全国のミュージカルファンの皆さん、そして何より全国のStarSファンの皆さん!
お待たせしました、井上芳雄&浦井健治&山崎育三郎によるユニット・StarSが始動します!
彼らが次の活動の舞台に選んだのは、TVの世界!
WOWOWにて4月よりレギュラー番組として、オリジナルミュージカルコメディ『トライベッカ』放送決定です。
WOWOWにて4月よりレギュラー番組として、オリジナルミュージカルコメディ『トライベッカ』放送決定です。
WOWOWオリジナルミュージカルコメディ
福田雄一×StarS(井上芳雄・浦井健治・山崎育三郎)
『トライベッカ』 4月放送決定!
脚本・演出:福田雄一
出演:井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎 ほか
<番組構成:月1回 放送時間:30分 全6回
WOWOWプライム>
公式サイト→http://www.wowow.co.jp/stage/
ミュージカル界を席巻するプリンスユニットStarSが、この"新ミュージカルコメディ番組"を作るに至った理由、その意図、そしてStarSのこれからetc...を、さっそく伺ってきました!
★StarSの歴史はコチラをどうぞ→★
★福田雄一×StarS インタビュー★
――StarSの本格的な活動としては、久しぶりになります。福田さんはお三方からの指名とのこと。今回の企画の経緯と、そのオファーを福田さんにした理由を教えてください。
福田「お三方から指名...は、されてないです(笑)。芳雄君から電話があったの」
井上「(笑)。ふたりの反対を押し切って、僕の熱烈なオファーで...」
浦井「反対なんかしてないですよ!」
福田「ぶっちゃけた話をしますと、僕の家で、浦井君と飯食って、騒いでたところに電話が鳴ったんです。誰だろうと思ったら芳雄君で、こういうことがやりたいと。すぐ隣に浦井君がいる状況で。そんな感じでした」
井上「電話をしたのは本当ですが、僕が勝手に決めたわけじゃないです(笑)。僕たち、ミュージカルをさらにたくさんの人に知って欲しい、広がって欲しいという気持ちで、3人でStarSをやってきました。今回WOWOWでこういう番組をやらせていただけるかもしれない...となったのですが、番組として何をしたらいいのかわからず、そこで"福田さんにお願いすれば、俺たち面白くなれるんじゃないか"と思ったんです。福田さんはミュージカルのことがお好きだし、詳しいし、やっているものの面白さも知っていたので、"面白くて、しかもミュージカルの魅力を活かしたもの"が出来るんじゃないかと」
△井上芳雄さん
山崎「ふだん、ミュージカルだとみんなカッコつけてるので(笑)、いつもとは違う自分たちを引き出していただきたいというのと、ミュージカルファンの方だけでなく、僕らのことを知らない方にも「この人たち面白いね、実はミュージカルの人たちなんだ」って思ってもらうきっかけになる、そういう面白いものを引き出してくれるのは、今、日本には福田さんしかいないんじゃないかと。しかもミュージカル愛もありますし」
福田「3人は、舞台では王子さまみたいな、変な(笑)ヨーロッパの衣裳とかを着ていることが多いじゃないですか。でも普段お話すると、舞台のああいうカッコいい感じと、だいぶ差がある。僕はそのことを知っていますので、このお話が来たんじゃないかな」
井上「普段と差があるって、主に浦井君のことでは...?」
福田「いやいや、いっくん(山崎)なんかもなかなかですよ。以前、ちゃんとご挨拶する前にステーキ屋でニアミスしたことがあるんですよ。『ウェスト・サイド・ストーリー』のジェット団みたいなヤツらを引き連れて入ってきたんだけど、それが"ダメなジェット団"みたいな感じで(笑)。その時に、普段のいっくんてこんな感じなのかなーって思いましたね。芳雄君だって、ご飯食べてお酒入ってくると、ちょいヘナヘナになるじゃないですか。そういうオモシロなところがある。いわゆる、帝国劇場に立っている感じとはまた違った3人の面白さを知ってる人はあまりいないんじゃないかな、これをお伝えするのは僕の役割なんじゃないかなと、勝手に思ったんです」
