劇作家・映画脚本家のデイヴィッド・マメット作『クリプトグラム』を、谷原章介、安田成美を迎えて、本邦初演!
デイヴィッド・マメットは、映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(ジャック・ニコルソン出演/1981年)、「アンタッチャブル」(ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー出演/1987年)、「摩天楼を夢みて」(アル・パチーノ出演/1993年)、「ハンニバル」(アンソニー・ホプキンス/2001)など数々の人気映画のシナリオを手掛け、舞台では『ライフ・イン・ザ・シアター』が不動の名作、そして『グレンギャリー・グレン・ロス』(「摩天楼を夢みて」の原作戯曲)でピューリッツァー賞を受賞するなど、ミステリアスな展開で 観る者をひきつけてやまないアメリカの人気劇作家 。
そのマメットが書いた『クリプトグラム』は1994年に英国で初演され、タイトル通り謎に満ちた作品だ。
舞台上には、ジョン(坂口湧久、山田瑛瑠/子役・Wキャスト)、母ドニー(安田成美)、男デル(谷原章介)の3人のみ。
そして、 舞台上には登場しないジョンの父親を含めた4人の複雑な関係が、シンプルな言葉の応酬から思わぬ展開をみせていき、ゆっくりと暴かれていくミステリー。
クリプトグラムは、英語で「暗号」あるいは「(神秘的な)シンボル」という意味――
マメットが仕掛けた「暗号」とは何か?
11月9日、東京・シアタートラムで初日の幕を開けた。
一筋縄ではいかないであろう舞台に挑戦している出演者から、初日のコメントが届いた。
クリプトグラム(安田成美、坂口湧久、谷原章介) 撮影:御堂義乘
谷原章介
「これまでに経験した中で、いちばん暗号に満ちた複雑な作品で、その暗号が解読されていくにつれ、この世界に染まることができ、また面白さを知ることができ、なんとか初日を迎えられて少しだけほっといたしました。公演中、まだまだマメットが仕掛けた暗号を解読していきたいと思います。」
安田成美
「まずは、初日を無事に迎えられてよかったです。毎日毎日、新鮮な気持ちで演じるだけだと思います。今は、日々、そういう気持ちで『クリプトグラム』に向かいたいと思っております。」
坂口湧久
(子役/Wキャスト)
「初日は、なぜかわからないけど、すごく緊張しました。話が難しいけど、いろいろな考え方があるので、お客さんがどんな風に考えるか、たとえばロバートはどうなったのかとか......どんな風に思ったかを知りたいです。」
山田瑛瑠
(子役/Wキャスト)
「お稽古の時はセリフを覚えるのが大変だなと思っていましたが、今では、こんなに覚えることができるんだと自分でも驚きました。悔いのないようにやっていきたいです。ぜひ、三幕最後の"ナイフを貰う前のシーン"を見てほしいです。」
演出の小川絵梨子は本作について、「"言葉にできないこと""言葉にしたとたん意味がずれてしまうからこそ、言葉にしないこと"が非常に重要で、表面的にはあくまでも日常的な会話で成り立っていますが、その言葉が俳優の身体を通した時に、登場人物たちの関係性や、過去、葛藤や苦しみがじわりと滲み出てくる」と語っている。
大人の会話の真意がわからない子どもの目には、大人の世界は恐ろしく、自分だけ取り残されてしまったような不安な気持ちでいっぱいになる。
しかし、大人の世界に接することで、これから世界に一人で立ち向かえる力を得ていく。
「何かある......」と思わされる会話こそがタイトルでもある「暗号(クリプトグラム)」であり、子どもが暗号を徐々に解いていき、最後には大人の世界に一歩近づく、これはジョンの成長の物語なのだ。
■公演概要 ■
[原作]デイヴィッド・マメット
[翻訳・演出]小川絵梨子
[出演]谷原章介 安田成美 / 坂口湧久 山田瑛瑠(子役・Wキャスト)
2013/11/6(水) ~ 2013/11/24(日) シアタートラム(東京都)
2013/12/3(火) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(兵庫県)