「リバーダンス」初日レポート
何の予備知識も不要!驚異的な身体能力で繰り出される超スピードの足技と、懐かしさと神秘さを併せ持った一流のアイルランド音楽によって、アイルランドの5000年にも及ぶ歴史と人々の想いを2時間で体感できる、大興奮のショーです。
『リバーダンス』は、欧州で開催されるエンタテインメントの祭典・ユーロビジョンソングコンテストでアイルランドが開催国となった1994年に作られた題目をもとにして作られた、伝統とモダンが共存するエンタテインメントショーです。20周年を迎えたプロダクションで7年ぶりの来日ツアーということで、東京公演に足を運んできました。
第一部では、アイルランドに古代から伝わる神話や伝承をベースに、崇高な自然の姿、そして自然と共生する人間の姿が描かれます。
広い舞台で男女が列や円といった陣形へ変化しながら一糸乱れぬ統率力で力強いタップを刻むかと思えば、プリンシパルがアクロバティックに舞台上を駆け回るソロのダンスも披露。肉体の限界に挑む「動」で、舞台上も客席も開始早々ヒートアップします。一方で、神秘的で透明感溢れる男女混声合唱団の歌うケルト音楽や、見慣れないのにどこか懐かしい音色のアイルランド楽器にフィーチャーした演奏などの「静」の部分も披露されることで、アイルランドの神話の世界にタイムスリップしたかのような気持ちになります。
自然がモチーフの演目が続いた後は、第一部クライマックスの演目『リバーダンス』。この演目がこの公演すべてを体現すると言っても過言ではない、伝説の7分間です。20名余りの男女がステージの端から端まで横一列に並び、背筋を伸ばしたまま下半身のみを使い統率されたタップ、ステップ、ジャンプでリズムを刻むラインダンスは、まさに圧巻です。会場全体が振動していると感じるほどの迫力ある足さばきの連続は、手にも足にも汗を握るパフォーマンス。ひと時も目が離せませんでした。
第二部は、アイルランドの人々の変遷を描く物語です。19世紀末にポテト飢饉や英国の搾取から逃れるために移住を余儀なくされた人々の苦難、新天地で新たな文化と出会いダンスが深化する過程、そして自国のアイデンティティを確立し現代に至るまでを、多様なダンススタイルで描いています。
中でも圧巻なのは、アイリッシュ移民VS黒人移民のタップバトルです。「下半身を上下前後」に動かし規則的にリズムを刻むアイリッシュダンスが、「全身を上下左右」に駆使し不規則でコミカルなリズムを紡ぐ米国タップダンスと衝突することで、まるで足音のみで会話しているような、新しいダンス文化が生まれます。また、スペインのフラメンコでは手や腰といった「上半身のひねり」に特化した情熱的な動きで観客の心に静かな火をつけたかと思いきや、バネのように「全身を旋回」させ舞台上を飛び回るロシアのアクロバティックな舞踊でド肝を抜かれます。身体の使い方が異なる各国のダンス世界旅行を楽しんだ後で改めてアイリッシュダンスを見ると、上半身を垂直に保つという特異性が際立ちます。その制限こそが、超人的な足技と小細工無しに生身で奏でられた音の力強さをより強調し、人間の持つ可能性とパワーを観客に与えてくれるのではないでしょうか。そして、今回のツアーでお披露目された新演目『アンナ・リヴィア』も見逃せません。文豪ジェイムス・ジョイスの作品にインスパイアされた、ダブリン市内を流れるリフィ川の擬人化ともいえる演目では、アイルランドの歴史に深く関わる「川」の凛とした優美さと包容力が女性ダンサー達によって表現され、『リバー(=川)ダンス』の新たな境地を見せてくれました。
超人的なスピードで繰り出される強烈なタップの連続は、人間技とは思えないほどの息を呑む技術です。ダンサー達の笑顔や掛け声、そして熱量に感化され、上演中もついつい足を動かして一緒に踊りたくなるほど。言葉も知識もいらず、一流のダンス・楽器・声楽を目でも耳でも肌でも体感できます。全世界で2400万人を虜にしてきた世界最高峰の「ショービジネスの奇跡」を日本で目撃できる貴重なチャンスを、是非お見逃しなく!
Riverdance 20years "the anniversary tour"
4/3(金)~15(水) 東急シアターオーブ (東京)
4/18(土)・19(日) オーバード・ホール (富山)
4/22(水)~26(日) 愛知県芸術劇場 大ホール (愛知)
4/28(火)~5/2(土) フェスティバルホール (大阪)
チケット好評発売中
【会場の様子もアップしました】
リピーターチケットあります!
公演Tシャツ 黒とピンク
パンフレット 全30ページ フルカラー
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