酒場の演劇論
ワンorエイト、
凄い劇団です...
毎晩飲み会です。
拡張でも何でもなく、
本当に「毎晩」飲みです。
僕は流石に金銭的にキツいのもあるし、それ以上に内臓に対する負担も相当なものなので、極力参加しない方向でいるのですが、
やはり芝居がダメな日にはそのまま帰る訳にはいかず、
結局毎晩飲みに行ってます...
完全に彼女に呆れられてます...
僕の彼女はダンサーなんですが、そんな彼女からみればプロとしてあり得ない有様でしょう。
恥ずかしながら全くその通りです。
10年ほど前になるでしょうか、僕もとあるミュージカルで地方を回った事があるのですが、
いゃぁ、本当に楽しかった。
毎週金曜夜に現地入りするのですが、そうするとその夜は必ずドンチャン騒ぎ。
歌手の人達は参加せず、部屋に戻って寝てしまうんですが、それ以外のダンサー、オーケストラ、そして役者のみんなで宴会が始まります。
ひどい人は夜を徹してベロンベロンになるまで飲みあかします。
で、翌朝、
ダンサーの人達はそれでも集合時間の一時間前にはちゃんと劇場に到着していて、入念なウォーミングアップをしてます。
オケの人達もそれなりにみんな集まってきて、それなりに準備をしている。
ところが、役者だけが時間になっても集まらない...
そのうちゲネプロの時間になってもまだ誰かいないと言う事になりいよいよ騒ぎは大きくなる。
「やばい...Kさん、まだ寝てんじゃねえか...」
で、Kさんの携帯に電話してみると案の定まだ布団の中...
ゲネプロ始まっちゃったって言うタイミングでようやくKさん登場。しかも半端じゃないくらい
酒臭い...
で、Kさん、その動線のまま舞台に上がり渾身のセリフを吐く訳です、
「出港の!準備だぁぁー!」
まさに間一髪、綱渡りの演技とはこの事かと逆に感心したもんです。
しかもこれが私語も含めてKさんが今日初めて発した言葉であることは間違いありません。
しかも物凄い絶叫!
歌手やダンサーからみたらあり得ない位のプロ意識の低さであることでしょう...
まったく恥ずかしい限りです。
やはり崇高なものをつくろうと思うならば、もっともっと自分を律して、ストイックに取り組むべきだと思ってます。
芸術家とはそうあるべきだとも思っています。
ところが演劇って、そうやってストイックに作り上げて行っても、
何故か成立しないんですよね...
なんか良くわからないんだけど、演劇って
無駄なものが圧倒的に必要と言うか、
役者一人一人が崇高なものを持ち込んで来ても、
じゃぁ、完璧なものができあがるのかと言うと、
決してそうとは言えないんですよ...
もちろん磨き上げられた技術と言うものは圧倒的に重要なんだけど、それだけではダメで、
泥臭さとか人間臭さとか、そう言ったものが加味されて、ようやく始めて何か形が出来てくる...
その為には効率良く稽古しててもダメで、
寄り道したり脱線したりする事がどうしても必要になってくる...
酒場の演劇論
ちょっと良い話しちゃったかな...
で、今日の飲み会のショット。
僕の言った真意は上手く伝わったでしょうか...
伝わるわけないなこれじゃ...