【舞台「新・幕末純情伝」FAKE NEWS】河毛俊作×味方良介・対談「『新・幕末純情伝』が一番カッコいい」

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今年も、舞台「新・幕末純情伝」FAKE NEWSが7月7日(土)から30日(月)まで東京・紀伊国屋ホールで上演されます!

つかこうへい氏の代表的作品のひとつでもある「新・幕末純情伝」は、幕末の京都を舞台に「新撰組の沖田総司が実は女だった」というところから始まる物語。1989年8月に渋谷のPARCO劇場で初演されて以来、上演され続ける人気作です。

※詳しいあらすじなどはコチラ▶▶https://shin-bakumatsu2018.com/

紅一点の主人公・沖田総司はこれまで広末涼子さんや石原さとみさん、前作では松井玲奈さんが演じてきた役で、10代目となる今回は、NGT48を4月に卒業したばかりの北原里英さんが演じます。

そんな沖田総司の相手役・坂本龍馬を演じる味方良介さん、演出を手掛ける河毛俊作さんにお話をうかがいました!

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■古典芸能ではなく新しいものとして

――味方さんは前回、桂小五郎役で出演されて、2度目の出演ですが、今、何を感じていますか?

味方 楽しみと恐怖ですね。それはもちろん今回、坂本龍馬役をやるということもあるのですが、夏の暑い時期にこれだけの芝居をフルスロットルでやる怖さもあります。物理的に大丈夫かなっていう(笑)。

――それは桂小五郎役とは桁違いということですか?

味方 そうだと思います。前回、龍馬役を演じる石田明さんがヘロッヘロになっていたのを見ているので。年齢的には僕のほうが若いですが、それでもどうなるかなと思っています。それと僕は意外と女性との(恋愛を描かれる)役どころが今まであまりなかったので、そこがどういうやりとりになるのかは楽しみですね。

――相手役の北原里英さんはどんな印象ですか?

味方 まだちゃんとお話しできてないんですよ。でもNGT48でキャプテンをやられていた方なので。あの人数を引っ張っていく力は相当だと思いますし、ガッツのある方なんだろうなと思っています。

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――河毛さんはこの「新・幕末純情伝」をどんな作品だと思われていますか?

河毛 これはつかさんご本人の言葉ですが「俺は型がひとつしかねえんだ」「女が一人いて、男が二人いるんですよ。それでその男がネチネチネチネチ女をいじめるんですよ」とおっしゃっていて(笑)。確かにそのひな形は全てに通じていますよね。その中でも僕は「新・幕末純情伝」が一番カッコいいと思っているんです。「飛龍伝」もカッコいいんだけど...わかりやすく一番カッコいいのがこの作品だと思っています。

――そんな作品を今回、どう演出したいとお考えですか?

河毛 この作品はいろんなパターンがあるのですが、今回は、前作で岡村(俊一)さんが演出したものとは違うパターンにしようと思っています。それが僕なりの「新・幕末純情伝」になっていけばいいなと。つか作品には歌舞伎のような(脈々と受け継がれている)ところがあるけれども、それでも元の文脈から今の時代に適合するものをどれだけ掘り出して、今の若い人たちが感じている閉塞感や世界の状況にどれだけぶち当てられるか、ということは意識したいんですよね。「古典芸能」として見てもらうのじゃなくて「新しいもの」として見てもらいたい気持ちはあります。

――新しいとは「つか作品として」ということでしょうか。

河毛 そうです。そのぶん難しいのは、古典芸能として押さえておかなきゃいけないところがあるということ。そうしないとつかさんじゃなくなっちゃうから。でも今みたいな混迷した時代には、つかさんの作品ってリアルなんじゃないかと思うんですよ。(この作品が生まれた)80年代、90年代はまだ日本がバブル景気で、右肩上がりで成長期で、「明日はもっとよくなる」と信じられていた。そういう時代だからこそ「お前らそんなボヤッとしてていいのか」というつかさんの一石があったわけですが。今は逆にこのお話がリアルなものになってきちゃっているんですよね。「幕末」という言葉ももはやファンタジーじゃなくなってきている。そういう時代にやるからぶつけられる、リアルなものがある気がしています。

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■今の時代に見るつか作品の言葉たち

――まさに今の時代を生きる味方さんからは、この作品はどう見えていますか?

