『デスノート THE MUSICAL』楽曲披露イベントレポート

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世界が注目する人気漫画『デスノート』をミュージカル化する『デスノート THE MUSICAL』、開幕も3週間後に近づいて来ました!
どんな作品になるのかと開幕を楽しみにしている方も多いと思いますが...
去る3月16日、都内にてその作品世界の一端を垣間見る<楽曲披露イベント>が開催されました。
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★ひと足先に配信したニュース記事はコチラ

このミュージカル、音楽を担当するのはブロードウェイの第一線で活躍する作曲家、フランク・ワイルドホーン
ワイルドホーン作品は日本でも人気が高く、『ジキル&ハイド』をはじめ『ルドルフ ザ・ラスト・キス』『スカーレット ピンパーネル』『シラノ』『MITSUKO』『ボニー&クライド』等々、数多くの作品が上演されています。
『デスノート THE MUSICAL』もまた、ワイルドホーンらしい、キャッチーな音楽になっていそうです。
その楽曲を歌うキャストも、主人公の夜神月に浦井健治柿澤勇人(Wキャスト)、L役に小池徹平死神リューク役に吉田鋼太郎死神レムに濱田めぐみ...と、最強の布陣が結集!

さて、この日は劇中ナンバー5曲が披露されました。


♪『できるものなら』~『デスノート』
作品冒頭で、高校生の夜神月がデスノートを拾います。
名前を書くとその人物が死ぬと記されたノートに、半信半疑で犯罪者の名前を書き込むライトですが、実際にその力を目の当たりにし、このノートで悪を裁こうと決意していきます。

浦井ライト、ノートを拾いました。
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ノートの力に慄きながらも、このノートで正しい世界が作れる、それは自分にしかできないと決意を固めていくさまを、繊細かつ力強く歌い上げます。
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同じく『デスノート』を、今度は柿澤ライトで。
柿澤さん扮するライトは、まだこのシーンでは怖れが強く出ているようで、そんな違いにもWキャストの楽しみが感じ取れます。
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♪『恋する覚悟』
人気アイドル、弥海砂のコンサートで歌われるナンバー。
ミサに扮するのは、唯月ふうかさん。
現役ピーターパンでもある若き実力派は、アイドルらしいキラッキラのステージングもキュートにこなします
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そしてこのコンサート、なぜか死神リュークが乱入!
リューク役は吉田鋼太郎さん。
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客席を煽っていますが...死神の姿はデスノートの持ち主にしか見えないという設定ですので...。
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ミサのスカートを覗き込んだり、やりたい放題です。
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DJ風にノッてみたり...。
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吉田さんの豪放磊落なイメージと妙にマッチしていて、取材陣からも笑いが起こったシーンでした。


♪『死のゲーム』
こちらはライトと同じ大学に入ったLが、その入学式で自分がLだと告げるシーンです。
ライト(キラ)vs Lの対決の構造が露わに。
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謎に包まれた世界一の探偵・Lは小池徹平さん。
小池さんの、高めのトーンなのに落ち着いている声質が理知的に響き、Lとしてとっても似合いそうで期待感が高まるのです...!
上目遣いの目線も、この稽古着の長TもLっぽいですよね。
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♪『愚かな愛』
こちらは濱田めぐみさん扮する死神レムのナンバー。
自分のノートを持つ少女ミサはライトを一途に思っていますが、その純粋さに惹かれ、死神でありながら彼女を助けたいと思ってしまうのです。
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そしてこちらのナンバー、ザ・ミュージカル! ザ・ワイルドホーン!な、美メロなバラード。
さらに、ミュージカル界屈指の歌姫・濱田さんの独特の歌唱が活きる節回しが印象的で、おそらく濱田さんが歌うことを想定して書かれたんだろうなあ...と、思わせる楽曲でした。
世界初演ならで感が、ひしひしと...!
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♪『正義はどこに リプライズ』
この日最後に披露されたのは、1幕ラストのビッグナンバー。
救世主キラを崇める人々、自らを新世界の神だと確信するライト、キラを捕まえることを誓うL、三者それぞれがみずからの正義を信じ"我こそ正義"と歌い上げます。
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様々な立場の人がそれぞれの(異なる)思いを同じ言葉で歌い上げる...という複層的な構造は、たとえば『ウェスト・サイド物語』の「Quintet」にも代表される、ミュージカルが得意とする表現方法。
大迫力の歌唱に、気持ちも高ぶります!
「ミュージカル版デスノートならでは」のスゴいシーンが生まれそう!!


キャストの皆さんのキャラクター造形、そしてワイルドホーンの音楽、ともに本番の舞台が楽しみになった、楽曲披露会でした。


イベント後は、浦井さん、柿澤さん、小池さんのインタビューも。
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――今回、世界初演作に挑むにあたり

浦井「世界初演作で、ワイルドホーンさん作曲、栗山民也さんの演出。日米合作で稽古が進んでいますが、双方の熱い思いを稽古場で我々役者もひしひし感じながら取り組んでいます。「オリジナルキャストという誇りを持って取り組んで欲しい」とワイルドホーンさんが仰ったのですが、そういう気持ちで挑んでいます」
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柿澤「作曲のワイルドホーンさんが、ブロードウェイの俳優はオリジナルキャストになることを夢見て日々努力して切磋琢磨して頑張っていると仰っていました。これは世界初演のオリジナルプロダクションですので、僕たちは何がなんでもこれを成功させなければならないし、これが成功すれば世界各国で上演されるかもしれない、そういうことに誇りと自信を持ってやりたい。またこの作品の舞台は東京ですので今までにないミュージカルになると思いますし、栗山民也さんを信じてついていきたいと思います」

