年明け早々に開幕するミュージカル『シラノ』。
日本でも人気の高い作曲家、フランク・ワイルドホーンが手がけた作品です。
初演は2009年。
世界に先駆け日本で初演の幕を開けました。
主人公シラノは初演に続き、鹿賀丈史が演じます。
12月22日、都内某所にてこの作品の[稽古場見学会]が行われ、報道陣のほか、抽選で当選したファン約50名も来場しました。
司会進行は、演出の山田和也さんと、指揮の塩田明弘さん。
ミュージカルファンにはおなじみ、とってもトークがお上手な両名。
この日も「フランク・ワイルドホーンの作品を見たことがある人?」など、来場したファンに声をかけるなど、場を盛り上げていきます。
おふたかた曰く、『シラノ』は稽古が始まるのが早く、この時点で歌稽古が始まって3ヵ月、稽古場に入って1ヵ月がたとうとしているところ、だそうです。
一般的なミュージカル作品だと、歌稽古1ヵ月、動きをつける稽古で1ヵ月...ってところでしょうか。
キャスト・スタッフの気合いの入れようがわかりますね!
『シラノ』は音楽的にはアメリカン・バラードテイストでとてもロマンチック、ワイルドホーン作品の中で言うと『ジキル&ハイド』と『スカーレット ピンパーネル』を足して2で割ったような作品です、と山田さん。
また初演時と今回とでは台本も譜面もリニューアル、盛りだくさんだった初演に比べ、今回はややスリム化して、ボディライン(ストーリー)を際立たせ心情をくっきりさせたとのこと。
また山田さんが、「何よりの大きな変化は、指揮があなたに変わったこと」と塩田さんを指さすシーンも。
その口調に場内からは爆笑が起こっていましたが、塩田さんの指揮は迫力があってノリがいいので、楽しみですね~。
そんな感じで、作品のみどころが語られたのち、いよいよ歌唱披露です。
ロクサーヌとクリスチャンがWキャストになっている今回のキャストですが、まずは彩吹真央さんのロクサーヌ、平方元基さんのクリスチャンが登場。
「幕を上げろ」、オープニングのナンバーです。
ロクサーヌ、クリスチャンをはじめ、シラノ以外のほとんどの登場人物が出て来て、それぞれの役どころがわかるとともに、活気のあるコーラスワークも響き、一気に観客を物語の世界に引き込みます。
ル・ブレ役の戸井勝海さん、ラグノー役・光枝明彦さんや...ド・ギッシュ伯爵役の鈴木綜馬さんの姿も。
この日の出来については山田さん、「昨日はうまくいかなかったけれど、今日は100点」と満足気な評価。「こうして1曲ずつ歌って、演出をつけ、振りを確認して...の作業を繰り返しているんです」と解説。
続いていよいよシラノ=鹿賀丈史さん登場!
1幕2場の「ベルジュラックの夏」。
鹿賀さんのシラノは、低音が響きわたり、その声からまた切なさが伝わってきます。
続けて鹿賀さんシラノが切々と歌う『ロクサーヌ』、
さらにシラノ+濱田めぐみさんのロクサーヌ、田代万里生さんクリスチャンで『これが恋』、
シラノの『俺の言葉で くちづけを』が披露されました。
『これが恋』は、バルコニーで恋を語るロクサーヌとクリスチャン、それを聞いているシラノ、という切ないシーンなのですが、山田さんからはミュージカルでは3大バルコニーのシーンがありますが、そのうちのひとつが『シラノ』です、なんていう解説も。
(ほかのふたつは『ロミオとジュリエット』『ウェストサイド・ストーリー』ですね!)
全5曲が披露された稽古場見学会でしたが、とにかくキャストの歌唱力がすごい!
楽曲もワイルドホーンらしい"聴かせる"ナンバーばかりですので、これは本番が楽しみです。
稽古場ダイジェストは公式HPにあがっていますのでチェック。
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公演は1月6日(日)から29日(火)に東京・日生劇場(1月5日(土)にプレビュー公演あり)、2月8日(金)から10日(日)に大阪・新歌舞伎座にて。