宝塚歌劇星組公演『眠らない男・ナポレオンー愛と栄光の涯にー』制作発表レポート

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2014年に創立100周年を迎える宝塚歌劇団。
そのアニバーサリーイヤーの記念すべき第1作であり、ホームグラウンドである宝塚大劇場の幕開けを飾る星組公演『眠らない男・ナポレオンー愛と栄光の涯にー』の制作発表会見が11月11日に行われました。
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物語はかの皇帝ナポレオン・ボナパルトの人生を、妻ジョセフィーヌとの愛と葛藤を中心に描くもの。
脚本・演出は『エリザベート』『モーツァルト!』などを大ヒットさせた、日本ミュージカル界きっての鬼才・小池修一郎
さらに、こちらも日本では小池演出で大評判を呼んでいる『ロミオとジュリエット』を手掛けたジェラール・プレスギュルヴィックが、全曲の作曲を担当。

小池修一郎の書き下ろし新作であり、世界的な音楽家とのコラボレーションということで、まさに宝塚歌劇100周年の目玉となる超大作です。

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会見はまず、星組トップスター柚希礼音娘役トップ夢咲ねねを中心としたパフォーマンスからスタート。
プレスギュルヴィック氏による流麗な楽曲、そして豪華な衣裳に目を奪われます。
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マント、すごい!
100周年の幕開きに相応しい、宝塚ならではのゴージャス感。
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続いて小林公一歌劇団理事長が、
「宝塚歌劇団は100年の間、老若男女すべてのお客さまに楽しんでいただける舞台を、〈清く正しく美しく〉の精神のもとに、時代とともに常に進化しながら作り続けておりました。これはこれからも守り続けていかなくてはならないもの。その中で、この作品が宝塚歌劇団の伝統の力、革新の力、そして様々な可能性を多くのお客さまに感じ取ってもらえる作品になれば。この作品が宝塚歌劇の100周年を華々しく幕開けし、多くのお客さまに楽しんでいただける作品となるべく、今、宝塚歌劇に携わっているすべての者が一丸となって頑張ってまいりたいと思います」
とご挨拶。
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作・演出の小池修一郎
「この100周年にあたり、ジェラールさんと作品を作るということになり、いくつか題材を候補にあげて春から打ち合わせを重ねました。その結果、フランスの作家であるジェラールさんから見てもイメージがつかみやすい役柄である、また柚希礼音という宝塚が誇るスターの特性やキャリアを活かせるといういうことなど、検討した結果、ナポレオンという人物を題材にすることになりました。ナポレオンという題材は宝塚では以前花組で高汐巴さん主演で『愛あれば命は永遠に』という公演がありましたが、それから30年を経まして、今の宝塚とフランスのミュージカルの作り方がお互い歩み寄って作るとどうなるのか。新たな面白い演劇が生まれればと思っています」
と、今回の日仏合作の意義などを話します。takarazuka_napoleon03.JPG

その、ナポレオンを演じるのは柚希礼音
「偉大な先輩方が作ってこられた100年の歴史の重みをひしひしと感じ、とても身の引き締まる思い。この節目の時にこうして大劇場に立たせていただける喜びを感じ、そして小池先生を信じ、スタッフの方と出演者が一丸となって必ず素晴らしい作品になるように頑張って稽古に励んでまいりたいと思います。そして大好きなジェラール・プレスギュルヴィックさんの作った曲を全曲、(『ロミオとジュリエット』に続いて)また歌わせていただける喜びを胸に、お客さまが感動していただける舞台となるよう励んでまいります」と意気込みを。
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またナポレオン像を問われた柚希さん、
「名言をいろいろ残されていますが、その名言を仰るような方なんだろうなと思います。野心もあり、でも貴族平民関係なく、力のあるものが地位に立つべきだという素晴らしい考えを持っていて、そしてヨーロッパを統一したいという思いがあるので、とても冷静で頭が良く、地に足がついた素晴らしい男性像。目標のためには"眠らず"に、勉強してしっかり進んで行く人なので、素敵だなと思います」と話していました。

その柚希さんに対し、小池さんは
「柚希はここまでキャリアを築いてきましたから"堂に入った"ところがある。でも変わらない屈託のない明るさや元気さ、いい意味での柔らかさを残している。その点が、こういった一人の人間の半生を演じるときに、若い時の柔軟さ、上り詰めてから持つであろう緊張感や貫禄、そういったものを両方表現できるであろうと思っている」と期待を語っていました。


ナポレオンの妻ジョセフィーヌを演じるのは夢咲ねね
「100周年の最初の日を大劇場で迎えられるというのは本当に嬉しいことだと思うと同時に、プレッシャーを感じずにはいられません。でも小池先生を信じて、柚希さんが作られるナポレオンとともに自分も成長していけるように頑張っていきたいと思います」と話していました。
ジョセフィーヌは子どもがふたりいる役だということで、
「(母親役は)初めてなんですけど、でも実は子供がいる役をずっとしてみたかったので、すごく嬉しい」とも。
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夢咲さんに対する小池さんの期待は「夢咲も同じくキャリアがある。今まではジュリエットとか比較的若い役が多いが、一方で『琥珀色の雨に濡れて』が大変好評だったように、大人の女性も本来できる人だと思う。それに、ジェラールさんも「彼女はコケティッシュだからジョセフィーヌと合うだろう」と言っていたのですが、彼女のチャーミングさは役に合うと思っています」と話していました。


さらに小池さんは作品の構想や、この作品の意義を
「ナポレオンもジョセフィーヌも、お互い"すごい運命"を持ったもの同士が出会って、短い時間の中で上り詰めて、時代の流れの中でその地位についた。その後ふたりは別れざるを得なくなるのですが、でもふたりの愛はそこでなくなったわけではいと思います。そこ(愛)を描いていきたいです。やっぱりジョセフィーヌはナポレオンにとって勝利の女神。生涯最後までジョセフィーヌという人は、彼の人生のシンボルとして切っても切れないもの」

「宝塚というのは100年の中で、常に外国からの刺激をうけて自分たちで作ってきた。そこが宝塚のオリジナリティだと思います。外国の文化を学ひ、自分たち流にこなして、(作品として表に)出して行くという、これは日本がずっと保ってきた姿勢で、例えばそれはアニメーションなどでも発揮しています。宝塚を初めて見た外国の方で"日本のアニメーションみたい"と言う方がよくいらっしゃって、私はなるほどなと思います。ある意味無国籍。日本の話でないものを、外国の方がご覧になっても不自然でない形でナチュラルに成立させているのがひとつの強みです。
ただこれからはネット社会であり情報共有が(世界中で)均等にいきかう。たとえばジェラールさんがいらっしゃるパリでは日本文化が大変人気がある。ただ日本文化が世界に紹介される中に、伝統的な、例えば能や歌舞伎、邦楽や生け花やお茶という"和"と呼ばれる伝統のものだけではなく、今の私たちが作っているものがちゃんと、オリエンタリズムやエキゾチシズム、東洋の珍しいものとは違った形でポップカルチャーとして認められていいんじゃないか。今回の合作が、そのひとつのきっかけになればと思います」
と熱く語っていました。


宝塚100周年の記念すべき新作というだけではなく、
今後の宝塚の新機軸となりそうな意欲作、これは見逃す手はありあません!
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宝塚大劇場公演は1月1日(水・祝)から2月3日(月)まで。
チケットは11月23日(土・祝)に一般発売開始です。
東京宝塚劇場では、2月14日(金)から3月29日(土)にかけ上演されます。

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