浦井「福田さんは、ミュージカルのこと、すごく詳しいんですよ。存分に、我々をこねくりまわして楽しんでもらえそうなので、今からすごく楽しみです」
――現時点では、具体的にどんな内容になりそうでしょうか。
福田「直感的に、クレイジーキャッツみたいなことをやりたいなと思ったんです。あの時代の番組って、何の意味もなく歌うじゃないですか。植木等さんが会社から出てきてひとりで歌いだしたり。StarSなので、当然ながら"歌"が最大の武器で、それを使わなければならない。なおかつコメディで...と考えた時に、クレイジーキャッツのようなことをやっていきたいなと。具体的には、オフィスコントをやりたいですね。『日本一の無責任男』みたいなことが出来たらと思っています。
あとはせっかくWOWOWという映像チャネルでやれるので、普段ミュージカルを見にいらっしゃらない方に、ミュージカルというものがいかに面白いかを存分に見せ付けたい。僕は正直、ミュージカルをエンターテインメントの帝王だと思ってますので。歌もダンスも演技もできなきゃいけないミュージカルって、エンターテインメントの頂点にいる役者さんたちがやるべきメディアなんです。ミュージカルはこんなに面白いよというのを伝えることを、StarSと一緒に布教活動のように頑張っていきたいです」
井上「僕たちトークでみんなと一緒に笑うことが好きだし、実はバラエティ向き。ミュージカルにはコメディも多くて、僕らもミュージカル・コメディはたくさんやっているので、今までやってきたことと全く違うことをやるという感じはしていないんです」
――福田さんから見た、StarSの良さはどこにありますか?
福田「面白いんですよ。いわゆるコメディ的なことをやる機会がそんなにないけど、StarSのライブMCとか、普通に面白いじゃないですか。だから、こんなに面白いのに一部の人しか知らないというのは、非常にもったいない、これは前面に押し出すべき!って思っていました。普段の3人も知っていますし、3人でわーわー遊んでる感じの空気感も見ています。ミュージカルではあまり出来ない形のコメディをやれたら、絶対に面白くなる自信があります」
△福田雄一さん
――お互い、この人のココが面白いという点を教えてください。ではまず、山崎さんについて。
浦井「育は、実は楽しいことも好きで、プライベートの時は面白いことをたくさんしてくれる人です」
井上「モノマネの天才だしね」
浦井「レパートリーも多いしね。それもどこかで披露してくれたらいいよね」
福田「わりといっくんが一番、舞台と差がないよね。差がないんだけど...なんか、"俺、カッコいいすよ?"みたいな空気醸し出してんじゃん(笑)? でも、そんなにカッコよく見えなかったりするじゃん」
一同「(笑)」
福田「そこが一番、愛せるんですよね」
井上「実は両方出来るんだよね、ボケたりもするし、ツッコミもできる」
山崎「同世代といるときは、わりとツッコミというか、仕切るタイプなんですが、先輩といるときはちょっとボケの方にいったりします。でもStarSでは、健ちゃんがボケで、芳雄さんがツッコミなんで、自分はどこに行ったらいいかなと思っていて」
井上「最初はポジション探ってたよね~」
福田「僕、このメンバーで一番いじりたいのはいっくんですね。この前、ふたり(浦井・山崎)と馬刺しを食いにいった時の座り方が、すごいカッコつけていて! 馬刺屋で、丸イスなのに! これが面白いじゃないですか。一番いじりがいがあるんです。カッコいいんですが、そのカッコ良さがカンペキだとちょっと愛せない、でもいっくんの場合、"抜け抜け"だから(笑)」
