三津五郎の"あまちゃん"発言に菊之助が"じぇじぇ"。「松竹大歌舞伎」会見レポート

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坂東三津五郎と尾上菊之助が都内で会見を開き、今秋全国18カ所で公演を行う「松竹大歌舞伎」について意気込みを語った。

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上演する演目は『野崎村』と『江島生島』

『野崎村』は大坂の地を舞台にした悲恋もの。百姓久作の娘・お光と、この家で育てられた久松が祝言をあげることになった。ところが久松はお染という奉公先の娘と恋仲になり、二人は一緒になれないのなら心中しようと誓いあう。ここれを聞いた久作は久松を諭しお光との結婚を承知してもらう。だがお光は、二人の命を救うため尼になって身を引くのだった。恋人を思う娘、娘を思う父親の情愛が細やかに描かれた世話物の名作。娘お光を菊之助、百姓久作を三津五郎の配役で。

もうひとつの『江島生島』は、江戸時代に実際に起きた「江島生島事件」を題材にした舞踊劇。流刑になった生島は夢の中で江島との歓楽に浸る日々を送っている。ある日江戸からやって来た旅商人を相手に、人気役者だった昔を語る生島。やがて、浜辺に現れた海女を江島だと錯覚し、恋い焦がれて後を追いかけていく...。生島新五郎を三津五郎、中﨟江島と江島に似た海女を菊之助が二役早替わりで演じます。

三津五郎&菊之助会見レポート

 

三津五郎さん
「今回は菊之助さんと一緒ということで、いろいろ案を練りまして。ふだん、なかなか歌舞伎をご覧になれない方や初めて歌舞伎をご覧になるお客様にもわかりやすいものにいたしました。舞踊も、多少ストーリーがあってわかりやすいものということで、知恵を絞ってこの二つの出し物になりました。巡業ですと経験したことのある役が多い中で、今回は私も菊之助さんも二人とも初役です。これは私たち二人の意欲の現われだと理解をしていただければなぁと思います」

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共演はお二人のほかに、坂東秀調さん、坂東巳之助さん、尾上右近さんという座組み。
「この巡業では、みんなが協力しあうような、一座の緊密さも大事にしたいと思ってます。菊之助さんが『野崎村』が決定したときに、"お兄さん、ほんとによろしいんですか?私のお光に久作でやっていただけるんですか?"と、申し訳なさそうにおっしゃられたんですが、私はそんなことよりも、この一座の中でベストな配役をなるべくいい形で地方の方に観ていただきたい、だから喜んで久作を勤めさせていただくよ、とお返事しました」という三津五郎さん。懐の深さが伺えますね。

各地を訪れる巡業では三津五郎さんが楽しみにしていることが。
「旅好きの私としましては城跡のあるところも多いので、ちょっと早起きしてお城を観に行きたいなぁと楽しみにしています。もうひとつ、9年ぶりに沖縄に行けるというのも、これまた非常に楽しみです」

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菊之助さん
「野崎村は歌舞伎の中でも少女の悲恋を描いた代表作のひとつです。私の祖父(7代目尾上梅幸)が得意としておりまして、記録をみますと14度くらい勤めておりました。そのように縁を感じている役でございますので、初役のときに三津五郎のお兄さんが久作で出てくださるのはほんとに幸せでいっぱいです。胸を借りて、心でぶつかっていきたいと思っています。
『江島生島』は私の曽祖父にあたる6代目菊五郎が演じて人気になった舞踊ときいております。前半は生島のことを思うなまめかしい大奥の女性、後半は海女になって二役を早替わりでおみせいたします。私も旅は好きですし、歌舞伎を頻繁にご覧になれないお客様にも歌舞伎を楽しんでいただきたいという気持ちでいっぱいです」

途中、海女の話の件で隣に座っていた三津五郎さんが"あまちゃん"と囁くと、菊之助さんも"あまちゃん、じぇじぇですね"と応え、会場は大きな笑いに包まれました。

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続いて記者から『野崎村』で親子を演じられることについて質問がありました。

三津五郎さん
「私の祖父も久作をよく演じておりまして、菊之助さんは老け役だからと心配をされてたと思いますけれど、年を取ろうが若かろうが、人間の心が描かれている芝居ですから。今は自由に生きられますけれども、当時、自分の意思ではなかなか自由に生きられなかった3人の若者を見守る親の思い、そして娘のことを思うと胸が張り裂けるような心を持ちながらやさしく見守る父親。こういう人間愛みたいなものが客席に伝わればなと思います」

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菊之助さん
「結婚することを夢みていたお光ですが、愛する人が死んでしまうなら私は尼になってその人の幸せを願うという、非常に悲しい、悲恋のお話ですよね。それを心でお見せすることが、やはり一番大事だと思うんです。お兄さんの温かいお心に飛び込んでいくつもりで演じたいと思います」

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と、ここでも三津五郎さん、「日本語って難しいね両方"あまちゃん"なんだね」と話され、さらに笑いを誘ってました。


『江島生島』は上演機会の少ない演目です。
今回これを選ばれたことについて
三津五郎さんは次のようにコメントされました。

「六代目菊五郎さんが生島をされたとき、旅商人を私の曽祖父・七代目三津五郎が勤めてます。大和屋と音羽屋さんにとっても縁のある踊りです。今、美しい盛りのい菊之助さんが奥女中と海女を変わられたらきっと素敵だろうし、私も生島新五郎の踊りにぜひチャレンジしてみたいと思っておりましたので、二人でやるにはいいんじゃないかと思って決めさせていただきました」

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公演は11月1日(金)~11月25日(月)まで、全国で巡演。チケットは順次発売します。
お楽しみに
♪♪

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★坂東三津五郎さんインタビュー
「八月納涼歌舞伎」についてたっぷり語ってます。
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