劇団青年座 vol.02  from 伊藤大

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さて今回は第2回目。
『THAT FACE~その顔』の稽古もじっくりと、でも順調に進んでいます。
よろしくお願いします。

で、前回予告したスタッフ・キャストとのお仕事の話をする前に・・・
そもそもお芝居とは?
という事を一回考えてみたいと思います。
このお話が、前回の予告と繋がってきますので。

みなさんは、戯曲というものを読んだ事がありますか?
学校の教科書にも載っていますが、なかなか一本全部読むのは面倒くさいですよね。
実際、戯曲って売れません。
なぜでしょう?

まず戯曲がどういう風に書かれているか。

Aさん  私はAと思います。
Bさん  いや、それはBじゃないの?
Cさん  分かってないな~。これはCだよ。

さて、誰が言っている事が本当でしょう。

人間は普段生活していて、いつでも100%思ったままに思った事を話しているわけではありません。つまり、ウソが混じっているわけです。
上記の会話でいえば、
みんなが半分ホント、半分ウソ、そんな会話をしている事。
それが面白い戯曲です。

そのウソ程度、ホント程度を味わう事が、戯曲を読む事の醍醐味だし、
演出という作業、役を創るという作業の最大の楽しみでもあります。

普通の本(小説など)だと、
ある結論に向かって、組立てられていきますよね。
でも戯曲では、ウソとホントを読み分けていこうと思うのですけれど。
別に最後までウソをついても構わないわけです。

っていうか、
スタッフ・キャスト全員で大きなウソをついて
そのウソをお客様に堪能して帰っていただく、
それが我々の仕事です。

「今回はこんなウソをつこう!」
その旗振り役が演出家です。

一般社会で嘘つきは非難されますが、
我々の世界では、嘘が上手ければ上手い程、人に褒められます。
楽しいですよ~。

それでは、また次回。


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