山崎「そうなんですね(笑)。でも僕以上に、健ちゃんが先にボケるから、あまり気付かれないんですよ(笑)」
――では、浦井さんの面白さについては。
△浦井健治さん
福田「健ちゃんは実は、ボケるつもりは一切ないからね!」
井上「天然だよね」
浦井「自分では天然だとも思ってないです(笑)」
井上「僕ね、StarSをやるまで、浦井君がこんなにボケるって知らなかったんですよ。そうしたら、コンサートのMCでしゃべりはじめたら、際限なくボケる! 次第に本気でイライラしてきました。俺、次の進行に進ませようと暗に振ってるのに、なんでもう一回その話を膨らましちゃうの?って!」
福田「彼はねぇ、思いのたけを語りたいだけなんですよ」
浦井「そうなんですよ!」
山崎「僕もデビューしたての頃は、先輩なので、絡みづらかったですね。ふざけてるのか、本気なのか。時間がたって距離感が縮まって「浦井さん」から「健ちゃん」になるにつれ、どうしていいのかわかるようになりました」
井上「何を言ってるのか、わからないときあるもんね! 真面目なことを言ってるんだろうなってことだけわかる。まとめようとしてまとまらなくて終わる(笑)」
福田「僕はStarSの武道館公演(2013年11月)は、単純にうちの嫁が芳雄君のことが好きって理由だけで行きましたから、ふたり(浦井・山崎)とはそんなにコンタクトをとっていなかったんですが、実際ステージを見て「浦井健治、すげーな...!」と思いました。あれ、狙いでやってたらすげぇぞ、でもどうやら狙いじゃねぇな、と(笑)」
――さて、それではリーダー・井上さんについては。
浦井「芳雄さんは頭の回転が早くて、すべての人の発言、行動にツッコミを入れることができる。コメディをやるにあたっては、とても得難い方です」
福田「僕、一番面白いのは、カッチリ型が出来上がってる人が崩れたときだと思っているんです。この前も『才原警部の終わらない明日』(昨年末~1月まで上演)という、堤真一さんがアホみたいにボケる作品をやっていたんですが、あれも映画やテレビで基本的にカッコいい役しかやらない堤真一という人が、そのイメージを崩すことばかりをやるから面白いんです。芳雄君も同じで、本当にに両脇のおふたりと違って(笑)カンペキなんですよ。完璧なプリンスロードを歩いてきている。これを崩すというのは、何よりの楽しみです。これはまさに、一番おいしい食材。でも芳雄君、『才原警部~』を観に来て「覚悟は決まりました」って言ってくれたんで(笑)」
井上「堤さんがあんな姿になってたから、俺たちなんてどうされても文句言えないよねって、予期したんです(笑)」
福田「ミュージカルのパロディコントみたいなこともやろうと思ってるので、そこで芳雄君を中心に、"こんなこともしちゃうのね"的なことを、面白がって遊べたらと思います。浦井君もいっくんも、なんとなく面白いのは知られてるけど、芳雄君だって面白いのに、芳雄君だけがハードな殻にまだ、若干守られているので(笑)。そこをぺりぺりっと破っていくことで、番組が面白くなるんじゃないかな」
山崎「武道館でも、芳雄さんが80年代のアイドルみたいな格好をしただけで、大爆笑でしたからね!」
福田「そうだよ、あれがずるい」
山崎「健ちゃんはお尻を出して(※浦井さんはフンドシ姿になりました)、僕は裸にエプロン(※可愛かったです)までしないと笑いがとれないのに、芳雄さんはタンクトップに短パン穿いただけで爆笑ですから(笑)」
△山崎育三郎さん
浦井「我々は身体をはらないといけないのに!」
福田「一番ハードル的には低いよね」
井上「よし、お尻出すか!」
福田「楽しみにしてます(笑)」
――そんな衝撃発言も出たところですが、お三方の、"これは譲れない"という一線はありますか?
