■『美女と野獣』東京公演千秋楽カウントダウン! 第2回■
劇団四季ミュージカル『美女と野獣』、東京公演千秋楽まであと66日です!
ディズニーアニメでもおなじみの名曲に、魅力的なキャラクター、華やかなダンス、そして豪華な舞台セット。
そんな世界を東京で味わえるのもあとわずか。
首都圏の皆さま、今のうちですよー!
本日はその『美女と野獣』の舞台の裏側を探る「バックステージツアー」のレポートをお届けします。
舞台にあがると、可愛らしいベルのおうちが...。
いかにもアニメの世界からそのまま飛び出てきたような可愛らしさ。
ガストンの肖像画(劇中でベルがガストンに無理やり贈られていますね)も。
こちらは、ベルの父親モリースの車。
モリースは発明家なので、車にもいろんな創意工夫が。
車の横にはリスが乗ってます。知らなかった!車が動くと、輪っかがくるくる回ります。
なぜかピクルスも積んであります...。
この車、中にバッテリーが仕込まれていて、俳優さんがスイッチで動かすそうです。
細々とした飾りを動かしたりと運転以外の部分はスタッフさんがリモコンで。
舞台をご覧の方はわかるかと思いますが、薪を割るのなども、リモコンで動かしているとのこと(上の写真、わかりにくいですが、まさに薪を割っているところです!ちなみにその「薪」は、持ってみると重いような軽いような、不思議な量感でした)。
こちら↓の黒い部分が、俳優さんが運転のときに使うスイッチ。
舞台にはこんな風に、綱がいっぱい。この綱に、セットや幕など「吊りもの」を吊っていきます。
四季の劇場の綱元はどんな作品にも対応できるように、と数が多くて、この夏劇場には94本あるそうです。
『美女と野獣』ではそのうち40本ほどを使用。
そして舞台にはそこかしこにハートマークが。
このベルの家だけでも、30個くらいハートマークがあるそうですよ。ハートマークは『美女と野獣』のメインモチーフです。夏劇場に向かう道にもハートマークの模様があります。
意外なところに隠れているハートを探してみるのも楽しいかもしれません。
王子様が人間に戻ったのち、履いているブーツにもハートがついていたりするそうですよ!
さて、場所は変わってこちらは音響ブース。PA席と呼ばれたりしますね。
だいたいの劇場で、客席1階の後方に置かれています。『美女と野獣』では、音響スタッフさんは4名。
通常の作品では3人体制が多いそうで、1名多い形です。
ひとりは俳優さんのマイクのオペレート、ひとりはオーケストラの音を俳優さんの動きにあわせて一つずつ鳴らしていく音楽担当。
このブースにいるのが通常この2名で、この作品ではさらにもうひとり、「効果音担当」さんがいらっしゃるそうです。
説明してくれたスタッフさんはマイクの担当。
ワイヤレスマイクをミュージカル俳優さんはおでこや頬につけていますが、TVなどで見るように胸元につけない理由は、胸につけても音が拾えるけれど、横を向いたりすると音が拾いにくくなってしまうので、どんな体制でも均一に音が拾えるように顔につけている...なんて話をしてくれてました。
ちなみに顔に貼り付けるのには、普通に市販されている医療用ばんそうこうを使用するそうです。
またこちらの写真。マイクの先端が2本になっているのわかりますか?ベルと野獣には、ワイヤレスマイク、本線と予備の2本ついているそうです。本線に何かあったらすぐ予備に切り替えられるように。
へぇ~!
そして4人目の音響さんは、ステージの袖にある「検聴ブース」にいらっしゃいます。マイクが30本近くので、そのマイクのケアを担当しているとのこと。
まだ出ていない俳優さんのマイクがきちんと動いているかのチェックから、マイクを入れる袋の作成まで。スタッフさんの仕事は多岐にわたっています...。
ほかにも舞台にはこんなものもありました。
これは本屋さん。並んだ本の中には「BEAUTY AND BEAST」もちゃんとありました!
こちらは野獣のおうちにある鏡ですね。
舞台にあるこの溝の下にはチェーンが入っていて、ここを通ってセットの出し入れがされるそうです。
諸都合でお写真はありませんが、衣裳の説明も。
衣裳、複数あることはあるそうですが、俳優さんが変わると、その都度衣裳担当さんがその俳優さんにあわせて微調整するそうです。大変...。
「『美女と野獣』は着るのが難しいものが多い」なんて話も。
<泡たて器>なんかは、大きい人は跨いでスカートのように履きますが、小柄な人は跨げずに上からかぶるそうです。
またこの作品、魔法によって道具に変えられてしまった、野獣の城の家来たちの衣裳も見どころですが、重いものは10キロもあるとか。
<シュガーポット>の衣裳は重そうに見えますが2~3キロ、と仰ってました。
それからこちら、最後の決闘のシーンで使われるセットの裏側なのですが...赤い矢印の先、白いペンキで色を塗られているのわかりますか?
もちろんセットの裏側なので、模様などではなく...。
これ、暗いところで俳優さんが頭をぶつけないように、わざと白いペンキでラインを引いて目立たせて、わかりやすくしているそうです!
スタッフさんの心遣いに感心...。
そして、特別ゲスト登場の質問コーナーもありました!
ゲストはガストン役の野中万寿夫さんと、泡たて器役の森田江里佳さん。まずは「どうして劇団四季に入ったんですか?」という質問。
森田さんは「大学で演劇学を専攻していて、それと同時にミュージカルのサークルにも入っていました。就職をどうしようと考えた時に、これを生業にしていけたらと思って四季に入りました」。野中さんは「僕も大学で勉強していて、ほかにも選択肢はあったと思うんですが最初に劇団四季を観てすごく衝撃を受けちゃって。職業として俳優をするのならここ、と思ってオーディションを受けました」とのこと。
なお、きっかけになった作品は、野中さんは『ジーザス・クライスト・スーパースター』、森田さんは『ウィキッド』だそうです!
お次の質問は「セリフはどうやって覚えるんですか?」
「どうやって覚えるかというのはあまり考えてなくて、『覚える』です。自分のセリフだけを覚えてもしょうがないので、ひとのセリフを聞いて、その内容から発想することと併せて自分のセリフを覚えていくと覚えやすいです。一番覚えにくいのはモノローグ。ずーっとひとりでしゃべっているのはきっかけが掴みにくい。会話になっているセリフはすごく覚えやすい。人がキーワードを言ってくれば、それに反応する、自分が言ったキーワードに対して相手が反応する、と考えていけば」と野中さん。
そして「性別が違ったらやりたい役は?」という質問も!
野中さんは即答で「バベットやりたい!」
色気たっぷりですね~。
森田さんも「あれ、いいですよね!ちょっと(野中さんのバベットを)見てみたい...」
そんな森田さんは「私は男の人だったら...ガストンやりたいですね~!だってかっこいいもん!!」と、野中さんの役を。
「悪役は面白いよね。...二枚目ができないっていう裏返しでもありますが(笑)。悪役は楽しいよ。(ライオンキングの)スカーとかもやっていますが、こうなったらディズニーシリーズのもういっこの悪役もできたらいいなと思います」と、野中さんでした。
以上、ゴージャスな舞台の裏側を、少しだけですがお届けいたしました!
公演は四季劇場[夏]にて、1月27日(日)までロングラン公演中。
チケットは発売中です。