老朽化のため2010年より建て替え工事を行っていた東京・歌舞伎座が、2013年4月2日、ついに「こけら落とし公演」の初日の幕を開けました。
歌舞伎ファンにとっては待ち望んだ日がようやく訪れたという記念すべき日ですね。
雨にもかかわらず、大勢の観客が歌舞伎座前に長蛇の列を作った、なんてニュースをみると、早く歌舞伎座に行きたくてうずうずしている方もいるのでは?
そこで、ぴあでは先日マスコミ向けに行われた歌舞伎座内覧会の模様をご紹介いたします。
新開場した歌舞伎座は1889年の初代から数えて5代目(第五期)となります。
第四期との一番の違いは29階建ての歌舞伎タワーが併設されていること。
とはいえ、歌舞伎座の外観は昔のままという印象。
それもそのはず、前期の意匠を踏襲した外観は、唐破風屋根、飾金物(前期のものを再使用)、歌舞伎座の座紋・鳳凰丸が入った提灯、そして櫓と歌舞伎の殿堂にふさわしい風格あるただずまいがそのまま再現されています。
玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのが大間と呼ばれる美しいロビー。絨毯の模様は第四期歌舞伎座開場時に用いられた平等院鳳凰堂の方立の模様を再現したもので、観客を華やかな世界へと誘ってくれます。
1階客席に入るとここも前期とほぼ同じつくりになっています。
歌舞伎座といえばこれ、黒、柿、萌黄の三色の定式幕。
違いといえば、椅子が大きくなったこと。
座席の横幅が約3センチ、前後が6センチも広がりゆったり座れるサイズにかわっていました。
しかも、座席に物(たとえば携帯とか)を落としても、下からスルっと出てくる構造になっているのだとか。
細かいところまでしっかり計算されているんですね。
座席には「字幕(G・マーク)ガイド」が設置できるようになっています。
これは日本初の劇場常設ポータブル字幕表示モニター。
内容も解説だけなのかと思いきや、なんと"台本チャンネル"もあるそうです。上演台本をそっくり見られるなんて、歌舞伎ファンにはたまらないですね。ちなみに有料です。レンタル料は1台1,000円。ここぞ、という演目を観るときに活用するといいかもしれません。
もちろん「同時解説イヤホンガイド(有料)」もありますよ。
客席数は、1階897、2階441、3階470=計1,808席。
これに一幕見席(椅子96、立ち見60=計156)をあわせると、定員は1,964名となります。
エレベーター、エスカレーターが導入されました。
写真は2階から。
2階桟敷席はこんな感じです。
3階席からみた風景。
天井は吹寄竿縁(ふきよせさおぶち)天井を継承。
舞台の下、奈落です。
「大迫り」という文字がみえます。
ここでワンポイント。
廻り舞台には従来の松ゼリ6.23尺(1,887m)×48.5尺(14.695m)、竹ゼリ9.26尺(2,805m)×28尺(8.484m)、梅ゼリ4.5尺(1,363m)×10尺(3.03m)の3つのセリのほか、盆の反面に大ゼリがつくられ、舞台上手袖も9m広くなり、舞台転換がよりスムーズに行われるようになりました。
花道も前期の長さ(60尺/18.18m)を踏襲。
2階の女性用トイレ。
当然ですが綺麗です。
3階ロビーに飾ってある「想い出の歌舞伎俳優」パネル。
勘三郎さんや団十郎さんのお写真もありました。
歌舞伎観劇では幕間の食事も楽しみのひとつ。
劇場内のお食事処を利用して優雅に過ごすのもアリですね。
ここでは一部をご紹介します。詳しくは公式HPにてご確認ください。
http://www.kabuki-za.co.jp/eat/menu.html
「ほうおう膳」は彩りがきれい。少量ずつ様々な味が楽しめるのがいいですね。
花魁八ツ橋の十三段重ねの草履をイメージした「KABUKU~へん」
外人のお客様も喜びそう
階段にもこんな名前が付いています。
屋上庭園は広さが約450㎡。
河竹黙阿弥の石燈籠や蹲踞などがあります。
都会の喧騒をひととき忘れて、観劇の合間に訪れてみては?
楽屋口は近代的に。
東銀座の駅と直結した歌舞伎座は雨の日でも濡れずに行けるのが嬉しいところ。
以前は歌舞伎座前の地下鉄入口前が大混雑だったことを考えると、画期的ですね。
新しくなった歌舞伎座のほんの一部をご紹介しましたが、まだまだ発見がありそうです。続きはぜひ劇場でお確かめください。
歌舞伎座のチケットはチケットぴあにて発売します。
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初回のインタビューは作家の松井今朝子さんに初心者でも楽しめる"歌舞伎見物"についてお話を伺いました。
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