猿之助インタビュー『新春浅草歌舞伎』への思いを語る

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来年1月、東京・浅草公会堂で上演する「新春浅草歌舞伎」の製作発表が11月中旬に行われ、市川猿之助さん、片岡愛之助さんが会見に出席されました。

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制作発表会見の模様はこちら→ニュースを読む


若手歌舞伎俳優の登竜門としても知られる「新春浅草歌舞伎」。

猿之助さんは亀治郎時代に12回出演し、四代目猿之助を襲名後初めて浅草に登場します。また、5年連続9回目の出演となる愛之助さんはすっかり浅草の顔となりました。
さらに、浅草ではおなじみの市川男女蔵さん、中村亀鶴さんをはじめ、次代を担う若手花形が揃い、2014年の新春を華やかに寿ぎます。

公演は午前11時からの第1部と午後3時半からの第2部制で上演します。

<第1部>
・『義賢最期』(よしかたさいご)
平家全盛の時代を舞台にした義太夫狂言。源義朝が敗死した後、弟の木曽義賢のもとに平清盛の使者が白旗詮議に現れますが......。迫力ある立廻りや仏倒しなど見どころ満載の一幕です。

・『上州土産百両首』(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)
男の友情を皮肉な運命の中に描いた。浅草の待乳山聖天を舞台に、猿翁(三代目猿之助)も演じた正太郎を、当代猿之助が本興行で初めて勤めます。

<第2部>
・『博奕十王』(ばくちじゅうおう)
昭和45年に市川猿翁自らが執筆し、初演した本作を、猿之助は自主公演で41年ぶりに復活上演しました。地獄で繰り広げられる可笑しみのある舞踊劇です。

・『新口村』(にのくちむら)
男女の悲恋を描いた上方和事の名作。上方芸を継承する愛之助が忠兵衛を初役で勤める話題の一幕です。

・屋敷娘(やしきむすめ)
屋敷奉公をしているお春とお梅とお蝶が、宿下がりの帰り道で、恋の話をしながら艶やかに踊ります。

・石橋(しゃっきょう)
唐の国、清涼山の石橋に、文殊菩薩の遣わしめである獅子の精が、忽然と姿を現します。壮麗に舞う獅子の姿が堪能できます。

 

各部とも開幕に先立ち、出演俳優が年始のご挨拶をする浅草恒例の人気企画『お年玉《年始ご挨拶》』もあります。


制作発表会見後、市川猿之助さんにお話を伺いました。

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――『博奕十王』を自主公演でなさった時、猿翁さんから公演への思いなどはお聞きになりましたか?

伯父(猿翁)が作ったものをぜひ残して欲しいと、その思いですね。衣裳も伯父が自分で作ったものを譲り受けて仕立て直しました。渡された台本は、もっと長かったのを今の時代に合うようだいぶ短くしました。「博打づくし」になっていてよくできた作品だと思います。

――この舞踊の要はどの部分だと思われますか?

とにかく華やかな作品なので、お客さまが明るい気分になって最後は笑顔で帰っていただきたい。

――博奕打を猿之助さん、閻魔大王を市川男女蔵さんが演じます。閻魔大王が騙されてしまうお話ですね。

閻魔さんが、なんでお前は地獄へ来たんだと問うと、博打が好きでいろいろと喧嘩もしたと話す。すると博打ってどんなもんだ?と閻魔さんが興味をもって、じゃあ何か賭けてみますかとなり、閻魔さんがどんどん負けていくんですよ。ついに何にも賭けるものがなくなって、極楽行きの通行手形を賭けたら結局閻魔さんが負けちゃって、その通行手形をもって天国行けちゃうというお話。

――とても楽しいお話ですね。先ほどの会見では博打も含めて学ばないととおっしゃってましたが。

花札づくしになっているんですよ。「猪鹿蝶(いのしかちょう)」とかセリフの中に出てきます。洒落のめしててよくできている。

――あまり観たことがないようなユニークな舞踊劇ですね。

地獄の話だし、普通の松羽目じゃつまらないから、松が全部枯れてたら面白いだろうと。長唄さんから後見さんまで三角頭巾をつけるアイディアも閃めきました。

――それが2年前の自主公演で行ったものですね。

その時は大ゼリとかすっぽん(花道のセリ)を使ってたんです。ところがたまたま千穐楽に、大ゼリもすっぽんも動かなくなってしまい、急遽演出を変更したんです。そのハプニングがあって「これなら浅草でできる!」と。

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――そこから浅草に繋がったのですね。ところで浅草歌舞伎で印象深い思い出はありますか?

年を追うごとにお客さまの数が目に見えて増えてくるのが楽しかったですね。

――来年はチケット争奪戦だとSNSでの書き込みも多くみかけます。

そうなると嬉しいですね。ここまでくるのに10年かかったから。今回出演する若手にはこの盛況を維持して欲しいなと思います。

――浅草歌舞伎で、若手俳優と一緒に若い観客も育っていくのでは。

若手のファンが同年代と考えると、歌舞伎を観たことがない人たちが面白いと思ってくれれば幸い。今年は愛之助さんが(ドラマ「半沢直樹」で)ブレイクしたから、テレビを観た人が興味を持って来てくれるといいなと思います。

――浅草歌舞伎ならではの工夫はありますか?

開演時間を11時と3時半にしたのが工夫です。やった当初は新しかった。あと、お年玉の挨拶。これはお客さんが入いらないから急遽はじめたんです。それが今では名物みたいになっちゃって。若手はこれをやることで、普通の口上の席に並んだときの訓練になると思います。

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――浅草・待乳山聖天が物語の舞台となる『上州土産百両首』も楽しみです。作品の魅力はどんなところだと思われますか?

もとになったオー・ヘンリーの小説を読んでましたが、非常にシャレてるなと。2人の(男の)友情の話でね。

――今回は正太郎を猿之助さん、幼馴染みの友・牙次郎を巳之助さんが演じられます。お芝居もそうですがふたりの役柄が魅力的ですね。

猿之助(猿翁)と勘九郎(十八世勘三郎)が何十年ぶりかで共演するというのでこれを選んだんでしょうね(※1994年12月歌舞伎座)。(自主公演で)ぼくは福士誠治という仲のよい俳優とやるので、この作品を選びました(※2010年8月国立劇場)。今回は巳之助くんに出てもらうので、彼とは友情とは違う何かが出れば面白いね。

――歌舞伎では久しぶりにかかる作品ですね。

歌舞伎に限らずいろんな人がやってくれるといいと思いますよ。藤原竜也と小栗旬が2人で組んでやったらぜったい面白い。ふたりの友情物語だから。

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――新しい狂言や復活狂言を掘り起こしていくのも役目ですね。

それはやっていかないと先がすぼまってしまうから。一回きりの実験で終わるのではなく、何度も再演を目指したい。

――最後に、第一部、第二部の見どころを教えていただけますか?

両方見ると古典、新作、舞踊と歌舞伎のすべてのジャンルが入っていますから、歌舞伎の演劇形態がわかるようになっています。非常にバランスのとれた形だと思います。



『新春浅草歌舞伎』は1月2日(木)~26日(日)まで東京・浅草公会堂にて上演。
チケット発売中。
1等席 11,000円 、2等席 6,000円、3等席 2,500円


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