2018年2月26日アーカイブ

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3月3日(土)に開幕するミュージカル「ジキル&ハイド」

作品の面白さは既にご承知の通りだと思いますが、2012年版から3度目の主演を務める石丸幹二さんをはじめ、娼婦ルーシー役の笹本玲奈さん、ジキル氏の婚約者エマ役の宮澤エマさんと、日本ミュージカル界で屈指の歌唱力を誇る3人の豪華競演も話題の作品です。

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医師として理想を追求するも、分裂する人格を制御しきれず、愛と欲望の挟間で深く苛まれる主人公を中心に、人間の持つ"光と影"、"表と裏"を描いた本作。げきぴあでは、稽古場の潜入レポートを前編・後編でお届け中!

詳しいストーリーはコチラ&今作の概要は前編に。今回は、前編で紹介した理事会のシーンに続き、婚約パーティーのシーンの稽古をお届けします!

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さてさて...ジキル博士(石丸幹二)とエマ(宮澤エマ)の婚約パーティー。実寸でお芝居をするのはこれが最初だそうで、「とりあえず1回やってみましょう」とシーンが始まりました。

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このシーンは、ほとんどのキャストが登場し、それぞれの関係性が表れる情報たっぷりの場面。だからこそでしょうか、演出の山田和也氏からも、主要キャストはもちろん立ち話をしているキャスト達まで、丁寧な演出が入っていました。

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例えば理事会の面々を通して描かれたのは、エマの利発さや社交性。彼らが声高にジキル(パーティー主役なのに!)の悪口を言っているところで、友人のアターソン(田代万里生)はどうにも太刀打ちできませんが、エマはそれをやってのけます(見ていてスッキリするシーンです!)。

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エマの結婚に必死で反対するストライド(畠中 洋)のシーンでは、エマの反応にも彼女の性格がよく見えるんですよね。このシーンに限らずではありますが、例えば数歩歩く、ただそれだけの姿にもエマの"自分の意志"を感じさせる、宮澤さんのお芝居が素敵です!

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ほかにもアターソンがジキルに、エマの父親(ダンヴァース卿/福井貴一)に余計なことを言わせないために必死でお喋りする姿からはアターソンの人柄、そしてジキルの人柄も感じますし、理事会の人々の様子を遠巻きに見ている招待客の反応からも、さまざまな情報が得られます。

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そんな中でも愛がギュギュッと詰まっているのが、ジキルとエマのシーン。

ジキルは自分の婚約パーティーにすら遅刻して来ますが、それを責めることなく、だけど拗ねてみせるエマは、なんともやさしい人。理事会で人体実験を否決され失意に沈むジキルはそんな彼女に本音・弱音をこぼしますが、これもまたエマの前だけの姿なのだということが、言葉がなくともスッと伝わってくるんですよね。何も疑わず「エマは理解してくれる」と思っているジキル、そんなジキルを受け止めるエマに、ふたりの積み上げてきた時間も感じられます。このときの石丸さんの芝居は、他のシーンにはない素直さや弱さがあってとても魅力的、そしてかわいらしくうつりました!

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そこで始まるのがふたりのデュエット「ありのまま」(稽古場で口ずさんでいる方がとても多かった曲です!)。それはそれは見事なハーモニーが披露され、稽古場はうっとりとしたムードに。さらにこの日の稽古では"振り"にもたくさんの想いが込められていることがよくわかりました!

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振りからも、お互いを大切に扱っている様、そして心が通じ合っているからこその滑らかな動きが伝わってくるように、動きを何度も確認し合いながら進めていくふたり。メロディや歌詞と合わせた動きがベースですが、ところどころ振付の先生から「気持ち的には離れられないよね」と動きの変更も。こうやって、歌だけでなくその動きからもふたりの想いが染み込むシーンがつくられるのですね。歌い終わった後には自然と拍手が沸き起こっていました!

