■ミュージカル『二都物語』 華麗なるその世界 vol.2■
今夏、帝国劇場にて上演されるミュージカル『二都物語』。
現在カンパニーは稽古真っ最中です。
先日、その"顔寄せ"の模様を掲載した【げきぴあ】ですが、またまた稽古場に伺ってきましたよ!
連載第2回目は、そのレポートをお届けします。
ミュージカル『二都物語』は2007年フロリダ初演。
その後ブロードウェイでも上演された注目作ですが、日本では今回が初お目見えです。
一体、どんな作品なんだろう!? と思われている方も多いのでは。
そしてストーリーも...文学史で勉強した覚えはあるんだけど、タイトルは知ってるんだけど、実は読んだことないや...という方も多いのでは!?
...スミマセン、私です。
ということで!
わかりやすく、プロローグのシーンのお稽古からバッチリお邪魔してきました!
こちら、プロローグのひとコマ。
ドクター・マネット役、今井清隆さんの朗々たる歌声が稽古場に響きわたります。
しかし、その美声の後ろでは不穏な場面が展開されていて...。
サン・テヴレモンド侯爵役の岡幸二郎さん。
鋭い目です。怖い!!
一瞬で終わってしまうシーンですが、のちのち、このシーンが物語の展開をガラリと変える重要ポイントだったことがわかります。
皆さま、冒頭から目を見開いていてくださいね。
一瞬で終わってしまうシーンですが、のちのち、このシーンが物語の展開をガラリと変える重要ポイントだったことがわかります。
皆さま、冒頭から目を見開いていてくださいね。
ドクター・マネットは行方不明になり、幼い娘のルーシーは、マネット家の財産管理人ジャービス・ロリーから、ミス・プロスへと託されます。
ロリーは原康義さん、ミス・プロスは塩田朋子さんの文学座コンビです。
原さん扮するロリーは、真面目で厳しそうな男性ですが、幼いルーシーが懐いているところから本当は優しい人なんだろうなあ、という印象。
原さん、笑顔が素敵です。
ミス・プロスも、しっかりした部分と多少の無遠慮さがあり、頼れる乳母やさんという感じ。
数分のシーンで、キャラクターの人柄が伝わってくるのが、さすが!
女の子の子役さんは4人体制です。
4人で2役をまわすとのことで、プロデューサーさん曰く「リトル・コゼットとリトル・エポニーヌを4人でまわすのと同じ」だそうです。
演出は4人一緒に受けています。一気に4人の子持ちになってしまった原さんです。
こちらは演出の鵜山仁さん。
岡さんはオープニングシーンの動き(アクション)をつけています。
アクション指導は、渥美博さん。
ここでは「2回刺すより、1回"ズン"と刺すだけの方が、いいですかね」等々、鵜山さんと渥美さんで話していました。
幼いルーシーが成長すると...
すみれさんになります!
成長したルーシーの元に、父であるドクター・マネットが生きていた、という知らせが入るところから物語は回り出します。
ちなみに上記の場面でルーシーがいるのはイギリス。
『二都物語』、タイトル通りロンドンとパリの"二都"をまたにかけて物語が展開します。
そして場面は変わってパリ、ワイン酒場。
酒場のおかみ、マダム・ドファルジュが編み物をしながら歌を歌っています。
ちょっと達観したような、文学的で意味深な歌です。
マダム・ドファルジュは濱田めぐみさん。
濱田さんの歌には物語があります...。
彼女が歌うと、一瞬で世界に色が付く感じ。ドラマチック。
こんなに深い歌を歌う彼女、ただの酒場のおかみじゃない、はず!
マダムの旦那さんである酒場の主人、ドファルジュは橋本さとしさん。
ドファルジュはかつてマネット医師に仕えていたこともあり、見つかったマネットをひきとっています。
そこに、父が生きていたと知ったルーシー一行が尋ねてきます。
すみれさん、思いつめたシリアスな瞳も凛々しい。
自分のことすらわからなくなっているマネット医師ですが、娘の姿を見て、少しずつ記憶を蘇らせていきます...。
マネット医師に何があったのか?
そのあたりも物語のポイントです。
父に寄り添う娘。
鵜山さんは、その角度なども細かく演出していきます。
そんなシリアスなシーンで、「先生はその手紙をバスティーユに忘れてきたんです」というところを「ドーバー海峡に忘れてきたんです」と言い間違えた橋本さん...。
一瞬の沈黙ののち、皆さん、爆笑です。手紙、濡れちゃいますよ~(笑)
こちらはワイン酒場の外。
生活の苦しい民衆たちは怒りを抱き、また領主であるサン・テヴレモンド侯爵に不満を募らせています。
そんな中で、侯爵の馬車の荒い運転で、ワイン樽が割れてしまうシーン。
動きが多いので、アクション指導も細かく入ります。
こちらは渥美さん。
樽が割れて、流れたワインを飲もうと人が集まってきますが、「樽だ、酒だ!とわかるのは、君たちが台本を読んでいるから。普通は、それが酒だとすぐわかることはありえないです」とピシリ。
「すぐ食いつかないで。馬車を見送って、酒だ!何何!?と、一度違う動きをしてから、気付いて戻ってくる」と、人物の動作に合理性を持たせていく渥美さんのアクションです。
転がってきた樽は、誰かが止めるのですが、ここでは樺島麻美さんがガシッと男らしく足で止めていました。
何度かやっていましたが、女性が雄々しく止めること多し...(笑)
アンサンブルの皆さんの動きをつけている間、談笑しているドファルジュ夫妻。
濱田さん、待機中もずーっとナチュラルに編み物を続けていました。
稽古が終わる時には何か編みあがってそうですね!
稽古場レポ、続きます!
公演は7月18日(木)から8月26日(月)まで、帝国劇場にて。チケットは発売中です。
★おまけ★
主人公ふたりが登場しなかったので...
休憩時間に目線をいただいた、楽しそうなツーショットを最後にどうぞ!
シドニー・カートン役の井上芳雄さんと、チャールズ・ダーニー役の浦井健治さんです。
カメラを向けると、ささっと台本を手にアピールのポーズをとってくれた浦井さん。
井上さんはごそごそ...。
違うチラシを手にする井上さんでした!
「そっち!?」と大爆笑の浦井さん。
井上さんが出演する「オリンピックコンサート2013」も、チケットぴあでチケット発売中です。
こちらの公演は今週末! 井上さんとは『ルドルフ ザ・ラスト・キス』『三銃士』で恋人役を演じた和音美桜さんの共演、さらに『エリザベート』にも出演していた藤本隆宏さんのナビゲーター...ミュージカル好きの心も騒ぎます☆