こんな並びに落ち着きました。
侯爵のゴージャスな椅子にふんぞり返って座る福井さん、カートンのロッキングチェアを嬉しそうに揺らす今井さん...。
岡「実はカーテンコールの前に、(浦井さんが)ぱぱぱっと近づいてきて、「椅子とりゲームやりましょう、僕歌うんで!」って言われて。まあ一応叔父としては、きいてあげないとなって」
井上「あんなに仲悪いのに!殺そうとしていたくらいなのに、お願いきいちゃったんだ!」
橋本「でも椅子とりゲームって、普通、ひとつ足らんものとちゃう?」
井上「なんのスリルもなかったですね~(笑)」
..という流れで、椅子とりゲームになったそうです。
トークショー本編は、橋本さんの「じゃあさ、お気に入りのシーンなんかをお互いに言い合わない?」という提案からスタート。
真っ先に手を上げたのは司会の岡さん。「あるある! シドニーがチャールズのモノマネをするところ。いつも楽屋で音を大きくして聞いているの。それを聞いてはっはっは!って笑ってる。しかも日に日に似てくる!」。
どのシーンかわかりますか?ということで、井上さんが実演。「監視がきて、入れ替わったってばれないように僕が毛布をかぶって...」と、井上さんは浦井さん=チャールズに扮し、福井バーサッドの肩を借りて実演しているのですが、さらにその実演に浦井さんが参加したため...。
「オマエは誰だ」状態に(笑)。
案の定、井上さんに「それ、誰ですか」とツッコまれてしまう浦井さん。
...それはさておき、セリフとしては「いや別に」「気を失っているんだ」という部分です。
井上さんの実演に、場内拍手です。確かに似ています。
続けて、
井上「浦井健治です!」
浦井「井上芳雄です!」
井上「「いや別に」って言ってみて」
浦井「「いや別に!」」
橋本「ああやっぱ似ているんだ。聞いていたらやりたくなってくるよね」
井上「ちょっとやってみますか貴一さん。浦井健治になったつもりで「いや別に」」
福井「「いや別に!」」
なかなか似ている福井さんのモノマネに場内拍手でした。
でも井上さん曰く、「最初はあんまり普段のしゃべり口調と変化をつけていなかったんですが、鵜山さんが「もっと似せてくれるかな」っていうことなので。でもモノマネしているつもりはなくて、ちょっと高く言ってるだけなんですよ」とのことでした。
橋本さんのお気に入りのシーンは、「モノマネのコーナーの付近の(←違います)山名(孝幸)君。健治を運ぶ時に、「そろそろお前の番だからな」って言うところのちょこちょこっとした足が、一瞬イソップ童話に出てきそうで(笑)」だそうです。
こちらも実演。
福井さんは「最後のカーテンコール」。みなさんがおじぎをしたりする前、一瞬ポージングをとっているところです。「夏休み読書感想文で、長編の本を読んだあとみたい。フラッシュバックした感が一番感動した」そうです。
福井バーサッドはこんなポーズをとっています。
宮川さんは、「さとし君のシーンなんだけど、2幕のアタマで、手紙を見つけるところ。2階部分でね。あそこ、途中までは左足を引きずっている。階段を下りてくるといつのまにか右足を引きずってるの」。
...衝撃発言に、ステージ上も客席も、やんややんやの大盛り上がり。
橋本さん、「気付かなくていい!...あのね、階段の途中でどっちかわからなくなるのよ~」と大慌てです。
ちなみにどんどんヒゲがお顔中に広がっていく宮川さんの風貌については浦井さん、「逆さ絵みたいですよね」「ハリー・ポッターに出てきそう」と言いたい放題(笑)。
しかも、宮川さん、「毎日、朝のウォーミングアップや帰りも会ってるし、私生活でも会ってるのに、今朝、「そのヒゲ、本物なんですか!?」と健治に言われた」と仰ってました(笑)。
そして、ニコニコとロッキングチェアでゆらゆら中、「キーヨ、休んでないで!」と岡さんに指名された今井さんもまた、衝撃のシーンをピックアップです。
今井「俺ね、好きっていうか困ってるんだけど。チャールズとのデュエット、娘をあげるよ、って歌があるじゃないですか。健治が(舞台袖に)引っ込んだあと、そこでガッツポーズでジャンプするの。...私の視界に入ってるんだけどって思って(笑)。そこが俺、気に入ってるシーンなんだけどね」
井上「お客さまからは見えてないシーンですね(笑)」
今井「でもそのあとも歌わなくちゃいけないから。♪立ち去る時、...って歌いながら、この男に娘を託していいものか考えちゃうの! あれ、勘弁して欲しいんだけど、気に入ってるシーンでもあるの...」
浦井「だって、キーヨさんと、デュエットさせていただくなんて、ミュージカル界ではなかなかないじゃないですか!」
井上「<ミュージカル界じゃないと>ないんじゃないんですか!?」
浦井「本当に感動しながら(袖に)はけて、キーヨさんと歌えたー、うっひょーい!って」
岡「それはお父さんから許しをもらったということではなく、キーヨと歌ったという喜びなんだ(笑)」
橋本「袖に入った瞬間、"浦井健治"やね!」
爆笑が止まりません...。
井上さん、おなか抱えて笑ってます。
井上さんのお気に入りのシーンは「いっぱいある」と言いながら、最初の裁判のシーンをセレクト。
「裁判の係員みたいなのやっている横沢健司さんが、みんなで歌ってる時にものすごい踊ってるんですよ!最初見た時に幻かな?と思って(笑)。きいたら自由にやっていいって言われて踊ってるらしいんですが」とのことなのですが、宮川さんに「君が一番自由だよ!自由すぎる」と言われてしまい、「演出家からは、とにかく横沢さんが口上みたいに話しているところの邪魔をしてくれと言われてるんで、手を変え品を変えやっているんです。酔っ払っているという設定なので何をやっても大丈夫かな、許されるかなって!」ということでした!
