市川海老蔵さんが2月18日に都内で会見を開き、ル テアトル銀座『三月花形歌舞伎』への意気込みを語りました。
会見の模様はチケットぴあニュースで紹介しています。
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げきぴあでは、ニュースで紹介しきれなかった海老蔵さんのコメントを掲載いたします。
――団十郎さんへの思いについて
「目を閉じれば父は心の中におります。やはり、歌舞伎十八番のことを思い出します。『三月花形歌舞伎』の口上については、私ひとりで勤めることになりました。父の想い出話などでお客さまと一緒に父を偲ぶというか、思い出していただければと。父は祖父である11代目を早くに亡くしましたので、祖父から習ったのは『勧進帳』の弁慶と『寺子屋』の松王だけでした。私は歌舞伎十八番でいうと『矢の根』以外は父から教わっていたものですから、ありがたいと思っています。(教わった様子を撮影した)ビデオを見ながら勉強していきたい」
――団十郎さんが亡くなったことで市川宗家を守る立場になると思います。その決意はいかがでしょうか?
「突然のことだったので、最初はとまどいましたが、こどもの頃からいつかこの日がくると覚悟はしていました。その時が早いのか遅いのかだけで。父を失って私もさびしいですけれども、市川宗家としての重圧、責任というものは父が生きていた頃とはまったく違った重みを感じています。覚悟というか、それは受け止めるしかないです。自分としても鍛錬を重ね、今まで気づかなかったことにも目をむけ、父が守ってきたものをきちんと受け継いでいきたい。歌舞伎をみなさんに楽しんでいただけるよう勤めていかなければならないですし、その気持ちはいっそう強く感じています。覚悟はもちろんあります」
――俳優として団十郎さんに教わった一番大きなものは何ですか?
「父は大らかで優しい人でした。また若くして11代目団十郎を亡くして苦労した人でした。父は歌舞伎以外のさまざまなことにも気を配っていましたし、息子からみたら役者以外のことをやっていて大変だな~と思いましたが、それは市川宗家として、すべてを背負っていたからだと。父は言葉数の少ないほうでしたが、ああしなさい、こうしなさいと言われるよりも、見守られていたときのほうがちょっと怖かったです。それはわたしなりに理解していますし、言葉では言っていないけれども、言っていたんだと思います」
――海老蔵さんにもじきに長男が生まれるますね。今度は父親として息子にどんな背中を見せたいですか?
「まだ生まれてないので何とも(苦笑)。 わたしは父の背中をみて育ちました。『連獅子』を勤めたとき、舞台で父の背中を見たのですが、それが何とも言えなくて忘れられない。子どもにとって、まずわたしが恥ずかしくない歌舞伎役者になっていなければならない」
――お父様にも会わせたかったですね。
「孫も抱きたかったでしょうし、舞台にも一緒に出たかったでしょう。けれど、それはどうしようもないことですから。父もどこかで見守ってくれていると思います」
公演は3月3日(日)から24日(日)まで東京・ル テアトル銀座 by PARCOにて上演。チケットは発売中。