ロック☆オペラ『ザ・パンデモ二アム・ロック・ショー』開幕!初日前会見&ゲネプロレポート

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中山優馬さんが主演を務める、ロック☆オペラ『ザ・パンデモ二アム・ロック・ショー』が2021年9月18日(土)から、日本青年館ホールで開幕しました。

初日を前にした17日(金)、記者会見とゲネプロ(総通し舞台稽古)が行われ、作・作詞・楽曲プロデュースの森雪之丞さん、音楽の亀田誠治さん、演出の河原雅彦さん、出演する中山優馬さん、浜中文一さん、桜井玲香さん、水田航生さん、玉置成実さんが登壇しました。

この記事では、記者会見とゲネプロの様子を写真と共にお伝えします。

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ーーまずは、一言ずつご挨拶をお願いします!

森:オリジナルミュージカルを立ち上げるという作業は、本作で5作目。ブロードウェイでは、例えばキャロル・キングの『ビューティフル 』や、フォー・シーズンズの『ジャージー・ボーイズ』など、音楽の史実に基づいた話をミュージカル仕立てで紡いでいく作品があります。日本でもそんなオリジナルミュージカルが作れたらいいなと思って、本作を書きました。

ビートルズが初来日したとき、僕は中学1年生。校長から「武道館の周りにはいくなよ」と言われたんですけども(笑)、そんなことも物語の背景です。そこから日本の音楽はどんどん加速していき、それとともにいろいろな時代の流れが押し寄せていく。その中で、1人の少年が、ロックに夢を見て、夢と現実の間で揺れ動く。そんな物語を作れたらいいなと思いました。
 
今回、亀田誠治さんをお招きしました。まさに僕たちの肉となり血となっている先輩たちのロックが流れていて。亀田さんは、昭和の時代をモチーフにした素敵なロックを作ってくれました。格好いいです。どうぞお楽しみに!

亀田:3年前ぐらいに、雪之丞さんからお話をいただきました。「史実に基づいた音楽劇を作りたいから、亀ちゃん、腕を振るって!」みたいな(笑)。任せたよというのが一番ハードルが高いんですけども、脚本を読みながら、楽しく、たくさんの楽曲を手掛けさせていただきました。

コロナ禍ということもありまして、稽古場にはなかなか行けなかったんですが、キャストの皆さんが僕の作った曲を歌って、踊ってくれた時に、涙が出そうになることが何度もありました。パンデミックの中、エンターテイメントの力、音楽の力、演劇の力で、みんなを元気にできるのではないかな。この作品に関わることができて、大変光栄です。

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河原:いつも通り、いい演劇つくっています。それだけです。さきほど、ヘアメイクさんが「お肌、抑えましょうか?」と来てくれたんですけど、僕は現場の人間なので、僕は抑えないプライドをもって、ここに立っています(笑)。いい初日になるように頑張ります。

中山:やっとこの日が来たかというような気分です。稽古が始まって、どこか毎日不安を感じるような感覚はあったんですけど、早くこの世界を皆さんにお届けしたい、お披露目したいという思いは、本当に1日ずつ強くなっていきまして。
こんな厚底を履かせていただいて......今、この格好で皆さんの前に立てることが本当に嬉しいです。この世界を早くみなさんにお伝えしたかったです。この作品を上演している時間はですね、本当に苦しい状況や不安というものを拭い去れる時間だと思いますので、そういう時間をしっかりと提供できるように、一生懸命明日の初日から頑張っていきたいと思います!

桜井:本当に魅力あふれる作品。お話も見応えがあって面白いですし、音楽も素晴らしい曲ばかりで、どこを見たらいいのか分からないぐらい、見どころがたくさんある作品になっていると思うので、早く皆さんに見ていただきたいと思います。楽しみです!

水田:さっき優馬くんも言っていたんですけど、この格好がきょうから世間に広まっていってしまうんだなというドキドキとワクワクがあります(笑)。自分自身、こういう格好をすると、タイムスリップしたような気持ちになれて、この世界にのめり込むことができるので、見に来てくれた皆さんも、昭和のロックというものをたくさん吸収して、気持ちの良い、明るい気持ちになってくださるのではないかなと思います。
これまで、河原さん先頭に僕たちも稽古を重ねてきて、このご時世に演劇をできることに感謝をしつつ、最後まで駆け抜けるように、日々精進していきたいなと思います。

玉置:今回、雪之丞先生、亀田さん、そして河原さんという本当に大尊敬しているみなさんとご一緒できる、そして、新たなオリジナルミュージカルをいちから作れるということで、とても光栄に思っております。
そして、キャストの皆さんも一人ひとり全然違う個性があって、その個性がぶつかり合って、すごくパワフルな舞台になっています。みなさんに楽しんでいただけるように千秋楽まで楽しんでいきたいと思います。応援よろしくお願いします。

浜中:昭和の古き良き八百屋で唯一売れ残ってしまった、キノコ役を演じます。

中山:全然違う!そんな役ないから!ほら、河原さん、全然笑っていない(笑)

浜中:(笑)。みんなで楽しんでやって、はしゃいでおりますので、ぜひ楽しみに見てください!