味方 この答えが質問に合っているかわからないのですが、つかさんの舞台に出てくる言葉たちっていつの時代にも変わらないカッコよさがあると思うんです。誰もが「そうだよね」って頷く言葉がある。でも、今の時代に生きる僕には、そこに加えて「それを言えること」自体がカッコよく感じるんです。今は特に言葉に規制もかかっていて、言えない言葉も多いじゃないですか。河毛さんがおっしゃった「閉塞感」を感じながら生きている。そういう部分で、僕らが今求めてるものとリンクしているのかなと思います。

――そういう言葉って、長くやり続けられた作品だからこその部分もあるのでしょうか。今これがいきなり生まれることはないんじゃないかとも感じます。

河毛 ご覧になる方もメディアも「つかさんの作品だから」という部分はありますよね。それはつまりつかさんに守られているということで、クリエイターが言うには恥ずかしいことなんですけど、でもやっぱりつかさんが築いた、つか作品だから許される言葉はあると思います。そこ前提で観てもらえる、という意味で。

味方 演じるほうは、言いたくなる台詞がたくさんあるんです。『これ言いたいな』『言ったらどんな感じなのかな』って。

河毛 普通だったら一生言わない台詞の連続だよね(笑)。

味方 そうですね。だからこそ覚えるのも楽しいし、染みついたときに「この裏には何があるんだろう」って考えるのも楽しいです。

河毛 つかさんは「正しい人間が正しいことを言ったところで客は感動しない」とおっしゃっていました。散々あくどいことをやってきた人間が、最後の最後に正しいことを言うから客は感動するんだと。そもそもつかさんの芝居って、ある人にとってはいい人が、別の人にとっては悪い人だったりしますからね。そういうところがつかさんがお書きになったものの人間臭さみたいなものだと思います。

――そういう台詞を言うのは難しそうですね。

河毛 でも僕、ここ2、3日で急に思ったんです、つかさんの台詞ってラップなんじゃないかって。つかさんの芝居って、最初は普通の会話なんだけど、スッと話の相手が変わるじゃないですか。もはやその人にしゃべってなくて、世界に向かって喋ってる。それって今の時代で言うラップですよね。社会への憎しみや悲しみをバーッと言葉に乗せて言うところも、つかさんの演劇に通じるところがあると思うし。だから俳優にはラップだと思って台詞を言ってもらうようにしてもらったらいいのかなって。そうじゃないと「なんで今こういうこと言ってるんですか」「私はなにに向かって言ってるんですか」って話になるから(笑)。

味方 (笑)。

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■嘘の中にあるリアルな心情

――今回の「FAKENEWS」というのは?

河毛 まず、沖田総司が女だったという設定自体がFAKENEWSじゃないですか。だけどそもそも歴史というのは勝った人によって語られるものなので、都合よくどこかにFAKENEWSが混じってるはずなんですよ、絶対に。本当はそんなにカッコよくなかったのに、歴史にはカッコよく書かれたりして。そして今現在、僕らも真実とFAKENEWSのチャーハンのような世界に生きてると思うんです。自分の信じたいものを真実だと信じ、信じたくないものは嘘だと思えちゃうのが今の時代ですしね。

――そうですね。

河毛 この「新・幕末純情伝」もほぼほぼ嘘だけど、心情的にリアルな部分がたくさんある。実際の坂本龍馬も桂小五郎もこういうふうに思った瞬間があったはずだって思うんですよ。だって現実は、明治維新で残ったのって伊藤博文と山県有朋ですよ。西郷隆盛も死んで、大久保利通も死んで、桂小五郎も死んでる。結局最後は実務家がやるわけです。その時代を描いた「新・幕末純情伝」も、神話と現実の入り混じった世界をさらにエンターテインメントにしたものなので。そういう意味での「FAKE NEWS」です。

――その中にいる人を演じるのは大変なことですね。

味方 そうですね。台詞に「嘘を言う本当の力」がないといけないってことですから。

――河毛さんは味方さんになにを期待されていますか?

河毛 僕は彼の「熱海殺人事件」(17・18年/木村伝兵衛役)を観たのですが、今の時代に、まだ若くて、つかさんの言語をこれだけちゃんと言える役者がいるんだなと思いました。つかさんの台詞ってローなところからものすごい急角度で上がっていったりその逆だったり、傲慢さと情けなさを両方表せなきゃいけなかったりするのですが、そういうことが生理的に馴染んでる感じがしたんですよね。これは生まれついての向き不向きみたいなことで、どんな名優でも向かない人は向かないもので。かつての風間杜夫さんや三浦洋一さん、加藤健一さんがそうであったように、そういうDNAをなぜか知らんけど持って出てきちゃった人なんだなって(笑)。

味方 (笑)。嬉しい話です。

河毛 でもこれ、ほかのとこではあまり役に立たないけど(笑)。

味方 あはは!

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――最後に読者の皆さんに一言お願いします。

河毛 お馴染みの作品ではありますが、やっぱり今まで観たことないものをお届けしたいというのが僕の気持ちです。そして初めて観た人にも「おもしろい」と思ってもらいたい。今の時代にストレートにぶつかる「新・幕末純情伝」にしたいです。

味方 日本で生まれたこの作品を、僕ら若い世代が未来に繋げていくために全力でやるので。ずっと残っていく作品だと思いますし、一度は観ておいてほしいです!

公演は7月7日(土)から30日(月)まで東京・紀伊国屋ホールにて。

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取材・文:中川實穗

撮影:石阪大輔

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