2018年1月6日(土)に、少年社中×東映 舞台プロジェクト『ピカレスク◆セブン』が開幕します!
◎「少年社中×東映 舞台プロジェクト」とは?
→『宇宙戦隊キュウレンジャー』や『仮面ライダーゴースト』など数々の東映作品の脚本を手掛ける毛利亘宏が主宰する劇団「少年社中」の舞台を「東映」が共同プロデュースし、新たなコラボレーション作品を生み出すプロジェクト。今作は、2016年に上演された『パラノイア★サーカス』に続く第二弾企画で、少年社中の20周年記念・第一弾公演でもあります!
"登場人物、全員、悪者"という本作(ちなみに「ピカレスク」とは「悪党」という意味を持つスペイン語「ピカロ(picaro)」からきたものだそうです)。
それぞれが背負う"悪"と掲げる"正義"が交錯・対立し、重厚な物語を描くダークファンタジーで、劇中には、主人公のマクベス(鈴木勝吾)とトクガワイエミツ(宮崎秋人)をはじめ、織田ノブナガ(細貝圭)や豊臣ヒデヨシ(松本寛也)、トクガワイエヤス(大高洋夫)など歴史上の人物をモチーフにしたキャラクターから、切り裂きジャック事件のジャック・ザ・リッパ―(佃井皆美)や、「オペラ座の怪人」のファントム(堀池直毅)までさまざまな悪役がズラリ。さらに、ピーターパン(椎名鯛造)、フック船長(唐橋充)、リチャードⅢ世(山川ありそ)など、少年社中の過去作品に登場したキャラクターは、その役に縁のあるキャストが演じています!
果たしてどんな作品になるのか...!?というわけで、稽古場に潜入して殺陣稽古&シーンの一部を覗き見してきました。
まず始まったのは殺陣稽古。登場人物たちはそれぞれの背景に合わせた武器を持っているので、日本刀から西洋のソード、短剣などバラバラ! 長さも流儀も違うのできっとやりにくい部分もあると思いますが...そこはさすがの腕前のキャスト揃い。アイデアを出し合いながら迫力溢れるシーンをつくっていきます。
そんな中で、誰よりも多く戦っていたのが主人公の一人・マクベス! 鈴木さんの持つ圧倒的な存在感でさまざまな相手を剣一本、余裕しゃくしゃくで弾いていく姿はめちゃめちゃかっこいいです。また、ジャック・ザ・リッパ―との剣を交えた(!?)恋模様もぜひ注目してもらいたい部分。痺れる台詞がどんどん飛び出すのでときめきますよ~。ちなみに...マクベスはシェイクスピアの戯曲『マクベス』の主人公。主君を暗殺し王位に就くも重圧に負けて暴政を行ってしまったという人物です。
もう一人の主人公・トクガワイエミツは、マクベスとはまた違う動きで殺陣に絡みます。というのも、歴史上の"徳川家光"は家康の孫であり、平和な世の中をつくるのに貢献した人物(本作の登場人物・春日局は家光の乳母です)。そういうベースの部分が殺陣にも出てくるので、宮崎さんはそこをしっかり表現していました。一体どんな戦い方をするのか...ぜひ劇場で確認してださい!
そのほかにも、さまざまな悪党たちによる戦いがもりだくさんでした。ノブナガの重く恐ろしい一振りから、ピーターパン&フック船長の軽やかなアクションまで、一つひとつの動きにキャラクターが反映されているので、殺陣を見ているだけでも役柄の抱えるドラマを感じてしまいます。
かなりたっぷりの殺陣稽古の後は...シーンごとの稽古に。
まず、野心の炎を心に持つマクベスと、純粋に民を想うイエミツという、真逆のキャラクターでありながらもどこか「真逆ではないのではないか」と思わせる...主人公のふたりの間に漂う不思議な空気に心掴まれます。
さらに登場する悪役の皆さんは一人ひとりが個性的。それぞれが悪へと足を踏み入れたストーリーを背負っているので、彼らの姿を見ていると、そもそも悪とは何なのか...と、いろんな角度からものを考えさせられるんですよ。
それに加え、少年社中の作品『ネバーランド』や『リチャード三世』などの登場人物だからこそという芝居や、東映とのコラボだからこその台詞など、ファンなら「お!」という部分も! その辺りはぜひ楽しみにしていてほしいです。
演出の毛利さんは、いい芝居は「すごく好き!」と褒めたり、笑える芝居には声を出して笑ったりされるので、ピリッとした集中する空気と和やかさがいいバランスで漂って、自由な雰囲気。素敵な稽古場でした!
公演は2018年1月6日(土)から1月15日(月)まで東京・サンシャイン劇場、1月20日(土)・21日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、1月27日(土)に愛知・岡崎市民会館 あおいホールにて。