●仕掛け人はこの人●
前回までの説明で、『カム・フライ・アウェイ』がフランク・シナトラの歌うナンバーにのせて展開していくダンス・ミュージカルだということは認識されたことと思います。そして、いかにシナトラが類まれなる歌声の持ち主だったかということも。
今回はさらに舞台の核心へと踏み込んでいきましょう。この作品を成功に導いた最大の功労者について解説いたします。
前回までの説明で、『カム・フライ・アウェイ』がフランク・シナトラの歌うナンバーにのせて展開していくダンス・ミュージカルだということは認識されたことと思います。そして、いかにシナトラが類まれなる歌声の持ち主だったかということも。
今回はさらに舞台の核心へと踏み込んでいきましょう。この作品を成功に導いた最大の功労者について解説いたします。
トワイラ・サープ(英語表記はTwyla Tharp)。
この名前に聞き覚えがある人は、おそらく舞台通です。彼女は、アメリカを代表する振付家で、半世紀に近いキャリアを誇ります。
年表で見ていきましょう。
1941年 インディアナ州で誕生。
1950年代 カリフォルニア州に転居。
両親はドライブイン・シアターを営む。
1963年 NYのバーナード・カレッジを卒業。
ポール・テイラー・ダンス・カンパニーに参加。
1965年 トワイラ・サープ・ダンスを設立。
1973年 『デュース・クーペ』(ジョフリー・バレエ)を発表。
※ビーチ・ボーイズの音楽が使用されている。
1976年 『プッシュ・カムス・トゥ・ショヴ』
(アメリカン・バレエ・シアター)を発表。
※ミハイル・バリシニコフのために作られた。
1978年 映画『ヘアー』の振付を担当。
※以降、『ラグタイム』(1980年)、
『アマデウス』(1984年)、
『ホワイトナイツ/白夜』(1985年)、
『ハリウッド・トラブル』(1994年)
など数多くの映画にも携わっている。
1980年 『ウェン・ウィ・アー・ヴェリー・ヤング』で
ブロードウェイ初進出。
1981年 『ザ・キャサリン・ウィール』を
ブロードウェイで初演。
※デイヴィッド・バーンとのコラボレーション。
1985年 ブロードウェイ・ミュージカル『雨に唄えば』の
振付を担当。
テレビ番組『バリシニコフ・バイ・サープ』の
演出でエミー賞を受賞。
2002年 ブロードウェイ・ミュージカル『ムーヴィン・アウト』初演。
※全編、ビリー・ジョエルの楽曲を使用。
2003年 『ムーヴィン・アウト』で
トニー賞最優秀振付賞を受賞。
2006年 『ザ・タイムズ・ゼイ・アー・エー・チェンジン』初演。
※全編、ボブ・ディランの楽曲を使用。
2010年 『カム・フライ・アウェイ』発表。
同作で、ドラマデスク賞振付賞を受賞。
緑色で記した作品はどれも、アーティストの楽曲にインスパイアされて作ったものです。かつては、バレエやモダンダンスに使われる音楽といえば、クラシックが定番でした。そこに、ポピュラー・ミュージックを持ちこんだパイオニアが、トワイラ・サープだったのです。
そんな彼女にとって、特別な存在ともいえる歌手が、フランク・シナトラでした。『カム・フライ・アウェイ』を発表する以前にも、1976年に『ワンス・モア・フランク』(アメリカン・バレエ・シアター)、1982年に『ナイン・シナトラ・ソングス』(トワイラ・サープ・ダンス)、1984年に『シナトラ組曲』(アメリカン・バレエ・シアター)でシナトラの楽曲を使用しています。
屈指の名歌手フランク・シナトラと、音楽をこよなく愛する振付家トワイラ・サープ。まさに鉄壁のコンビネーションが生み出した『カム・フライ・アウェイ』、ますます気になりませんか?
↓ トワイラ・サープの近影です。
トワイラ・サープ (C)Shino Yanagawa
この名前に聞き覚えがある人は、おそらく舞台通です。彼女は、アメリカを代表する振付家で、半世紀に近いキャリアを誇ります。
年表で見ていきましょう。
1941年 インディアナ州で誕生。
1950年代 カリフォルニア州に転居。
両親はドライブイン・シアターを営む。
1963年 NYのバーナード・カレッジを卒業。
ポール・テイラー・ダンス・カンパニーに参加。
1965年 トワイラ・サープ・ダンスを設立。
1973年 『デュース・クーペ』(ジョフリー・バレエ)を発表。
※ビーチ・ボーイズの音楽が使用されている。
1976年 『プッシュ・カムス・トゥ・ショヴ』
(アメリカン・バレエ・シアター)を発表。
※ミハイル・バリシニコフのために作られた。
1978年 映画『ヘアー』の振付を担当。
※以降、『ラグタイム』(1980年)、
『アマデウス』(1984年)、
『ホワイトナイツ/白夜』(1985年)、
『ハリウッド・トラブル』(1994年)
など数多くの映画にも携わっている。
1980年 『ウェン・ウィ・アー・ヴェリー・ヤング』で
ブロードウェイ初進出。
1981年 『ザ・キャサリン・ウィール』を
ブロードウェイで初演。
※デイヴィッド・バーンとのコラボレーション。
1985年 ブロードウェイ・ミュージカル『雨に唄えば』の
振付を担当。
テレビ番組『バリシニコフ・バイ・サープ』の
演出でエミー賞を受賞。
2002年 ブロードウェイ・ミュージカル『ムーヴィン・アウト』初演。
※全編、ビリー・ジョエルの楽曲を使用。
2003年 『ムーヴィン・アウト』で
トニー賞最優秀振付賞を受賞。
2006年 『ザ・タイムズ・ゼイ・アー・エー・チェンジン』初演。
※全編、ボブ・ディランの楽曲を使用。
2010年 『カム・フライ・アウェイ』発表。
同作で、ドラマデスク賞振付賞を受賞。
緑色で記した作品はどれも、アーティストの楽曲にインスパイアされて作ったものです。かつては、バレエやモダンダンスに使われる音楽といえば、クラシックが定番でした。そこに、ポピュラー・ミュージックを持ちこんだパイオニアが、トワイラ・サープだったのです。
そんな彼女にとって、特別な存在ともいえる歌手が、フランク・シナトラでした。『カム・フライ・アウェイ』を発表する以前にも、1976年に『ワンス・モア・フランク』(アメリカン・バレエ・シアター)、1982年に『ナイン・シナトラ・ソングス』(トワイラ・サープ・ダンス)、1984年に『シナトラ組曲』(アメリカン・バレエ・シアター)でシナトラの楽曲を使用しています。
屈指の名歌手フランク・シナトラと、音楽をこよなく愛する振付家トワイラ・サープ。まさに鉄壁のコンビネーションが生み出した『カム・フライ・アウェイ』、ますます気になりませんか?
↓ トワイラ・サープの近影です。
トワイラ・サープ (C)Shino Yanagawa