小池「原作、アニメ、映画がヒットしてた中で今回のミュージカル化です。一からの制作で、みんなで試行錯誤しながら、新しい楽曲と取り組みながら、日々を重ねて少しずつ形になってきました。このオリジナルキャストでよかったなと思えるような雰囲気でもあります。本当に頑張るしかないなという気持ちなので、このキャストで頑張りたいと思います」


――現代日本を舞台にしたミュージカルは珍しい。その点での苦労は

浦井「歌詞に『ハチ公』とか『渋谷の交差点』とか出てくるのですが、例えばここのお稽古場に来る時に、その場所を見ながら来ると臨場感がありますし、誰にでも起こりうる状況なんだなという錯覚に陥るくらい、すごく身近に感じます。最近の日本で起こっている事件のニュースなどと照らし合わせても、普通の若者である夜神月がどう転んで堕ちていって狂気じみていってしまったのか...というのは誰にでも起こりえる状況だと思えます。普通であればあるほど痛々しく恐ろしいんだなというのを考えさせられますし、それは日本という国が設定だからゆえ身近に感じる恐ろしさもあります」

柿澤「日本が舞台になる作品は本当に珍しいと思います。ミュージカルってわりと海外の作品を輸入し、翻訳をして上演することが多いので、例えばリアクション取る時も、(舞台表現的に)身振り手振りを大きくしてもそれが(外国人ということで)通用する部分があります。でも日本人の役だと、僕たちが学生だった時を思い出してもあまりそういう大げさなジェスチャーはしなかった。だから僕たちは東京の学生だった10年くらい前を思い出して、曲に流されずにやらなきゃいけない。作品は日本の僕たちを...若者を揶揄している部分があるんです。今、日本で起きている不可解な事件のことを暗示していたり、日本に今生きている人に突き刺さるメッセージがいっぱいあると思いますので、そこを見ていただきたいと思います」
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――自分の演じる役の魅力、またどう演じていきたいか

浦井「自分は原作の大ファンでしたので、どうしても「夜神月ってこう」というイメージがあったのですが、栗山さんにそのイメージはすべていらないから、いま目の前に起こっていることに対応して、新しいライトを作ってくれと言われました。イメージがあればあるほど、自分の中でそこに振り回されてしまっていたのですが、でも稽古で最後のシーンまで行ってようやく着地点が具体的に見えてきたかなと思っています。この座組の中で毎日朝から晩まで稽古して暮らしているうちに、役が肌に馴染んできた。今はライトという役がとても悲しい人物に見えてきたので、そういうヒリヒリした痛々しさを出していけたらと考えています」

柿澤「原作の漫画、アニメ、映画のライトのイメージがあると思うのですが、それに捉われないようにしたいと思っています。原作だったら例えば秀才で、退屈で、わりとまわりを馬鹿にしている...という面もあるのですが、僕が一番大事にしたいのは、普通の少年であったということ。それがデスノートを拾ったことによってどんどん心が揺れていって、最終的に悪になってしまう。栗山さんも仰っていたのですが、現実に起きている事件の殺人鬼と呼ばれている人たちって最初から悪だったのか、怪物だったのかというとそうではなく、環境に影響されたりした部分もあるんだと思う。本当に純粋な子がどんどん変わっていくその怖さ、それを上手く表せたら、今の世の中を映せるんじゃないかなと思うので、普通の感覚を忘れないようにしたいと思います」

小池「僕もLという人気キャラクターをやらせていただきますが、栗山さんからも徹平のLを作っていければいいと方向性を優しくご指導いただきました。自分もだいぶLに馴染んできたかなという感覚もあります。わりと僕は普段、あまり役を引きずらないのですが、今回はすごくずっとLのことを考えています。私生活もちょっと暗いな俺、部屋の電気もいつもより暗めだな、と思うことが多い(笑)。いい具合に役と向き合えているなと思っていますので、このまま頑張りたいです」
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――最後に意気込みを

浦井「このカンパニーで『デスノート THE MUSICAL』を世界初演でやれることをとても誇りに思い、幸せに思っています。アットホームでオンとオフの切り替えがとても上手い現場で、それが舞台上でも緩急という形で出てくるとも思いますし、Wキャストの柿澤君とは本当に親しくしてもらって信頼関係が築けているがゆえにシビアな部分がちゃんと話せますし、Lの徹平君とも目で対話できるようになってきている。ちゃんと信頼を寄せながら...リュークの吉田さんに食われないように(笑)、頑張りたいと思います」

柿澤「舞台版ならではの『デスノート』を世界初演で成功させたいなと思います。原作の持っているメッセージもそうなんですが、今この世の中に訴えられるメッセージもたくさん含んでいますので、まずは東京・日生劇場で成功させて、『デスノート』のエネルギーを東京中にぶちまけたいなと思います」

小池「僕はこのベテランふたりに囲まれて安心しきっています(笑)......安定感のあるふたりなので、すごい任せてます。でもやれることはしっかり話し合って、どんどん良くなってきていると思いますので、みなさん本番を楽しみにしていただければ」

取材・文・撮影:平野祥恵

【公演情報】
4/6(月)~29(水・祝) 日生劇場(東京)
5/15(金)~17(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
5/23(土)~24(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

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