『エリザベート』東京公演は残すところあと1週間。
東京のみなさま、『エリザベート』堪能しましたか?
本日は6月15日の第4回アフタートークの模様をお届けします。
出席者は春野寿美礼さん、岡田浩暉さん、平方元基さん、という第3回と同じく"ハプスブルク・ロイヤルファミリー"のお三方。
そして、皆さん揃って2012年版が『エリザベート』初参加、でもあります。
前回は冒頭の少女時代の衣裳でトークショーに参加された春野さん。
今回は『最後のダンス』の時のドレスです。
「今日は結構、感情が高ぶってしまって、顔中で涙が踊りまくりながらお芝居をしていたのですが...。ちょっと今はそれがダウンしたので、今はほっとしています」と現在の心境を。
皇帝フランツ・ヨーゼフ役、岡田さんはアフタートーク初参加。
「僕は、"疲れたー!"ってかんじです。割と(フランツは)後味が結構悪いんですよ(笑)。だからカーテンコールで出てきた時のみなさんの拍手で本当に救われるんです。ありがとうございます。でも、(後味の悪さが)抜け切れていないところもあります。最後があんな感じの、絶頂の苦しみで(苦笑)...」
言われてみればそうですよねえ、エリザベートとトートは満足(?)して終わっていきますが、フランツはやり切れないですよね。
ルドルフ役の平方さんは、
「僕は顔中に汗が踊るかんじです(笑)。暑かったなあっていつも思っています」
と終演後の感想でした。
この3名でお話することは、実は初めて!?ということで、その後、恒例の質問コーナーに入る前には、平方さんの「岡田さん、なんだかお久しぶりですよね」というひと言からこんなトークが。
岡田「久しぶりですよね」
平方「楽屋でもパパに何故か会わないんです。岡田さん、舞台に出たらいつの間にかいて、はけて(舞台袖に引っ込んで)くるかなって思ったらひゅっといなくなってて。禅さんはいるんですけど岡田さんはいない!」
春野「「岡田さん、会えない...会いづらいよね」
平方「なかなか会えないんです。だから朝、(顔を合わせる)一発目が、舞台で新聞くしゃくしゃって丸めてポーンと投げられる(※舞台上でフランツと青年ルドルフが最初に顔を合わせる「父と子」のシーンですね)のが"おはようございます"なんです(笑)」
岡田「フランツは割と舞台に出たり入ったりが多いので、いろいろな段取りがあって...。禅さんは慣れていらっしゃるんですが僕はまだそこまではいかないので...。...まだそんなかんじなんですが、改めてご挨拶に伺いたいと...!」
そう言いながら平方さんに頭を下げる岡田さんに、平方さんは「いやいやいや!」と恐縮していました(笑)
岡田さんはレアキャラなんですね...!
さて、お客さまからの質問コーナーでは、まず春野さんに「宝塚時代はトートを演じていましたが、トートの歌を歌いたくなったりしませんか?」という質問が。
春野さん、「一緒に袖で口ずさんだりはしています」とのこと。
『闇が広がる』はトートパート、ルドルフパートを日によって変えて歌ったりしているそうです。
さらに「身振りもたまにつきます。東宝版じゃないんですが、宝塚版の♪ルドールフ、ルドールフ♪ってところ(「独立運動」のシーン)の振付が印象的で、ひとりでやってます(笑)。こういう振りなんですけど」
と、振りもやってくれました~。こういう手だそうです。↓
岡田さんには「ルドルフ!と強く言うシーンがありますが、あのシーンのフランツとしての心境はどういうものなのでしょうか」という真面目な質問。
確かに岡田さんの「ルドルフ!」は初めて聞いた時、ビクっとしました。
そんな岡田さん「ちょっと怒りすぎですかね? もうちょっと小さくしますか?」と客席に訊いていて、場内も大笑い。
そしてフランツの心情としては「ハプスブルク家の状況、国同士の問題などが当時は大変で、国自体が傾きつつある、そんな中でも国をどうにかしていかなくてはという気持ちがあります。フランツの心情は最初から協力一致のひと言なんですね。自分を捨てても、感情を捨てても一丸となっていく。それを跡取りのルドルフがそういうことをしてしまうと、結局は自分の跡を継いで皇帝となるルドルフも苦しむ、国も傾いたまま、となりますからそこはどうにかしないと、と。ただ、ほんとうはもっと話をして説得したかったんですよ。フランツとゾフィとの関係が影響して、(ルドルフにも)親子の愛情のかけかたができなかった、というのがフランツとしては悔やまれるところです。怒るということでしか(愛情を)表現できないということが、最後までフランツが苦しむところなんです」
想像以上の大熱弁に、場内もちょっとあっけにとられながら(?)、大拍手!