浦井「けっこう、譲っちゃいましたよ!?」
井上「お尻以上のものって、あと何かある?」
福田「一応、3人の事務所さんからは"とりあえず何でもオッケーです"ということは言われています(笑)」
井上「中途半端にやってもしょうがないので、とにかく面白くなるなら、何でもしたいですね。あとは...ちゃんと歌も歌いたいとは話しています。ふざけ倒して終わったら「あの人たち何なんだ?」ってなるおそれがありますので、僕たちのことを知らない人たちのために、どこかで真剣に歌うことはしたい」
福田「必ず"カッコいいStarS"は見せる...それが、この番組の"禊"です(笑)。今までこんなおバカなことをやっちゃってたけど、ちゃんとカッコいい人たちなんだぞ、というところは作ろうと思ってます」
――最後に。今後、StarSはどうなっていきたいですか?
浦井「今、役者の道を歩んできた同世代の3人が手を組んで、刺激を受けながら切磋琢磨し、アドバイスもし合えるいい仲間関係が出来ています。各々がしっかりと自分のことをやればいいし、それがまた3人で集まったときに、こんな面白いことが出来ますよという、"大人なユニット"になっていけたら素敵ですね」
井上「浦井君の言うように、当然それぞれはそれぞれの活動をする。ただ、今までミュージカル俳優って同世代でも横の繋がりがないなと思っていたんです。本当は、むしろライバルじゃないですか。なかなか本当の意味で仲良くなれないし、作品が終わると会う機会もない。それが惜しいと思っていたんですが、こうしてStarSとして活動していくうちに、どんどん信頼関係が生まれてきました」
浦井「最近、ようやくLINEのグループも作って」
山崎「そう、(井上さんは)絶対教えないって言ってた!」
井上「浦井君も自分の家、教えなかったじゃん!」
山崎「このふたりは意外に秘密主義者なんですよ(笑)。僕はなんでも言っちゃうんですが」
井上「(笑)。そんな僕らが、会えばお互いの状況を言い合ったり、3人とも少しずつ映像のお仕事もやるようになったので、そこでの話をしたりするようになっています。一緒にやっている仲間という感じがしてきているので、StarSをやってよかったな、と思っています。それはすごく嬉しいこと」
山崎「ひとりだったら出なかったキャラクターが、StarSをやることによって出てきましたね。やっていなかったら、気付かれないままだったかもしれない」
井上「それはあるね。それがユニットの楽しいところかな」
山崎「僕は幼稚園の時からミュージカルが好きで、ミュージカル俳優になりたいという気持ちだけでやってきました。20代はミュージカルだけでやってきて、StarSを組んだ理由も、もっとミュージカルを色々な人に知ってもらいたいというところからです。今年30歳になりましたが、『下町ロケット』に出演させて頂いたりと映像にもチャレンジしている中で、「(ドラマで)山崎さんを知って、今度ミュージカル行きますね」という声をいただくこともあります。それが自分がやりたかったことですし、このStarSも同じような意図で始めたこと。ミュージカルをもっともっと広げたいし、僕らの世代がそれをする役割なのかなと思います。このグループは解散なく、ずっと長く、50歳、60歳になっても"なんか面白いことをやってるミュージカル界のおじさんたち"でいられるようにしたいです」
井上「そしてミュージカルの舞台だけをやって、(その魅力を)広めていくのはすごく難しいとも感じているんですよね。だから、まだ今はどう繋がっていくかはやってみないとわからないんですが、今回、映像で福田さんとやらせてもらえるというのは、良いチャンス。じっとしているよりは絶対何かやったほうがいい。失うものはない!という感じです」
山崎「普段は台本や音楽という、決まったもの中で自分たちの表現をしていますが、StarSは自分たち発信で出来る。今回は福田さんと一緒に、自分たちが何かを作る。自分たちがやったことが正解になっていく、StarSの現場は"StarSオリジナル"が作れる。毎回、それが楽しいんです」
取材・文・撮影:平野祥恵
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