今月の歌舞伎「秀山祭」

☆かねこのぶろぐ☆


今月から新しい企画を勝手に考えました。
題して"歌舞伎を見に行こう"。
全く何の捻りもないまんまです。

さて今月は"秀山祭"。
初代中村吉右衛門の生誕百二十年を記念して、その俳名である「秀山」を冠して平成18年に始まった興行です。
その昼の部を見てきました。

今月一緒に見て下さったのは某テレビ局で映画関係のお仕事をしているYさん。
映画はもちろん、スポーツから音楽、はては小劇場も見るなかなかのエンタメ通です。
早速Yさんはイヤホンガイドを借り、筋書きを購入されてました。
準備万端ですね。
ちなみにイヤホンガイドでは、上演前から解説が聞ける(はずな)ので、事前チェックもおススメです。

昼の部は梅玉さん、魁春さんの舞踊「月宴紅葉繍」で開幕。
外は9月だと言うのに残暑が残る中、舞台はすっかり秋景色。
在平業平と小野小町が紅葉を眺めながら秋の風情を楽しむという趣向。
キレイな舞台です。

続いて「沼津」。
生き別れた親子の出会いと悲しい別れ、仇討ちに巻き込まれた庶民の悲劇が描かれています。
なんと言っても吉右衛門さんの十兵衛は楽しみのひとつ。
歌六さんの平作とのからみが見所ですね。
「沼津」を初めてみたというYさんは、
『登場人物がみんないい人。なのに辛い。
よかれと思ってした事だったり、しかたない状況におい込まれていって
結局誰かが命を落とさなければならなくなってしまう...。
最後、どうやってこの関係を収束させていくのかな?と思った時、思いもよらない理由で...』
と、いろいろ感想を話してくれましたが、この先はややネタバレもあるのでこの辺で。
あと、歌六さんの老齢な親父っぷりが、いい感じでした。

休憩を挟んで「荒川の佐吉」。
過去に佐吉を見て泣かなかった事がないので、今回もいつでも泣ける体勢で臨みました。
配役は、
仁左衛門さんの佐吉、歌六さんの浪人成川、孝太郎さんのお八重、染五郎さんの辰五郎、段四郎さんの仁兵衛、卯之吉は仁左衛門さんの孫の千之助ちゃん。
物語はざっくりこんなお話。
やくざに憧れ子分となった男(佐吉)がなりゆきで盲目の赤子・卯之吉を男手ひとつで育てる事になり、苦労を重ねる中でいつしか本物の親子のような絆が深まっていった。
だが、時がたち、とある事情から最愛の卯之吉との別れる決意をした佐吉は...。
東京の下町を舞台に、佐吉を取り巻く男達との友情や男気が描かれています。
また、千ちゃんが盲目という難しい役を子供ながらに健気に演じていて、本当にかわいい。

さて、Yさんの感想を聞いてみると、
『不幸な卯之吉があそこまで素直な子供に育ったのは佐吉のおかげですよね。佐吉がどんどんいい男になっていくのも面白いし、"人としての強さ"を感じました』
と、やはりポイントは男のようですね。

「沼津」とは違って「荒川の佐吉」にはちょっとどうよ?!と言うキャラの人間像もあってか『比較する楽しみもありました』
とも。
Yさん、なかなか洞察力が鋭いです。
そうそう、「沼津」では劇の途中で口上があります。
あと、1階の客席を役者が(演出で)回るのですが、こうゆう観客サービスも「楽しかった」と言ってました。

昼の部の最後は藤十郎の「万歳」。

4演目をたっぷり堪能してきました。

お付き合いいただいたYさん、ありがとうございました。

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次回の"歌舞伎を見に行こう"企画をお楽しみに♪

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