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ーー本作は森雪之丞さんの自叙伝的にも感じる物語ですが、実際に扮装された中山さんを見ての印象はいかがでしょうか。期待することをお聞かせてください。

森:2人(中山さんと水田さん)を比べると分かるんですけど、優馬は、ハンサム系というか、昔サラリーマンの新入社員でもこういう格好をしていて、ヒールはここまでないんですけど、そこそこ厚い靴を履いている。でも、ルックスとかスタイルに自信がない人は、なかなかできない格好です。
それに比べて、航生の格好は、これ、実は僕はこんな格好していたんです。(水田さんと自分自身は)きれいさは全然違うんですけど、あまりルックスがよくない人間がこれを着ると、ただ汚いだけになっちゃう(笑)。(水田さんのように)きれいな男に生まれたかったと思います。

ーー本作は、中山さんが生まれる前の時代、昭和の音楽界が描かれています。豪華なクリエイター陣に囲まれて演じてみて、いかがでしょうか。

中山:本当に豪華さにまずはびっくりしました。本当に素晴らしい音楽と詞と本なんですけど、毎日の稽古の中で、河原さんの演出が加わると、日々進化する。

その進化を目の当たりにできて、こんなにパワーを持ったものだったんだと、毎日感じていましたね。本当に、豪華な日々を過ごさせていただきました。

ーー亀田さんは今回、初めての舞台音楽を担当されたわけですが、普段の音楽プロデュースとの違いはありましたでしょうか。また、苦労した点を教えてください。

亀田:音楽を作る者として、僕はよかれというものを自分の方から提供していく、提案していくということをしてきました。いい曲を書き、アレンジをすることは、舞台でも同じ感じでできましたね。

ただ、50代半ばにして、初めてミュージカルの音楽を担当させていただくというのは、運転免許を取りに教習場にも行ったにも関わらず、いきなり路上に出て運転をするような、それぐらいスリリングな展開で。素晴らしい役者さんたちと、河原さん、雪之丞さんという制作陣に囲まれて、スタートから最高の景色を見させていただくことができました。

自分の作った曲を、キャストのみんなが演じてくれることによって、「あぁミュージカルの音楽になるんだ、ありがとう」という気持ちになりました。今回、この作品に関われること光栄に思います。

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ーーコロナ禍での稽古は大変だったかと思いますが、キャストの印象はいかがでしょうか。

河原:まず、コロナ禍からいいますと、一番大変な時期だったんですね。感染爆発みたいに言われていた時期だったので、そういうこと触れずに稽古場に通うこと自体が、逆に不自然なぐらいだったから。

この長いコロナ禍で、僕も別のお芝居で稽古が止まったり、初日が延びたり、いろいろなことを経験しています。だから、明日誰か感染者が出て、急に稽古がなくなっちゃってもいいぐらいに、稽古場に集まれた時はすごく楽しくやるというお話をして。とにかく無駄に楽しくやっていた感じですかね。
こうして今ここまできましたが、明日できるかどうか、そういうことも思っていた方がいい世の中。(とりあえずは開幕するということで)幸せですけども、瞬間瞬間楽しんで作品をやれたらいいなと思います。

キャストの印象は、マスクを当然したままで、激しく歌ったり踊ったりするので、半分みんなキレていたというか(笑)。息ができないから、こんなマスクがペコペコするかというぐらい大変だったので、そんな印象ですよ。マスクぱかぱかしているなという(笑)。舞台稽古になって、マスクを外していますが、役者さん同士もマスクなしの状態の顔に慣れなきゃいけなくて大変だと思います。

ーー最後に上演を心待ちにされているみなさんに一言お願いします!

中山:昭和の時代を知っている方は懐かしいと思ったり、あったあったという出来事があったりすると思いますし、僕らの世代だと、こんな魅力的な時代があったのかという新しい発見があって、本当に楽しい作品だと思います。

愛すべきキャラクターが本当にたくさん出てきますので、楽しんでいただけると思います。こんな時代だからこそ、この上演中はですね、何もかも忘れて、大いに笑って楽しんでいただけたらなと思いますので、劇場でお待ちしております!

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【あらすじ】
1966年6月30日、ザ・ビートルズの来日に日本中がわいていた。中学生の楠瀬涼(中山優馬)は隣に越してきた"お姉さん"荒木三枝子(玉置成実)にロックを教わり、次第に夢中になっていく。三枝子が人気のグループ・サウンズ「ザ・カニバルズ」のボーカル・野村正嗣(浜中文一)と付き合いだし、失恋をした涼はますます音楽にのめり込む。

時は1973年、20歳になった涼は山下勝也(水田航生)、岡島大樹(汐崎アイル)、伊丹俊介(小松利昌)、真柳満(山岸門人)とロックバンド「THE REASON」を結成し、若者から熱狂的な支持を受けるように。そんな中、歌番組で姉妹アイドルデュオ「ウエハース」として活動する及川真実(桜井玲香)と出会い、互いに惹かれ合う。

だが、夢のような日々は、1980年12月8日、ジョン・レノンの射殺を契機にボロボロと崩れ落ち、やがて涼は悪夢と現実の間をさまよい始めるのだったーー。

作品の中では、ついつい口ずさみたくなるような楽曲はもちろん、時代を反映したファッションや、流行語を交えたセリフなど、"昭和"のあれこれが散りばめられている。1960年代後半〜70年代の同時代を生きたり、その時代のカルチャーに詳しかったりする人は、よりディテールを楽しめると思う。

とはいえ、平成生まれであっても、あの頃の世界観が年号表示と共に丁寧に描かれているので、十分に理解できると思うし、中山が語っていたように「新鮮さ」を感じるかもしれない。

ネタバレになるので、詳しくは書かないが、特に2幕以降は、河原の演劇的手法も相まって、怒涛の展開。最後の最後まで目が離せないと思う。

上演時間は、1幕65分、20分の休憩を挟み、2幕80分の計2時間45分。お見逃しなく!

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取材・文・撮影:五月女菜穂

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