その後の、エマと父親(ダンヴァース卿)の会話も素敵なシーン。愛する娘が結婚していく寂しさ、夫となるジキル博士への(理事会メンバーとしても抱える)気がかり、そして娘の幸せを祈る気持ち...そんないろいろな気持ちが短い場面にギュッと込められています。ダンヴァース卿を演じる福井さんは、ともすれば父から娘への心配とも受け取れるシーンで、信頼がベースにある芝居を提案。その結果、とても温かなシーンがつくられていました。

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......と、げきぴあが潜入したのはここまで! ストーリー的にはこの後が怒涛の展開ですが...この続きはぜひ劇場でご覧ください!!

公演は3月3日(土)から18日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、3月24(土)・25日(日)に愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、3月30日(金)から4月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。

取材・文:中川實穗

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ラサール石井が構想10年の時を経て舞台化したオリジナルミュージカル『HEADS UP!』

2015年の初演時は、そのストーリーの面白さ、ミュージカルとしての質の高さが大きな評判となったこの作品がパワーアップした再演版として昨年末から上演中。全国ツアーを経て、いよいよ3月2日より東京凱旋公演が登場します。

哀川翔、橋本じゅん、青木さやか、池田純矢、今拓哉、芋洗坂係長、大空ゆうひ ら、バラエティ豊かな顔ぶれも魅力ですが、初演に引き続き新人舞台監督の新藤祐介を演じる相葉裕樹さん、劇場付き雑用係の熊川義男を演じる中川晃教さんのおふたりに、作品の魅力について、たっぷり伺ってきました。

◆ストーリー◆
ミュージカルファンなら誰もが知る "あの名作" が1000回目の公演を迎え、華々しく終了したはず...だった。が、ベテラン主演俳優は某地方都市の古い劇場で1001回目を上演することを要求。誰も鶴の一声には逆らえず、上演することになったが、舞台美術は廃棄済み、キャストのスケジュールも押さえていない、スタッフも人手不足、演出家は理想のプランを頑として譲らず...。しかも、舞台監督はメインをはるのが初めての新人!
それでも、スタッフたちは、幕を開けようと必死に知恵を絞って奔走する。幸か不幸か、チケットは完売!観劇のために必死に都合を付けた観客たちが、期待に胸ふくらませて待っている!!
果たして幕は無事に開けられるのか...!?そして、主演俳優が「1001回目」にこだわった理由とは...?



◆ 相葉裕樹 & 中川晃教 INTERVIEW ◆

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●『HEADS UP!』が東京に帰ってきます!

―― 昨年12月の神奈川から始まった再演版『HEADS UP!』。富山・長野・大阪・名古屋を経て、3月には東京に帰ってきます。地方公演は、いかがでしたか?

中川「地方公演って、忙しいよね。タイトなスケジュールじゃないですか。もちろん本番はあるし、舞台稽古もあるし、(その土地の名物を)食べることもしなきゃいけないし...! 慌しいよね」

相葉「そうですね、ご飯は楽しみですよね。僕は富山で白エビを食べました! (哀川)翔さんについていったら美味しいものが食べられるんです(笑)。基本、毎日声をかけてくださいます。すべてにおいて翔さんは "兄貴" です。アッキーさんはどんなものを食べているんですか?」

中川「白えび、俺も食べました。俺は基本的に地方の美味しいものにパッといく感じかな。ちゃんと、食べてますよ(笑)」

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●『HEADS UP!』は "舞台愛" に溢れたミュージカル

――『HEADS UP!』、2015年の初演が非常に評判が良くて、演劇関係者の間でも「観に行った方がいい!」と話題になっていました。まずは『HEADS UP!』の魅力について、お伺いしたいです。

相葉「あるミュージカルを上演する1日の裏側を描いた作品だということもあり、舞台愛に包まれている作品です。舞台監督や照明、制作、キャスト......誰にスポットを当てても共感できますし、お客さまも作品を上演する上で欠かせない存在ですから、その気持ちもきちんと描かれている。『チケットは売れている』という曲では、一生懸命働いて、スケジュール帳に「この日」って書いて、楽しみに舞台に観にくるお客さまのことを歌っています。それは実際自分が客として観に行くときの気持ちでもあります。そして普段触れ合っている作り手側の皆さんの熱い気持ちも、この作品を通して改めて知ることが出来て、僕はより一層、舞台が好きになりました」

