12月23日(日)から1月20日(日)まで、東京・新国立劇場 小劇場にて上演される新国立劇場演劇『音のいない世界で』。
この作品は、新国立劇場の演劇部門では初めての「子供に開かれた」大人の演劇です。
と書くと、子供向けなのか大人向けなのか迷うかもしれませんが、「子供も大人も楽しめる」という作品なのです。
子供の目線からみると、まだ見てはいけない「大人の世界」を覗き込んでしまったようなワクワク感が味わえる作品になるとのこと。
そんな新しい世界を切り開くメンバーはいずれ劣らぬ豪華な顔ぶれ。
出演は、作・演出も兼ねる長塚圭史さん、ダンス集団コンドルズを率いる近藤良平さん、バレエからストレートプレイへと活動の幅を広げる首藤康之さん、そして、演劇・ドラマ・映画と幅広く活躍する松たか子さんの4名です。
この4人の出演者が、すべての登場人物、キャラクターを演じ分けながら、物語が進んでいくのもこの作品の大きな見どころです。
◎あらすじ◎
ある冬の日、大切なカバンを盗まれてしまったために「音」を失った貧しいセイ。
カバンを取り戻そうとひとり旅に出る。
カバンを盗んだ男の足跡を追って季節をまわるセイ。
セイがいなくなってしまったことで、夫もまた「音」を失ってしまう。
夫はセイを追って旅に出る。
セイの歩いた季節をたどる夫。
果たしてふたりは再びめぐり会えるのか。
また失われた「音」は取り戻すことができるのか。
そして盗まれたカバンの中身とはいったい......?
12月某日、その稽古場を取材してきました。
この日取材したのはセイを追う夫と、酔っ払った羊飼いと羊のシーンです。
夫役の首藤さんと、羊飼い役の松さん、羊役の近藤さん。
演出の指示を出す長塚さん。
さまざまな方法を試したり、共演者と相談しながらひとつひとつのシーンを丁寧につくっていました。
稽古場の雰囲気はとても和やか。松さんのこんなすてきな笑顔も!
首藤さんが覗いている木の筒や、脇に挟んでいる黒い円盤のようなものは、どうやら物語のキーとなるようです。
酒を飲みすぎて酔っぱらった羊を演じる近藤さん。台詞は「メメメ」だけですが、身体をつかった表現など近藤さんならではの見どころもあります。
セイ役を演じている松さん。羊飼い役のときとは全然表情が違って驚きました。
出演者の4人で密談?いえいえ、ひとつのシーンにも拘って、みんなで話し合ったり確認しているところです。和気藹々な中でも真剣な表情が印象的でした。
失われた「音」をキーワードに展開される不思議な一夜のものがたり。
クリスマスからお正月と街もにぎやかになるこの季節。
子供たちや家族と、仲のよい友人とぜひ一緒に楽しんで欲しい舞台です。
公演は12/23(日) ~ 1/20(日)まで新国立劇場 小劇場にて上演。
その後、1/24(木) ~ 1/25(金)まで宮城・ 仙台市宮城野区文化センター パトナシアターを回ります。