浦井さんのフェイバリットは「いろいろありますけど、キーヨさんが、♪今夜の罪をー♪って歌っているところ。僕、目の前にいるんですが、キーヨさんが目の前で歌ってるから嬉しいわーっていつも思ってる」という発言から...
岡「普通のファンだな!単なるキーヨファンじゃないか!」
井上「しかもね、これ、本気なのかという疑惑が...」
浦井「本気です!」
井上「浦井健治は本当に天然なのか、計算少年なのか」
岡「この前うちの楽屋でちょっと話をしてて、ハワイ行きたいですよね、ハワイって4つ島があるんですよね、オアフと、ハワイと、マウイと、グアムですよねって言ってたよ。...計算?それ」
井上「でも彼は実際、すごい計算できるんですよね。簿記一級?」
岡「じゃあ計算なんじゃん!」
井上「まあその計算とこの計算は違うと思いますが(笑)」
橋本「簿記一級すごいね、演劇界で理数系って珍しい」
井上「あとけんだまも上手なの」
浦井「そうです、けんだま二段!」
井上「ますますわけがわからない...(笑)。それ、活かしていったほうがいいんじゃない?」
と、浦井さん計算疑惑から隠された特技まで話が及びました(笑)。
↑浦井さん、思案顔で計算中?
終始こんなかんじのトークショーでしたが、少しは(?)マジメなトークもありました。
岡さんに突如「この作品のみどころは」と話題をふられた福井さん。
「命の連鎖ですね。よく子供が訊くじゃない、命って何?って。今はスマートフォンみたいな便利なものに囲まれた生活だけど、命というのはめんめんと繋がったもの、おじいちゃんがいて、親がいて...って、繋がっていくからこそ大切。それが描かれているのがこの作品」ときちんとまとめてくれました。
橋本さんも、「テレーズ(濱田めぐみさん扮するマダム)は、やっぱりちゃんと送り出してやりたい。いつも、人の死というのは残されたものへの課題だったり試練だったりするなと感じながらやっています。残されたものがそれを受け止めてどう生きていくかという。そういうものはいつも感じますね」。
井上さんも「日々、どうやって死んでいくかというのは、考えています。やっぱり死んでしまう役だから、その日、その回、開演してから最後のシーンまで、どうやって舞台上で人生を生きて、どんなことを最後、自分は思うんだろうと。もちろんストーリーは変わらないけど、毎回感じることは違っているので、そこを毎回探求するのが面白い。最後のシーンもどんどん変化してます。最初の方は、哀しさとか思いを残したり、ということがあったんですが、どんどん、喜びと言ったら変ですが、神様が近くにくる感じがすごくして。...すごいことだなって思います」と話していました。
また、カートンのお針子への思いへも話が及びました。
岡「お針子にたいしてはどうなの。結構お客さまも気になってると思うよ」
井上「それはプライベートなことなんで...(笑)。でも、昨日観にきた知り合いの方が、お針子のことを話してて、その方の知り合いで、お産の時にご主人が立ち会えなくて若いお医者さんが手を握ってくれて、その時に「私この人のために産む!」って思った、という話をしていました」
浦井「ああ!そういう極限状態になると、目の前の人ですます、みたいな...」
劇場を一瞬、静まりかえらせてしまう浦井さん。
そして岡さんが「バカか、お前!」と一喝(笑)。「ここ(喉)まで出掛かってました...ありがとうございます!」とお礼を言う井上さん。
話を戻して、井上さん、お針子への思いは「やっぱりルーシーのことを思っているんだけど、目の前に自分のことを本当に必要としている人がいる、またそれも感謝だなって。この人を与えてくれた運命とか人生に感謝。でもお針子とは、ルーシーとはできえなかったことをできている気がするんですよね。手をとりあったり励ましあったり。だからルーシーや小さいルーシーとお針子はだぶる。...正解はないけれど」とのことでした。
浦井さんも面目躍如?
カートンの言葉をダーニーが書き取るところについて、「鵜山さんの演出では、「ふたりの遺書を書け」って。だからあそこで書いてる言葉が、全部僕の遺書でもあるんです。僕もカートンも、あそこで一回死んでる。そこから生まれ変わる。"蘇り請負人"って何度も何度も出てくるけど、"蘇る"ということが素敵だなって思います」と、素敵エピソードを語り、
井上さんも「僕もそこ、「なんでダーニーに書かせるんですか」とよく言われるんですが、やっぱりそれは思いを共有したい、ってことですよね。ルーシーに伝えたい思いではあるけれど、ダーニーにも知っておいて欲しい、という遺書」と話していました。
『二都物語』、残り数回ですが、そんな登場人物の思いを感じながら見るとまた、別の顔が見えてくるかもしれません。
千秋楽間近、思い残しのないようにご注意を!
公演は8月26日(月)まで、帝国劇場にて。
★恒例の、終演後のサービスショットです!★