうな気がします。それを一人でも多くの人が目撃してくれたら嬉しいです。
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