平方さんへの質問は「ご自分がトートなら、どのルドルフの命を奪いたいですか?」。
平方さん、ひと言「自分です!」。
理由は「(ルドルフは)一生懸命死に抗う、必死の気持ちでいるので、真逆のトートという立場になった時、自分を死に誘えるかな...と」と話していました。
最後の質問は「一番好きな場面、歌、衣裳などを教えてください!」です。
春野さんは「全部大好き、この作品がとにかく大好きなので」と悩みつつ、「衣裳だったら、2幕の一番最初の戴冠式、あの衣裳が好きですね。エリザベートにとってはあそこが一番の絶頂期なんです。演出の小池先生にも、ここはちょっとエリザベートは"いい気"になってもいいんじゃないか、って言われたので、自分自身ちょっと気持ちよく舞台に立っているところがありまして、そこで着ている衣裳なので」と語っていました。
ちなみに一番好きな衣裳、瀬奈さんもそのドレスをあげていましたね~。
岡田さんは「好きな場面は2幕でエリザベートが体操して倒れて、トートが医者のふりして歌うじゃないですか...山口さんだったらウィスパーヴォイスで。(ああやって)歌われるとコロっといってしまいそうなんですけど」と言ったところでまたまた場内爆笑です。フランツがコロっといっちゃだめです(笑)。
「その後の「待っていた!」。あそこがもう気持ちよくて!僕は袖で出番を待っているんですが、いつもあそこでしびれています」
ちょっと山口さん風にセリフを言う岡田さんに、
「ご自分のシーンじゃなくて、そこ!?」と笑い転げる春野さん。平方さんは「自分のシーンは短いんですけど、僕のシーンは全部好きです。自分が普通に楽しんで観られるのは、マダムヴォルフのシーン」
といったところで、すかさず岡田さん「僕も好き!」。
そんなふたりを見て、春野さんは笑いすぎで息たえだえになりながら「うちの家族って...」と呟いていました。なお平方さんは、♪マダムヴォルフのコレクショーン↑♪と上がるところが好き、なんだそうです。
最後に、平方さんが「初日に『闇が広がる』が終わった時にすごく拍手をいただいて、体がゾクゾクっとした。あの感動が忘れられずに毎日毎日舞台に立っています。その皆さんの気持ちを忘れずに一生懸命頑張って大阪の千穐楽まで走り抜けたい」、
岡田さんが「僕は今回初めて参加させていただいていますが、『エリザベート』は人間関係や社会の流れなど、きりがないくらいの深さがあります。一日一日、進化できるように頑張っていきますので、どうぞ博多、名古屋、大阪と足を伸ばしていただけたら」、
そして春野さんが「ここで公演するのは残りわずかになりましたが、今になってようやくこの帝国劇場でエリザベートを演じているという実感が持てるようになりました。その幸せをかみしめて毎日舞台に立っています。私たちは舞台上では心を通いあわせることができなかった家族ですが、お互いにそれぞれ強い愛を持っています。そんな私たち家族をどうぞ最後まで見守ってください。そしてこの公演を最後までみなさまに楽しんでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶して、東京での最後のアフタートークは終了。
春野さんの言葉にもあるように、舞台上では見ることのできない、仲睦まじい家族の姿が垣間見れたトークショーでした!
『エリザベート』東京公演は6月27日(水)まで帝国劇場にて。
東京公演のあとは7月5日(木)から26日(木)に福岡・博多座、
8月3日(金)から26日(日)に愛知・中日劇場、
9月1日(土)から28日(金)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演されます。