中川「僕は役者としてこの作品に関れていることに意味を感じるんです。僕たちの仕事って、観に来てくださったお客さまが「いいものを観た」「楽しかった」「なんか元気になった! 帰りに美味しいもの食べよ」でも何でもいいのですが、前向きに元気になっていただけるようなものをお届けすることだと思うんです。今回僕が演じる熊川義男という役は、例えば『ジャージー・ボーイズ』のフランキー・ヴァリ役のように、その声を表現するとか、テクニックを磨くとか、誰もが知ってる楽曲を歌うとかではないんですが、"役者としての使命" に向き合う役だと思っていますし、自分が常にそれを感じながら仕事と向き合ってきたということに確信を持てた役です。今まで演じてきた役それぞれに、それぞれの "特別" はありますが、"舞台に立つ自分自身" という視点からの特別感を抱いたのは、この作品が初めてかもしれません」

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 2月22日(木)に『熱帯男子』が開幕した。歌と踊り、恋物語にワクワクしながら、友情、故郷への思い、人の生き様など心温まること請け合いだ。
 OLの菜々美はお金持ちの婚約者がいる、なかなかのリア充。遊びに行くはずだった友達に振られたところ、4人のイケメン男子に声をかけられ、なぜか船に乗って島に渡る羽目に。冬なのに真夏のように暖かく花が咲き乱れる島、その名も池綿島(いけめんじま)。最初は遠い島まで連れてこられて、テレビもWIFIも携帯もコンビニもない不便さに不満たらたらだった菜々美だが、なんとこの島にいるのはイケメンばかり、その上誰もが菜々美に夢中。菜々美は人生最大のモテ期に突入、この状況を楽しみ始めるが...。
 まず一人の女に10人のイケメンという設定にドキドキ!どこぞのリアリティ番組みたいに恋のいざこざを楽しむのか、はたまた桐野夏生の『東京島』のように男たちを渡り歩くのか?など妄想が広がったが、そんな無粋な話ではなかった。何より、この島のイケメンたちはみんな素朴で純粋。島と同胞を愛し、島の将来を案じて嫁を探しているところが、ファンタジーだ。

1412.jpg 菜々美は最初に声をかけて来たイケメンのひとりである孝吉から、頼まれごとをする。孝吉の妹は病気で島外の病院での治療が必要だが、孝吉を残して島から出ることを嫌がっている。そこで彼女を安心させるために、自分と結婚すると嘘をついてほしい...と。人助けのつもりで了承した菜々美だが、妹に「結婚する証拠を見せて」と迫られ、孝吉とキスすることに。そこで、菜々美は恋に落ち、島のイケメンたちも二人の恋に気づく。
 しかし、菜々美はお金持ちの婚約者がいる身。なんと、その婚約者がお金を使いまくって、菜々美を探しに島へとやって来る。今時のリア充OLに見えていた菜々美だが、どこか自分を偽って生きていたことを悟る。幸吉を愛していることを婚約者に告白すると、彼は意外な取引を持ちかけて来る...。

2066.jpg 菜々美役の矢島舞美はチャーミングで歌も上手。素朴な島の生活や人々との関わりによって、菜々美が都会の殻を徐々に脱ぎ捨て、素の自分に戻ってゆく様を清々しく演じ切った。孝吉役の輝馬は不器用で熱く、母性本能をくすぐられるタイプ。他のイケメンたちも個性豊かで伸びやか。彼らの熱い叫びと美しい肉体に、鳥肌が立った。
 笑って、キュンキュンして、その上、意外なエンディングにホロリ。ああ、池綿島で癒されたい〜!

撮影・文:三浦 真紀

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